『かぶき讃』 折口信夫 中公文庫 復刊！！

折口信夫の『かぶき讃』が中公文庫の一冊として出版された。

今日たまたま立ち読みに出かけたところ、見つけてしまったのだが、正直言って感慨一塩。

この本は中公文庫版折口信夫全集の一冊として出ていたものだが、長らく入手困難になっており、歌舞伎ファンとしては、図書館で読むしかなかった。それが入手しやすい形で再刊。しかも解説がなんと、中村獅童！！

しかしこの解説というのが、ちょっとハズシぎみな感じも…。

そもそもこの本、折口信夫独特の粘着質の不思議な文章で、かなりディープな歌舞伎ファンでも、結局何がいいたいのかわからないという難物。だいたい、折口信夫という人の存在自体が真女形みたいなもんだということがわかっていないと、かなり辛い本のような気がする。要するに、出版社の考えた狙い、中村獅童を使っとけば歌舞伎に興味のある人は買うだろうという、という風には到底いかないだろう。私的にも、本当は渡辺保氏や山川静夫氏あたりの解説が読みたかった。中村獅童はオビの推薦文だけでよかったのではないだろうか？

まあ、ディープな歌舞伎ファンには有名な本だし、私も図書館で借りてはちょこちょこ斜め読みしていたので今度はじっくり読もうと思っているところ。因みに写真も入っているし、字も見やすくなっています。興味のある方は、どうぞ！

ＰＳ：私のブログのカテゴリー、「かぶき讃」は当然この本から来ています。