今度、「ショコラ」なんかで有名なラッセ・ハルストレム監督で再び映画化され公開も近い、ベニスの司書カサノバの人生。たぶんこの映画は観に行かないんだけど(笑)、稀代の色事師カサノバといえば、ベニスにある彼が投獄されたという牢獄を思い出しちゃうんですよね。
ベニスに旅行した際、サン・マルコ広場にあるドゥカーレ宮殿に行ったんだけど、ここが問題の牢獄に繋がっている。
わたしの第一印象では、これはとても人間のいる場所ではないなって思った。大きな石で囲まれた馬小屋みたいなところ。パリにあるマリー・アントワネットが入った牢獄(コンシェルジュリー)も行ったことがあるけど、コンシェルジュリーはチクチク神経をやられそうな感じで、ベニスの牢獄はすぐに気が変になっちゃいそうな牢獄。こんなところを脱走したカサノバって凄いなっていうのが、そのときわたしの思ったことでした。
「一人の男が根気よく計画を練り、ひたすらそれに努力を傾注すれば、どんな困難があっても必ず成功するものだ」
「充分に時間をかけ、必要なだけの勇気と冷静さがあれば、トルコの大臣にもローマ教皇にもなれる。王政を粉砕することすら可能だ」
これらはカサノバ本人の言葉なんだけど、五年もの歳月をかけ、あの石牢を脱獄したカサノバって強烈な「意志の人」だったってことなんだろうと思う。で、そんな男だから稀代のナンパ師だったってことのなのか…。
ナンパ師っていうとイメージが悪いけれど、牢獄の事を思い出すと、只者ではなかったカサノバっていうひとが少しカッコよくに見えてくるんですよね。
ベニスが好きなので、ベニスを舞台にした映画はついつい観てしまうんだけど、観光映画としては優れている「旅情」、退廃的な「ベニスに死す」、期待したわりにはいまいちだった「鳩の翼」などがあって、今度の「カサノバ」もベニスの魅力を伝えてはいるんでしょう。
因みに、フェリーニの「カサノバ」はチネチッタでの全編セット撮影。凄い映画美術作品で、観るたびにため息が出ます。
さて、カサノバ本人に関しては、『物語イタリアの歴史』(中公新書)のなかの、「司書カサノーヴァの物語」が詳しいので興味のある方はそうぞ。
PS:画像は冬のベニス。左がドゥカーレ宮殿で、わたしが滞在していたときの午前中は、いつもサン・マルコ広場は水浸しでした。だから、人が通るための台が写ってるでしょ。
ベニスに旅行した際、サン・マルコ広場にあるドゥカーレ宮殿に行ったんだけど、ここが問題の牢獄に繋がっている。
わたしの第一印象では、これはとても人間のいる場所ではないなって思った。大きな石で囲まれた馬小屋みたいなところ。パリにあるマリー・アントワネットが入った牢獄(コンシェルジュリー)も行ったことがあるけど、コンシェルジュリーはチクチク神経をやられそうな感じで、ベニスの牢獄はすぐに気が変になっちゃいそうな牢獄。こんなところを脱走したカサノバって凄いなっていうのが、そのときわたしの思ったことでした。
「一人の男が根気よく計画を練り、ひたすらそれに努力を傾注すれば、どんな困難があっても必ず成功するものだ」
「充分に時間をかけ、必要なだけの勇気と冷静さがあれば、トルコの大臣にもローマ教皇にもなれる。王政を粉砕することすら可能だ」
これらはカサノバ本人の言葉なんだけど、五年もの歳月をかけ、あの石牢を脱獄したカサノバって強烈な「意志の人」だったってことなんだろうと思う。で、そんな男だから稀代のナンパ師だったってことのなのか…。
ナンパ師っていうとイメージが悪いけれど、牢獄の事を思い出すと、只者ではなかったカサノバっていうひとが少しカッコよくに見えてくるんですよね。
ベニスが好きなので、ベニスを舞台にした映画はついつい観てしまうんだけど、観光映画としては優れている「旅情」、退廃的な「ベニスに死す」、期待したわりにはいまいちだった「鳩の翼」などがあって、今度の「カサノバ」もベニスの魅力を伝えてはいるんでしょう。
因みに、フェリーニの「カサノバ」はチネチッタでの全編セット撮影。凄い映画美術作品で、観るたびにため息が出ます。
さて、カサノバ本人に関しては、『物語イタリアの歴史』(中公新書)のなかの、「司書カサノーヴァの物語」が詳しいので興味のある方はそうぞ。
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カサノヴァは膨大な回想録が有名ですが、その全巻が60年代に刊行されて再評価され、映画製作のきっかけともなったとありました。
フェリーニって、カサノヴァという人物に共感できなくて、サザーランドにあたってしまったって言われてますよね。でも、最後にはどっかしら共感できるようになったんじゃないかな?
だって、映画は素晴らしいですもんね。
公開当時は不評だったそうですが、哲学めいたものより、こういう作品の方がわたしは断然好きです。
フェリーニはたいした哲学者じゃなかったと思うけど、たいした詩人ではあったんじゃないかって、わたしは思うんですけどね~。
それと、サザーランドの唯一の汚点は「落陽」っていう日本映画に出ちゃったことじゃないかな…。