竹本綱大夫と鶴澤清治が人間国宝になったんだけど、当然だと思うし、鶴澤清治については、若いようで遅かったっていう印象。そんなことより、世代交代を迫られてる文楽界の切迫感は感じてしまうなあ~。
去年九月の吉田玉男さんの死や竹本住大夫師匠の年齢、吉田文雀さんの腰の調子など、この一年で先のことを考えなければいけない状況が迫ってきたと感じているのはわたしだけか…。
大夫では、渋い語りの綱大夫、明朗な語りの嶋大夫がわたしは好きだし、三味線では野澤錦糸に、若手の鶴澤燕三や鶴澤清ニ郎もいいですね。
でも、世間的には「人間国宝」という看板は大きいからなあ~。
なんだか、奥歯に物の挟まったような言い方だけど、心配はしてるんです、先のことを…。
人間国宝に野村万作さんら7氏(産経新聞) - goo ニュース
去年九月の吉田玉男さんの死や竹本住大夫師匠の年齢、吉田文雀さんの腰の調子など、この一年で先のことを考えなければいけない状況が迫ってきたと感じているのはわたしだけか…。
大夫では、渋い語りの綱大夫、明朗な語りの嶋大夫がわたしは好きだし、三味線では野澤錦糸に、若手の鶴澤燕三や鶴澤清ニ郎もいいですね。
でも、世間的には「人間国宝」という看板は大きいからなあ~。
なんだか、奥歯に物の挟まったような言い方だけど、心配はしてるんです、先のことを…。
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私の場合歌舞伎を観にいくときは、べつに贔屓の役者が出ていなくても、演目で選んだりして行く場合が結構ありますが、文楽となるとなぜか蓑助を観にいきたいとか、住大夫を聴きたいとかになるんですよ~。
歌舞伎は役者があまり上手ではなくても、それなりに観ることもできますが、文楽はチョット違いますね。
歌舞伎歴は長いのですが(結構な年なんです、私)、文楽歴はたったの5~6年なんです。
”何故もっと早くから観なかったんだろう、私って馬鹿よね!”とすご~く悔しい思いをしています。
お年の方が多いので、”今のうちに、せっせと文楽に行かなくては!”と内心焦っています。
でもこれから先の文楽界のことを考えると、若い人もどんどん応援していかなくてはいけませよね。
文楽って、若い大夫が大きな声を張り上げていても、まったく物足りなく感じてしまう不思議なジャンルですよね。文楽は、長い熟成期間を必要とする贅沢な文化なのかもしれませんね。しかも、賞味期限(至芸を味わえる期間)はきわめて短い。
谷崎潤一郎の『蓼喰う虫』という小説で、登場人物たちが文楽を観に行くくだりがあるんですが、吉田文五郎が出てくるところで、
「あの老人が死んだら文楽もどうなるかわからないよ」
と登場人物がいう場面があるんです。でも、文五郎の弟子・蓑助さんや文雀さんが今は活躍してますから、まあ、心配は心配だけど、将来については楽観的に考えるようにしています。
でも、近い将来不安は不安ですよね。蓑助さんも一回倒れていることだし・・・。