我が郷は足日木の垂水のほとり

文化芸術から政治経済まで、貧しくなった日本人の紐帯を再構築したいものです

ハルノートと交渉術

2009年08月29日 | 政治

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いよいよ明日30日が衆議院選挙の投票日です。マスコミがこの八月に精力的に取り上げていたのは、酒井法子容疑者の覚醒剤所持でした。押尾容疑者の背後にありそうな政治家や警察の不祥事のネタはネットが盛んに取り上げていましたね。そして一番肝心な総選挙の話は隅のほうに追いやられてしまいました。自民党は小泉改革の検証にはほおかむりで、政策は自民党と叫ぶばかり。国際金融資本の20年にわたる攻撃でボロボロにされた日本経済を総括する能力は元よりありませんので致し方ありません。官僚や利権がらみの大企業などに利益誘導するばらまき予算しか思い浮かばない体たらくですが、我が党は「政策がある」と居直っています。民主は民主で「政権交代」のかけ声だけが空しくこだまします。

どこに入れようか迷っても、本当に信頼できる党は見あたりません。ならば「私の理想の政党」とか架空の政党名でも書きたい気分です。

このような情けない政治状況はなにも、今に始まったことではありません。遡ればきりがありませんが、とりあえず先の大戦の始まり頃から見てゆきたいと思います。「太平洋戦争」とはアメリカの都合で付けられた名前ですが、一応ひろく知られた名称です。『大東亜戦争』とは日本国の先の大戦に対する正式な呼称ですが、此処では真珠湾攻撃に焦点をあてていますので敵方の呼称を便宜的に使用しています。この戦いは「真珠湾攻撃」によって開始されたとするのが通例です。アメリカに謂わせれば宣戦布告もなくいきなり攻撃された。卑怯である。それに対して、何を言うか前もって知っていたくせに人の良いアメリカ国民を戦争に引き込むために、攻撃を知らぬ振りをしていたのではないか。あるいは日本は止むにやまれず戦争に追い込まれたのだとか、いろいろな説があります。

           

                  真珠湾上空のHONDA JET

あの戦争に関して偉そうに解説してみても、それは後知恵ですから何とでも解説は出来ます。それでももう一度お温習いをしてみる価値はあるでしょう。ジョセフ・ナイの陰謀が有るならあるで、それに振り回されないためにも、冷静に歴史を観る眼は涵養して於くべきです。日本は東アジアで戦争をしていたわけではありません。亜細亜の経営を行っていました。大切なのは間接的には米英との覇権(戦争)を闘っているという実感が有ったかどうかです。平成の現実も同じようなことが謂えます。日本の経済(戦争)の主敵は米英の国際金融資本主義なのだという認識は有るのでしょうか。

 

            

1941年(昭和16年)1126日に日本に提示されたアメリカの文書がハルノートと呼ばれるものです。その内容を列記すれば次のようになります。

1.アメリカと日本は、英中日蘭蘇泰米間の包括的な不可侵条約を提案する
2.日本の仏印(フランス領インドシナ)からの即時撤兵
3.日本の中国からの即時撤兵 - 中国(原文China)
4.日米が(日本が支援していた汪兆銘政権を否認して)アメリカの支援する中国国民党政府以外のいかなる政府を認めない
5.日本の中国大陸における海外租界と関連権益を含む治外法権の放棄について諸国の同意を得るための両国の努力(原文will endeavor to obtain the agreement)
6.通商条約再締結のための交渉の開始
7.アメリカによる日本の資産凍結を解除、日本によるアメリカ資産の凍結の解除
8.円ドル為替レート安定に関する協定締結と通貨基金の設立
9.第三国との太平洋地域における平和維持に反する協定の廃棄 - 日独伊三国軍事同盟.の廃棄を含意する、と日本側は捉えていたようである。
10.本協定内容の両国による推進     
                            Wikipedia より抄出

 

たとえ、これを交渉の場で飲むか飲まぬのかと迫られても、のらりくらりと言い訳を並べながら、交渉を引き延ばせば良かった。アメリカの大統領は戦争には不参加の公約で選ばれたのであるから自分からは参戦は切り出せない弱みがありました。英国には遙かインド洋と太平洋を押し渡って日本を叩く力などありません。ですから交渉の引き延ばし、これが正解なのです。しかし、欧米の交渉の要諦を知らぬ気一本の日本人はあまりにも単純に理解したために、ぶち切れて先制攻撃、ワル者に仕立て上げられてしまったのです。『戦争ありき』が大前提の交渉では詰まるところは、決裂で交戦となってしまいます。

最初にアメリカ側は、「不可侵条約」の提案をしているのです。最初にそう書いてありますね。ですから日本としても大前提は不可侵条約の締結が交渉の目的であると宣言すれば良いのです。最期の10項にも協定内容の双方による推進と謳ってあるのですから、この交渉は平和交渉だったのです。戦後になって 『日本軍国主義が戦争を起こした。』 と謂われてしまった、原因は此処にあるといわれてしまいます。

 

        火中の栗を拾わされる。【日英同盟】若い日本は、栗を拾うことに成功したが、辛勝の反省がなく踊らされて戦したの認識も欠けていた。

 

問題なのは、仏印からの撤兵を迫られ、汪兆銘政権は彼等は否認するという内容でした。交渉ごとには最初には相手には大きくふっかけるのが常でしょう。弐千万円で売るつもりでも最初は、何があっても八千万以下では売らぬ等というのが彼等の常套手段です。今となってはどの程度の妥協で手を打ったものか、相手の腹の内は知るよしも有りません。正解なのは延々と手をかえ品を変えて交渉を引き延ばせば良かったのです。日本はすでに満州帝国の宗主国であり、汪兆銘政権も中国の中心的な政府でした。コミンテルンにいくらかは支援されていた毛の共産党は満州では、正規戦を挑むことなど夢のような話でした。アメリカと経済的などでは敵対的な関係になっていたのは事実ですが、実際の戦闘行為は控える戦略は持つべきでした。現在の日本は米国との戦闘は、安保条約の担保があるので一安心なのです。しかし骨の髄まで従米では、毟られるだけです。日本の要人を狙ったテロの実行者はもとより、其れを教唆したものをも糾明すべきです。そして予防は其れにもまして重要な懸案です。

 

 

                                  2009 08 29 ハルノートと交渉術【わが郷・政治】

                                     ハワイ最後の女王

                          http://www.hoptours.com/iolanitours/index.html

ハワイへ機動艦隊を実際に差し向けるよりも、ハワイ王朝の亡命政権でも日本国内か満州国の内部に擁立して、ハワイの属州からの離反工作でも行えば良かったのでしょう。イスラエル建国の顛末を見れば、後知恵ながら彼等のいい加減さと遣った物勝ちの勝手さが 理解出来るというものです。彼等は 『 理論や正当性 』 などは単なる言いがかり で、喧嘩や商売の 「 啖呵 」 のようなもの。調子よくポンポンと打ち出してはくるが、理論的脈絡などどうでも良いのです。一番背後に潜んでいた湯田印金融にしてみれば戦争が起こってほしかったのでしょうが、殆どの人は米英にしても其れは望まなかったのでしょう。

日本が先制攻撃の愚挙に出ることに、隠然と手を貸していたのが、外務省の外交官や官僚だったような気配も有りました。まるで最近の日本の政治家や官僚そして学者とされるものがアメリカの侵略者とズブズブの関係であるのと相似形のように似ています。一気に決戦などという馬鹿旦那の博打の作法みたいなアホ は止して、もっと小出しに実力行使でも行ったら良かったのでしょう。

日本の民間マスコミはこのような悪辣なる企みには長けていますね。たったヒロポン一本分の微量の覚せい剤で、国政選挙の大問題を糊塗してしまいました。それも二枚腰です。のりポンの次には、MDMA死亡事件の押尾も控えています。

『民間放送局の悪辣なる、公正選挙妨害』 と言ってしまっては身も蓋もない。自分たちの使命である、日本国の政治力弱体化のためには何でも使う。視聴率アップも稼げるならばピッタンコののりピーマンモステーマではありました。「混ぜっ返す大作戦」 にはなんでも蟻の像の耳。耳の中でも眼の中でも、どんな些細なアリみたいなものでも、放り込めば目眩ましは大成功なのでした。

米英が 「困っていた」 事柄は蒋介石政権の脆弱性と、強固な満州政権の屹立だったと、私は想像します。つまりこの交渉で彼等は日本政府の支那ばかりか、インドシナ半島あたりまでの影響力を認定していたのです。もう一度換言すると、日本は米英と双璧の世界勢力と彼等は認定していたからこその、ハルノートだったのでしょう。

ですから英国を困惑させるためには、インドにおける英国勢力のプレゼンスには、倫理的疑義があるとか何とか、混ぜっ返せば良かったのかも知れません。

 

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 ハルノート【言葉の説明】 ハルノート ハルノートと交渉術

 

 

 

 

 

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