いまや、海老蔵の父というイメージのほうが強いのかもしれないが…。
この人というととかく口跡が悪いという話になるが、私は正直いって余り気にならないし、考えてみれば六代目菊五郎だって口跡は悪かったわけで、そのこと自体で非難には当らないと思う。
むしろ私が不満に思っているのは近年の<安定感>。
この人は普段も大変おおらかで大物の風格がある人だそうだが、そのおおらかさが私の気に入らないところ。海老蔵時代の伊右衛門なんかを見ると、先日の橋之助とは大違いの妖しい色気があって、立派な色悪なんだが、最近は父親イメージもあってか、すっかり鋭さは消えつつある印象だ。
私が観た團十郎のベストアクトは国立劇場でやった義経千本桜の通し上演。このときは何か鬼気迫るものがあって、忘れられない名演だった。私は花道すぐ横の席だったが、「大物浦」の出など素晴らしく、となりのおばさんが「今日の成田屋はばかに良いわね。」と言ったほど。
逆にワーストは玉三郎の先代萩のときの八汐役。歌右衛門・勘三郎コンビの先代萩の、あの憎らしい勘三郎の八汐が頭にこびりついていただけに、あまりに憎らしさの足りない團十郎の八汐にはがっかりさせられた。(クールな印象のある玉三郎の大変な熱演の政岡だっただけに。)
というわけで、病後一層おおらかにならず、恐い成田屋でいてほしい私です。
PS:新作の世話物(半七捕物帳とか)は好きではないので止めた方がいいと思います。
この人というととかく口跡が悪いという話になるが、私は正直いって余り気にならないし、考えてみれば六代目菊五郎だって口跡は悪かったわけで、そのこと自体で非難には当らないと思う。
むしろ私が不満に思っているのは近年の<安定感>。
この人は普段も大変おおらかで大物の風格がある人だそうだが、そのおおらかさが私の気に入らないところ。海老蔵時代の伊右衛門なんかを見ると、先日の橋之助とは大違いの妖しい色気があって、立派な色悪なんだが、最近は父親イメージもあってか、すっかり鋭さは消えつつある印象だ。
私が観た團十郎のベストアクトは国立劇場でやった義経千本桜の通し上演。このときは何か鬼気迫るものがあって、忘れられない名演だった。私は花道すぐ横の席だったが、「大物浦」の出など素晴らしく、となりのおばさんが「今日の成田屋はばかに良いわね。」と言ったほど。
逆にワーストは玉三郎の先代萩のときの八汐役。歌右衛門・勘三郎コンビの先代萩の、あの憎らしい勘三郎の八汐が頭にこびりついていただけに、あまりに憎らしさの足りない團十郎の八汐にはがっかりさせられた。(クールな印象のある玉三郎の大変な熱演の政岡だっただけに。)
というわけで、病後一層おおらかにならず、恐い成田屋でいてほしい私です。
PS:新作の世話物(半七捕物帳とか)は好きではないので止めた方がいいと思います。
私は金毘羅公演で団十郎と記者会見後お会いして以来あっというまにファン(単純)。
息子は案の定だらしない下半身で大嫌いだが、芸の上では父を越えそうなのが腹立たしい。
今も芸の肥やしに精進しているのかも?と思うと、えびの寸評は読みたくないなぁ。
芝翫とか歌右衛門とか早く読みたい。
すでに今後のラインナップも数人分、頭の中にあるのですが、独断と偏見に満ちた選択&見解になる予定です。
ただ、大成駒二人はなかなか荷が重くはありますが…。
でも、歌右衛門さんの亡くなった日は忘れられませんね。桜が咲いてて、雪が降って、夜は月が出ましたものね。志ん朝さんの訃報を知った時と並んで、ジーンときた日です。
では乞うご期待。