毎年1月3日の恒例にしたいんですが、続くかな~。というわけで、独断と偏見で選ぶベストアクトです!
●2015年の記憶に残る舞台
1月 番町皿屋敷(吉右衛門)女暫(玉三郎)黒塚(猿之助)(以上、歌舞伎座)
2月 筆幸(幸四郎) 陣門・組打(吉右衛門、菊之助)(以上、歌舞伎座)
3月 筆法伝授 道明寺(仁左衛門)(歌舞伎座)
髪結新三(橋之助)(国立劇場)
4月 六歌仙 河庄(鴈治郎)(歌舞伎座)
勧進帳(橋之助、勘九郎)
5月 め組の喧嘩(菊五郎)
6月 新薄雪物語(仁左衛門、魁春)(歌舞伎座)
臺坂霊験記(孝太郎、亀三郎)
7月 切られ与三郎(海老蔵、玉三郎、中車、獅童)牡丹燈籠(玉三郎、中車)蜘蛛の拍子舞(猿之助)(以上、歌舞伎座)
渡海屋・大物浦(菊之助、梅枝)(国立劇場)
絵本合法衝(仁左衛門、隼人、米吉)(大阪松竹座)
8月 棒しばり(橋之助、巳之助)祇園恋尽くし(扇雀)おちくぼ物語(七之助)(以上、歌舞伎座)
9月 先代萩~御殿 (玉三郎、歌六)対決(吉右衛門)競伊勢物語(吉右衛門、歌六)(以上、歌舞伎座)
10月 阿古屋(菊之助・玉三郎)一條大蔵譚(仁左衛門)髪結新三(松緑、左團次、菊五郎)(以上、歌舞伎座)
ワンピース(猿之助、右近)(新橋演舞場)
伊勢音頭(梅玉)(国立劇場)
11月 仙石屋敷(仁左衛門、梅玉)(歌舞伎座)
神霊矢口渡(吉右衛門、芝雀)(国立劇場)
12月 妹背山~御殿(玉三郎、松緑)赤い陣羽織(児太郎、門之助、中車)関の扉(玉三郎)(以上、歌舞伎座)
四谷怪談(染五郎) (国立劇場)
ということで、
●わたしの選ぶベストアクト2015
①伽羅先代萩~御殿(玉三郎)
②競伊勢物語(吉右衛門)
③新薄雪物語 合腹(仁左衛門・幸四郎・魁春・芝雀)
③妹背山婦庭訓 御殿(玉三郎)
⑤絵本合法衝(仁左衛門)
次点:筆法伝授(仁左衛門)道明寺(仁左衛門)神霊矢口渡(吉右衛門・芝雀)切られ与三郎(海老蔵・玉三郎・中車・獅童)
ワンピース(猿之助)
やはり、1位と2位は甲乙つけがたいのですが、玉三郎の政岡が別の段階に入ったと確信させられた舞台でした。2位の吉右衛門は狂言の復活自体が意義ある上に、至高至芸の舞台。同点3位は、新薄雪物語の通し全体がハイレベルでした。妹背山の御殿は千穐楽の写メ日記に書いた通り。大阪遠征した仁左衛門の合法は若手の健闘もあったけど、やはり仁左衛門が充実しきっていて、空席を見るにつけ、大阪の観客の見識を疑いたくなった。
次点は、菅原の通しで、当然ながら仁左衛門が圧倒的。神霊矢口は競伊勢物語同様、吉右衛門の意欲と至芸が称賛に値する。海老蔵の今年の舞台では、玉三郎との初共演の切られ与三郎が傑作。獅童の蝙蝠安が大健闘。そして、最後のワンピースは、全く期待しないで観に行って、正直驚かされた!猿之助の引出しの凄さ!空ヲ刻ム者があって翌年にワンピース歌舞伎って、勘三郎亡き後の新作歌舞伎のトップランナーに躍り出たかなという感じ。
●2015年MVP
①坂東玉三郎
②中村吉右衛門
③片岡仁左衛門
選考が月並みすぎて気が引けるんですが、2015年はやっぱり玉三郎でしょう。2015年の玉三郎の舞台は、正直いって全部よかったです(少なくとも玉三郎が出ている場面は。)。旧歌舞伎座の閉幕以降は歌舞伎以外の活動が忙しそうだった玉三郎だけど、2015年は完全歌舞伎回帰って感じですかね~。ま、大事な人ですから、お体無理しないでくださいネとだけ言いたいですね~。
吉右衛門は播磨屋一門によるゆかりの狂言復活が内容充実で、将来の歌舞伎界の財産になることでしょうね。
仁左衛門はとにかくアベレージが高いというか、世評もう一つだった仙石屋敷だって、わたしは感動して観てました。東京では初登場だった一條大蔵みたいな、松嶋屋の型の舞台を東京でもっと見せてほしいです。たとえば、夏祭浪花鑑とか。あと、玉三郎との共演もお願いします、松竹さん!
●敢闘賞
市川猿之助
尾上菊之助
猿之助はワンピースの宙乗りに度肝を抜かれたんですが、2016年はこの人の古典をじっくり観たいという意味で一票。
菊之助は合邦の玉手みたいないまいちな舞台もあった一方、渡海屋大物浦の知盛とか、陣門組打の敦盛、阿古屋の重忠と、実力を発揮した充実した舞台もあって、2015年の「平成の三之助」の中では、地味ながら内容がありました。願わくば、菊五郎みたいな洒落っ気も出てくるとさらに良いんですけど、このひと真面目そうですからね~。
●特別賞
中村橋之助
10月の芝翫襲名を睨んでのことだったんでしょうが、2015年は新三、勧進帳の弁慶、棒しばり、巡業では河内山と、随分意欲的だなあ~と思いました。勘三郎、三津五郎亡き後のポスト人間国宝世代の立ち役はこの人なんでしょうね~。襲名披露の出し物が楽しみ。
●奨励賞
尾上松也
坂東巳之助
中村隼人
三人とも今までにない役が付いてきて、顔つきも台詞回しもだいぶ変わってきたような~。特に松也は随分良かったですよ、12月。浅草歌舞伎が楽しみです。
ということで、2016年は雀右衛門襲名と芝翫襲名がありますから、豪華キャストの名舞台が楽しめそうですね。でも、名女形雀右衛門と芝翫の名前が次代に引き継がれるというのは、ちょっと感慨深いものがあります。わたしも年を取ってきたなと…。
あと、海老蔵には目の覚めるような古典の舞台を期待!
と、こんなところで、お後がよろしいようで…。
PS:追記で7月に猿之助の蜘蛛の拍子舞を加えました。それと、2015年の個人的ワーストは2月の六本木歌舞伎。もちろん、演者は悪くないけど脚本と演出がね…。わたしの意見はココをご覧ください。
●2015年の記憶に残る舞台
1月 番町皿屋敷(吉右衛門)女暫(玉三郎)黒塚(猿之助)(以上、歌舞伎座)
2月 筆幸(幸四郎) 陣門・組打(吉右衛門、菊之助)(以上、歌舞伎座)
3月 筆法伝授 道明寺(仁左衛門)(歌舞伎座)
髪結新三(橋之助)(国立劇場)
4月 六歌仙 河庄(鴈治郎)(歌舞伎座)
勧進帳(橋之助、勘九郎)
5月 め組の喧嘩(菊五郎)
6月 新薄雪物語(仁左衛門、魁春)(歌舞伎座)
臺坂霊験記(孝太郎、亀三郎)
7月 切られ与三郎(海老蔵、玉三郎、中車、獅童)牡丹燈籠(玉三郎、中車)蜘蛛の拍子舞(猿之助)(以上、歌舞伎座)
渡海屋・大物浦(菊之助、梅枝)(国立劇場)
絵本合法衝(仁左衛門、隼人、米吉)(大阪松竹座)
8月 棒しばり(橋之助、巳之助)祇園恋尽くし(扇雀)おちくぼ物語(七之助)(以上、歌舞伎座)
9月 先代萩~御殿 (玉三郎、歌六)対決(吉右衛門)競伊勢物語(吉右衛門、歌六)(以上、歌舞伎座)
10月 阿古屋(菊之助・玉三郎)一條大蔵譚(仁左衛門)髪結新三(松緑、左團次、菊五郎)(以上、歌舞伎座)
ワンピース(猿之助、右近)(新橋演舞場)
伊勢音頭(梅玉)(国立劇場)
11月 仙石屋敷(仁左衛門、梅玉)(歌舞伎座)
神霊矢口渡(吉右衛門、芝雀)(国立劇場)
12月 妹背山~御殿(玉三郎、松緑)赤い陣羽織(児太郎、門之助、中車)関の扉(玉三郎)(以上、歌舞伎座)
四谷怪談(染五郎) (国立劇場)
ということで、
●わたしの選ぶベストアクト2015
①伽羅先代萩~御殿(玉三郎)
②競伊勢物語(吉右衛門)
③新薄雪物語 合腹(仁左衛門・幸四郎・魁春・芝雀)
③妹背山婦庭訓 御殿(玉三郎)
⑤絵本合法衝(仁左衛門)
次点:筆法伝授(仁左衛門)道明寺(仁左衛門)神霊矢口渡(吉右衛門・芝雀)切られ与三郎(海老蔵・玉三郎・中車・獅童)
ワンピース(猿之助)
やはり、1位と2位は甲乙つけがたいのですが、玉三郎の政岡が別の段階に入ったと確信させられた舞台でした。2位の吉右衛門は狂言の復活自体が意義ある上に、至高至芸の舞台。同点3位は、新薄雪物語の通し全体がハイレベルでした。妹背山の御殿は千穐楽の写メ日記に書いた通り。大阪遠征した仁左衛門の合法は若手の健闘もあったけど、やはり仁左衛門が充実しきっていて、空席を見るにつけ、大阪の観客の見識を疑いたくなった。
次点は、菅原の通しで、当然ながら仁左衛門が圧倒的。神霊矢口は競伊勢物語同様、吉右衛門の意欲と至芸が称賛に値する。海老蔵の今年の舞台では、玉三郎との初共演の切られ与三郎が傑作。獅童の蝙蝠安が大健闘。そして、最後のワンピースは、全く期待しないで観に行って、正直驚かされた!猿之助の引出しの凄さ!空ヲ刻ム者があって翌年にワンピース歌舞伎って、勘三郎亡き後の新作歌舞伎のトップランナーに躍り出たかなという感じ。
●2015年MVP
①坂東玉三郎
②中村吉右衛門
③片岡仁左衛門
選考が月並みすぎて気が引けるんですが、2015年はやっぱり玉三郎でしょう。2015年の玉三郎の舞台は、正直いって全部よかったです(少なくとも玉三郎が出ている場面は。)。旧歌舞伎座の閉幕以降は歌舞伎以外の活動が忙しそうだった玉三郎だけど、2015年は完全歌舞伎回帰って感じですかね~。ま、大事な人ですから、お体無理しないでくださいネとだけ言いたいですね~。
吉右衛門は播磨屋一門によるゆかりの狂言復活が内容充実で、将来の歌舞伎界の財産になることでしょうね。
仁左衛門はとにかくアベレージが高いというか、世評もう一つだった仙石屋敷だって、わたしは感動して観てました。東京では初登場だった一條大蔵みたいな、松嶋屋の型の舞台を東京でもっと見せてほしいです。たとえば、夏祭浪花鑑とか。あと、玉三郎との共演もお願いします、松竹さん!
●敢闘賞
市川猿之助
尾上菊之助
猿之助はワンピースの宙乗りに度肝を抜かれたんですが、2016年はこの人の古典をじっくり観たいという意味で一票。
菊之助は合邦の玉手みたいないまいちな舞台もあった一方、渡海屋大物浦の知盛とか、陣門組打の敦盛、阿古屋の重忠と、実力を発揮した充実した舞台もあって、2015年の「平成の三之助」の中では、地味ながら内容がありました。願わくば、菊五郎みたいな洒落っ気も出てくるとさらに良いんですけど、このひと真面目そうですからね~。
●特別賞
中村橋之助
10月の芝翫襲名を睨んでのことだったんでしょうが、2015年は新三、勧進帳の弁慶、棒しばり、巡業では河内山と、随分意欲的だなあ~と思いました。勘三郎、三津五郎亡き後のポスト人間国宝世代の立ち役はこの人なんでしょうね~。襲名披露の出し物が楽しみ。
●奨励賞
尾上松也
坂東巳之助
中村隼人
三人とも今までにない役が付いてきて、顔つきも台詞回しもだいぶ変わってきたような~。特に松也は随分良かったですよ、12月。浅草歌舞伎が楽しみです。
ということで、2016年は雀右衛門襲名と芝翫襲名がありますから、豪華キャストの名舞台が楽しめそうですね。でも、名女形雀右衛門と芝翫の名前が次代に引き継がれるというのは、ちょっと感慨深いものがあります。わたしも年を取ってきたなと…。
あと、海老蔵には目の覚めるような古典の舞台を期待!
と、こんなところで、お後がよろしいようで…。
PS:追記で7月に猿之助の蜘蛛の拍子舞を加えました。それと、2015年の個人的ワーストは2月の六本木歌舞伎。もちろん、演者は悪くないけど脚本と演出がね…。わたしの意見はココをご覧ください。
わたしが選ぶ2014年歌舞伎ベストアクト2012年に同様の記事を書いて以来。今後は続けたいですね~。役者の体は死んじゃったらお終いだし、舞台って映画と違って観客の記憶の中にしか生きてないですから。で、2014年の歌舞伎界...
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