
映画監督協会が創立70周年を記念して作った映画『映画監督って何だ!』は一部で話題を呼んだものの、わたしは観る機会を逸してしまったし、映画監督協会の主張を知るという意味では、映画の内容を扱ったこの本の方がむしろ映画より効果的かも?というわけで、この団体が何を訴えているかというと、「映画監督に著作権がないのは憲法違反だ!」ということなんですよ。皆さんはこの主張にどんな感想を持ちますか?
『映画監督こそ著作権者』協会挙げて作品で訴え
簡単に端折って言うと、著作権法29条で、映画の著作権は製作者(映画会社など)に帰属することになっていて、極々わかりやすくいうと、社員技術者の発明特許が会社に帰属するのと似たような仕組みになっている。これには、映画に関わっている人間は大勢なので二次利用などを円滑に行うには権利者の一本化が必要なためと、映画の製作には多額の費用がかかる(つまり会社持ち)という理由が通常あげられる。
こうした点については、この団体なりの反論があって、詳しくは本を読んでいただきたいのだけど、実際上は、映画監督に二次使用料が払われているし、著作者人格権(勝手に改変されない権利など)についても配慮がなされているわけで、この上監督協会が何を具体的に求めているのかはじつは定かではない。
「憲法違反」という理念上の闘いを優先するのであれば、元文化庁・岡本薫氏の言うように裁判に訴えた方がいいと思えるし、経済闘争でいうなら団体協約というレベルで一応の解決がなされている。
ただ、一点同調するのは、製作会社の倒産や製作委員会の雲散霧消後には、権利が監督に戻るべきだという主張。
確かに、現在なぜか観ることのできない映画というのは上記のケースが大半で、フィルムがジャンクされてしまえば、映画自体が永久にこの世からなくなってしまい、監督のフィルモグラフィーのみにタイトルが残るなんていうケースだってありえる話。しかし、この問題の解決を法に求めるのか契約書レベルに求めるのかという判断は議論を呼ぶとは思いますけれど・・・。
というわけで、映画に関わらず、「ものづくり」に興味のある方には考えさせられる本かもしれません。一応、オススメ!
『映画監督こそ著作権者』協会挙げて作品で訴え
簡単に端折って言うと、著作権法29条で、映画の著作権は製作者(映画会社など)に帰属することになっていて、極々わかりやすくいうと、社員技術者の発明特許が会社に帰属するのと似たような仕組みになっている。これには、映画に関わっている人間は大勢なので二次利用などを円滑に行うには権利者の一本化が必要なためと、映画の製作には多額の費用がかかる(つまり会社持ち)という理由が通常あげられる。
こうした点については、この団体なりの反論があって、詳しくは本を読んでいただきたいのだけど、実際上は、映画監督に二次使用料が払われているし、著作者人格権(勝手に改変されない権利など)についても配慮がなされているわけで、この上監督協会が何を具体的に求めているのかはじつは定かではない。
「憲法違反」という理念上の闘いを優先するのであれば、元文化庁・岡本薫氏の言うように裁判に訴えた方がいいと思えるし、経済闘争でいうなら団体協約というレベルで一応の解決がなされている。
ただ、一点同調するのは、製作会社の倒産や製作委員会の雲散霧消後には、権利が監督に戻るべきだという主張。
確かに、現在なぜか観ることのできない映画というのは上記のケースが大半で、フィルムがジャンクされてしまえば、映画自体が永久にこの世からなくなってしまい、監督のフィルモグラフィーのみにタイトルが残るなんていうケースだってありえる話。しかし、この問題の解決を法に求めるのか契約書レベルに求めるのかという判断は議論を呼ぶとは思いますけれど・・・。
というわけで、映画に関わらず、「ものづくり」に興味のある方には考えさせられる本かもしれません。一応、オススメ!
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