戦後の映画界を代表する俳優山村聡が映画監督もやっているという話は、いまや映画に詳しい人でないと知らないかもしれませんね~。それも社会派映画の監督だったって話は…。初監督作品が『蟹工船』(!)で、2作目がこの映画。なんと、下山事件を扱った映画なんですよ~。たまたま、観る機会があったので、簡単に感想ですっ。
助監督に鈴木清順(当時、鈴木清太郎)、今村昌平、浦山桐郎。美術にのちの映画美術界の巨匠・木村威夫と、プロがサポートしただけのことはある充実した画面になっています。
冒頭の、鉄道自殺のシーンの土砂降りの雨。自殺シーンの衝撃から、山村聡演じる新聞記者の葛藤…。
この映画の特筆すべき点は、なんといっても美術の充実。昔の新聞社のセットに、凝りに凝った小道具。大きな長机に並ぶ黒電話と電燈の視覚的な面白さがよいんですよね~。それに、新聞社のセットに所狭しと歩き回る人々…。
要するに、エキストラの使い方が巧いんですけど、これは今村・浦山コンビの健闘が光っているってことでしょう。
そんなわけで、画面は情報量が多いのですが、さて演出は…。
あっさりいちゃうと、監督主演の山村聡の悩んだ芝居が、正直ちょっとかったるい。
忙しさのあまり、妻が駆け落ちして情死した過去を持つ新聞記者という設定が、いかにも「原作・井上靖」という感じのメロドラマで、わたしはさっぱりのれなかった!しかも、妻の遺書のナレーションが棒読みで、おいおいって感じ…。
しかも、この主人公は妙にモテ男な設定で、左幸子と津島恵子の二人に慕われるんだけど、亡き妻にこだわって、煮え切らない態度をとり続ける…。
というわけで、スタッフワーク二重丸、演出△って感じの映画でした。
ちなみに、この映画、日活が戦後製作を再開した年の映画です。なので、石原裕次郎登場以前の日活作品という視点で観ると面白いかもしれません。
ということで、興味のある方はあどうぞ!
PS:なお、この映画の思い出を木村威夫氏がその著書で語っています。ご参考にどうぞ!
助監督に鈴木清順(当時、鈴木清太郎)、今村昌平、浦山桐郎。美術にのちの映画美術界の巨匠・木村威夫と、プロがサポートしただけのことはある充実した画面になっています。
冒頭の、鉄道自殺のシーンの土砂降りの雨。自殺シーンの衝撃から、山村聡演じる新聞記者の葛藤…。
この映画の特筆すべき点は、なんといっても美術の充実。昔の新聞社のセットに、凝りに凝った小道具。大きな長机に並ぶ黒電話と電燈の視覚的な面白さがよいんですよね~。それに、新聞社のセットに所狭しと歩き回る人々…。
要するに、エキストラの使い方が巧いんですけど、これは今村・浦山コンビの健闘が光っているってことでしょう。
そんなわけで、画面は情報量が多いのですが、さて演出は…。
あっさりいちゃうと、監督主演の山村聡の悩んだ芝居が、正直ちょっとかったるい。
忙しさのあまり、妻が駆け落ちして情死した過去を持つ新聞記者という設定が、いかにも「原作・井上靖」という感じのメロドラマで、わたしはさっぱりのれなかった!しかも、妻の遺書のナレーションが棒読みで、おいおいって感じ…。
しかも、この主人公は妙にモテ男な設定で、左幸子と津島恵子の二人に慕われるんだけど、亡き妻にこだわって、煮え切らない態度をとり続ける…。
というわけで、スタッフワーク二重丸、演出△って感じの映画でした。
ちなみに、この映画、日活が戦後製作を再開した年の映画です。なので、石原裕次郎登場以前の日活作品という視点で観ると面白いかもしれません。
ということで、興味のある方はあどうぞ!
PS:なお、この映画の思い出を木村威夫氏がその著書で語っています。ご参考にどうぞ!
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