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『翔んだカップル』 相米慎二監督

2009-03-17 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
むかし観た映画の再見シリーズって感じですが、わたし、相米慎二監督って結構好きなんですよ。生きてたら、溝口健二ばりの大巨匠になってたかもしれないなあ~なんて本気で思っています。で、本当にひっさびさにこの映画と『セーラー服と機関銃』を見直して、やっぱりこの人はデビュー当時からやりたい放題やっていたって再確認できました!ただのアイドル映画なんかじゃないぞ!!というわけで、感想っ!

監督デビュー作なんですよね、この作品。で、改めてみると、この監督が助監督としてついていた、日活ロマンポルノの巨匠・神代辰巳監督や曽根中生監督の長廻し演出の影響大なんですよね。

クレーンを使った大ロングから人物を追っかける手持ちカメラの使い方とか…。

で、今見ると、そんなにわかりやすいカットは撮ってなくて、あんまり説明しないんですよね、この監督。

そこが改めてみても普遍性を感じるところなんですけど、やっぱり薬師丸ひろ子が生き生きしてる!

このあと角川作品のヒロインとして数々の映画に主演する彼女だけど、たとえば森田芳光監督の『メインテーマ』なんかでは、相米作品のような快活さってないんですよ。(でも、森田監督は相当、相米作品を意識している!)

まあ、根岸吉太郎監督の『探偵物語』も個人的には結構好きだけど、相米監督って大人の一歩前みたいな時代をうまく描ける巨匠だったってことなんですかね?

わたしが感心するのは、有名なもぐら叩きのシーン。ちょっと説明しようかと思ったけど、長谷川和彦と相米慎二監督自身が語っているページがあるんでそれを読んでもらった方が早いかな~。

・対談 長谷川和彦VS相米慎二(東宝映画『翔んだカップル』をめぐるうるさいおとなたちの映像美学)

それと、カップルが結ばれるシーンの編集。画になる坂道をよくロケハンしてきたなっていうことにも、わたしは妙に感動してしまいましたね~。あと、終わり方も結構変なんだ、改めて見ると…。(結構、監督、暴走している!)

というわけで、たいした感想は書いていないけれど、この映画のDVDが入手しやすくなることを期待してますよ、角川映画さんと東宝さん!

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