切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

賞という名の墓標、市川崑の場合。

2006-08-05 00:32:51 | アメリカの夜(映画日記)
映画際における功労賞の類を全否定する気はないけれど、黒澤明賞に市川崑って、あまりに前向きでない受賞だなあと思う。同時期に東宝にいたことのある二人だし、この受賞であと何本映画を撮れるんですか?既に過去の業績は十分リスペクトされている監督なんだから、こういう蛇足はないでしょって感じだ!

映画祭 第3回黒澤明賞に市川崑監督 - goo ニュース

以前も書いたけど、市川崑がもっともクリエイティブだった時期は、奥さんの脚本家・和田夏十が存命だった時期までで、ハイカラなモダニスト監督というイメージだったのが、その後は悪い意味で老大家って感じの監督になってしまった。

これまた、何度も書いているけれど、個人的に市川崑の最良の作品だと思うのは『女経』というオムニバス映画のなかの一編「物を高く売りつける女」。船越英二と山本富士子という、『私は二歳』のコンビが出演したミステリアスな作品で軽いタッチなところがいいんですよね。

「物を高く売りつける女」のストーリー

とかく、『黒い十人の女』という作品が過大評価されているけれど、以前あげた以外だと、『満員電車』なんて作品もわたしは割と好きだし、『処刑の部屋』や『太平洋ひとりぼっち』なんかも結構いい映画だった。

でも、これまたついででいっておくけれども、諸般の事情でまったくビデオ化、DVD化のされない作品『鹿鳴館』(三島由紀夫原作)は何とかならないものでしょうか?

この作品で美術・村木忍(黒澤組村木与四郎の夫人)はアカデミー最優秀美術賞をとっているし、わたしも一度見てみたいんだけどな~。

村木忍にちょっと触れた以前の記事。

と、話は脱線したけれども、予定調和の賞の受賞なんかやめないと、映画祭なんて誰も興味持たないんじゃないかなっていうのがわたしの感想。やっぱり、黒澤明賞に市川崑なんて、古~い権威主義めいた宣伝ってところでしょう。なんだか、映画に愛がないもの・・・。

「犬神家の一族」市川監督&石坂で復活(以前書いた記事)

アート オブ 市川崑 大映傑作選

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満員電車

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