第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Financial Management

2020-09-17 13:20:23 | Harvard medical school

さて、小話を一つ。ある日から境に、医師は経営戦略やマネージメントのことをやる様になることが多いです、例えば実験ばっかりやって論文をいっぱい書いたから、手技だけを一生懸命頑張った!などのベテランの先生方がいきなりマネージメント側に回るのは非常に無理があり、だいたいConflictが起こります。当たり前と思えば当たり前ですね。最近思うのは、大学での評価尺度は100年前から変わっていないということであり、本来経営やマネージメントのためには、そのための勉強や訓練が必要であると考えます。中間管理職になって、本当にそれを感じます。逆を言えば、僕はGlobisの本はほとんど好きで読みましたし(とってもチームビルディングで役に立っています)、独学でもある程度可能だと思います。今回は、医療の質の改善、大学の改革のためには医療施設の経営学が必要だと考えてHaravardのFinancialの講義を受けており、これがまた非常に難しくて(日本語でも難しくて)わからないのでいつか後輩の医師にわかりやすい内容を届けようとメモしていってます。無視してください(あえて公開することで、内容に責任をもつためです)

 

Financial Planning and Management in Healthcare Organization.  CSO 703について *勉強メモとアウトプット兼ねてます無視してください。

このコースの目的は?

This course will provide the basics of healthcare finances including accounting, business planning, revenue cycle management, and budgeting. The course will provide clinical operations leaders with a broad overview of healthcare reimbursement, policy, and delivery in the US and abroad. Students will learn about strategies that healthcare systems have taken to increase value and improve revenue, while reducing costs, including population health management trends and the use of integrated health systems. The course will provide the student with insights on how to develop and manage healthcare operations, capital, and research budgets, as well as departmental budgets. Students will gain understanding of reimbursement and payer mix and will learn strategies for managing costs and optimizing revenue. Students will learn basic principles of healthcare business planning and will explore approaches for program growth through enhancing case mix or developing service lines. The course will illustrate how health reform and regulatory changes can impact healthcare finances. Additionally, the course will prepare students for how to exercise leadership during budget processes or business planning, and how to track and monitor financial performance.

 僕ら医師が会計、事業計画、収支管理、予算編成を含む医療会計経営の考え方を体得する。コストを削減しながら医療の質と価値を高め、収益を向上させるために医療システムが取るべき戦略について学ぶ、とのこと。予算プロセスや事業計画中にどのように僕らが将来リーダーシップを発揮し、どのように財務効率を追跡し、監視するかについて準備する、と。

とりあえず成績は

小テストと課題 25%  グループ討論 15%  中間テスト 30%  期末テスト 30% = Total 100%

Financial statementsとは?財務諸表は、企業が利害関係者に対して一定期間の経営成績や財務状態等を明らかにするために複式簿記に基づき作成される書類(決算書)

Reimbursement(返済、償還)

バランスシート - 特定の時点での会社の財務状況の定量的な要約。最初の部分(資産)は会社が所有しているものを示し、第2の部分(負債)はそれが負っているものを示す。残り(純資産)は2つの間の差であり、組織の "内部留保 "を表す。

A balance sheet is a snapshot of an organization's financial status at a specific point in time!!

Assets = Liabilities + Net Assets(資産=負債+純資産

教科書は Dennis D. Pointer;Dennis M. Stillman. Essentials of Health Care Organization Finance: A Primer for Board Members

今日の感銘を受けた言葉。

As a director, you assume an awesome responsibility: stewardship of your community's most precious resource. Second, health care organizations are businesses and must be financially sound to remain in business. One of your most important roles as a director is to ensure this. Third, all issues coming before your board-strategic, operational, and clinical-have financial implications. Fourth, to govern wisely, effectively, and creatively, you must understand and be able to employ basic accounting and finance concepts. Fifth, your board must receive useful, meaningful, accurate, and timely financial information. The focus, form, and format of this information are quite different from what is required by financial professionals and executives.*

私見:賢く、効果的に、そして創造的に病院を運営するためには、基本的な会計と財務の概念を理解が必須で、とは言っても医療はビジネスとして確実に担保できるレベルにいなければならないし、かと言って企業などの経営とは全く異なるために独自の意識と学びが必要。

私見:Recognize that inaccurate estimates pose a significant risk because they result in overestimating or underestimating net revenues and hence profits.不正確な見積もりは、純収益、ひいては利益を過大評価したり過小評価したりする結果となるため、重大なリ スクをもたらすことを認識。Generally accepted accounting principles (GAAP)に沿っているか?

 

*Essentials of Health Care Organization Finance: A Primer for Board Members (Kindle の位置No.72-73). 

#Working capital とは?次の計算。組織の現在の流動性を評価する。

Working capital=Current assets - Current liabilities

#Payroll accruals とは?支払われる予定の、salaries, wages, benefits, and payroll taxes. 

#Total margin is an organization's bottom line, the overall (and the most general) measure of profitability: 総利益率は、組織のボトムラインであり、収益性の全体的な(そして最も一般的な)尺度である。

 

非営利団体/組織について:

The term nonprofit organization is the ultimate misnomer. No organization can survive or thrive over the long run without profits-margins generated by an excess of total revenues over total expenses. 究極的には間違った名前の使いかたであり、全ての医療組織で利益()を出さないと、健全なマネージメントができない。また数字に表出しない院内施設の雰囲気や文化、安全や、医療の質、ひいては患者の予後に影響する。

 

 

Week1

金融市場の外から見た医療業界の見方を理解する
非課税融資の準備に使う書類の種類を見直す
債券制限条項とHC組織の業務パフォーマンスの期待値との関連性
デュポンの分析を使用して、主要な財務比率が財務からどのように導出されるかを理解します。

 

Depreciation  有形固定資産の減価償却費を意味。

Amortization ソフトウェア等の無形固定資産の償却費

 

3つのタイプの病院経営のFinancial analysisがある!

Horizontal analysis: focuses on individual lines in financial statements. Increases creases and decreases across two or more accounting periods are calculated. 財務諸表の個々の行に焦点を当てる。2つ以上の会計期間にわたって増加し、増加し、減少することを計算. メリットは、わかりやすい、変化がわかる、次に何をすべきか想起しやすい。

Vertical analysis: focuses on two lines of a financial statement (in a single accounting period), expressing one as a percentage of the other. This standardizes dardizes for changes in size or volume over time and adjusts for differences between organizations (in comparative analyses). Unlike horizontal analysis, sis, measures are relative, rather than absolute. 財務諸表の1つの会計期間内にのみ焦点を当て、一方を他方の割合として表現。簡単に言うと、今年の医療マネージメンのみの収入/総歳入の割合などで表現。規模や量の経年変化を標準化できるし組織間の違いも調整可能。水平分析とは異なり割合なので相対的なものとなる。

Ratio analysis: 

極論すると外部の人が見ても一瞬でわかるように、Ratio analysisは分析・計画・決定のための組織の財務状態を査定。なぜかと言うとその計算が標準化されており、組織の財務状況を評価し、同種の機関との比較を行うためのベンチマークが利用可能だから。

主に4つ liquidity, profitability, capital structure, and activity. 流動性、収益性、資本構造、および活動ががある。

Week2

Understand the impact of payment systems on government policy.
Review the types of payment systems and how they are impacted by regulation.
Describe how the payment approaches incent operational behavior.
Compare fee for service and population health management

全くわからない。一つ一つ調べて保険システムを理解するしかなさそう。

 

主な公的医療保険制度として、メディケア(Medicare)とメディケイド(Medicaid)がある。メディケアは、65歳以上の高齢者、身体障がいを持つ人、および透析や移植を必要とする重度の腎臓障害を持つ人を対象とした連邦政府が運営する制度で、メディケイドは、低所得者を対象に、州政府と連邦政府によって運営されている。 そのため、これらの制度の対象外となる人は民間の保険への加入を検討する必要がある

Medicaid
アメリカにおける低所得者を対象とした公的医療扶助制度(1965年設立)のこと.加入に際しては,資力調査(means test)が行われ,一定水準以上の資産を有する者は対象外とされる.

Medicare
アメリカにおける65歳以上の高齢者,2年間以上障害給付を受給している,慢性腎不全患者に対する医療保障制度(1965年設立).運営は連邦政府.入院費用を補償するメディケア・パートAは強制加入,外来費用を補償するメディケア・パートBは任意加入.パートA,パートBともに診療報酬の支払いは出来高払い方式となっている.メディケア適用対象者は,パートA,パートBに代えてメディケア・パートC(Medicare Advantage)と呼ばれる民間保険会社が提供するマネジドケア型あるいはインデムニティ型の健康保険プランを選択することも可能となっている.

Allowed Amount

 保険でカバーされる医療サービスにおいて、保険給付計算の対象となる金額。Eligible Expense、Payment Allowance、Negotiated Rateと呼ばれることもある。医療機関が、Allowed Amountを超える金額を請求した場合、その差額を保険加入者が支払う。

Balance Billing

 医療機関が医療サービスに対する請求額と保険会社が保険給付精算の対象とするAllowed Amount の差額を請求することをBalance Billingという。例えば、保険でカバーされる医療サービスに対する医療機関の請求額が100ドルで、Allowed Amountが70ドルの場合、医療機関は保険加入者の自己負担分に加え、差額の30ドルを保険加入者に請求する可能性がある。ネットワーク内の医療機関を利用した場合、医療機関からの差額の請求は発生しない。

Co-Insurance(保険給付割合)

保険でカバーされる医療サービスにおいて、保険給付精算の対象となるAllowed Amountに対し、保険加入者が支払う医療費割合(%)のこと。Deductibleが設定されている場合は、Co-InsuranceとDeductibleの両方が自己負担となる。例えば、加入者のCo-Insuranceが20%でDeductibleをすでに満たしている場合、医療サービスに対するAllowed Amountが100ドルであれば、20ドルが個人負担、残りの80ドルは保険会社の負担となる。

Co-Payment

 保険でカバーされる医療サービスを受ける際に、医療機関に対して支払う一定額(例:通院につき15ドル)のことを指し、保険加入者の自己負担となる医療費割合(%)を指すCo-Insuranceとは異なる。診療所や病院など、医療サービスのタイプによって金額が異なる場合がある。

Deductible(年間当初自己負担額、あるいは保険会社免責額)

 保険会社から保険金給付が開始される前に、保険加入者が負担する金額。例えば、Deductibleが1,000ドルの場合、Deductibleの対象となる医療サービスは1,000ドルまですべて自己負担をしないと、保険金の給付がされない。一部の予防医療サービスなど、すべての医療サービスがDeductibleの対象となるわけではない。

Out-of-Pocket-Maximum(年間自己負担限度額)

保険対象となる医療費支払いの自己負担額の上限(通常暦年で設定されている)。当該上限を超えた医療費の支払については、原則、保険会社が「Allowed Amount」の100%を給付。医療保険改革法は、既得権プラン(Grandfathered Plan)[注①]を除くすべての医療保険プランは、Co-Payment・Deductible・Co-Insurance・Essential Health Benefits(検体検査や予防医療サービスなど10項目の医療サービス)に対する支払いについて、Out-of-Pocket Maximumの計算対象としなければならないと定めている。また、保険料・ネットワーク外の医療機関を利用した際のBalance Billing・エッセンシャルヘルスベネフィット以外の医療サービスに対する支払いは、Out-of-Pocket Maximumの計算に含めなくてもよいとしている。

医療制度改革法成立時(2010年3月23日)に既に存在していたプランのこと。これらのプランには既得権が付与され、医療保険改革法の一部条項が適用除外となる。給付水準の引き下げや自己負担額の増加など、プランに大幅な変更があった場合、既得権がなくなる場合がある。

 

UCR(Usual, Customary and Reasonable)

同じ地域内で同一または類似の医療サービスが、一般的に請求されている額をもとに地域毎に設定された医療費の基準額。UCRは、一般的に、ネットワーク外の医療機関を利用した際のAllowed Amountの設定に使われることがある。

 

医療保険の種類

 以下は、代表的な医療保険プランタイプの概要である。(※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する医療保険会社によって異なる。

Indemnity

 通常、Indemnityの場合、医療機関は自由に選択でき、紹介状(referral)なしで、専門医にかかることができる。医師が直接保険会社に医療費を請求し、保険会社から保険給付を得てから保険加入者に差額を請求する場合もあれば、保険加入者が一旦、医療費の全額を立て替え、保険会社に保険給付を請求しなければならない場合もある。

PPO (Preferred Provider Organization)

 PPOとは保険会社が、病院や医師など医療機関と契約してネットワークを形成したものである。ネットワーク内の医療機関を利用した場合、医療費の支払いに対し事前に取り決められた割引料金が適用される。ネットワーク外の医療機関の利用も可能であるが、通常、保険加入者の負担がネットワーク内の医療機関の利用に比べて多くなる(P.●図2参照)。就業者向け医療保険ではPPOが現在主流であり、地域差はあるものの、約5割がPPOを利用している。

HMO( Health Maintenance Organization)

 保険加入者は、HMOネットワークに加盟する主治医(Primary Care Physician)を指定し、その主治医が適切な医療を指示するプランである。一般的に、緊急時を除き、ネットワーク外の医療機関を利用した場合、保険は適用されない。

POS(Point of Service)

 PPOとHMOの中間プランである。通常、主治医を指定しなければならない点は、HMOと類似している。一般的に、ネットワーク内であれば、主治医の紹介なしでも他の医療機関を利用することが可能である。ネットワーク外の医療機関を利用する場合は、主治医からの紹介が必要な場合もあり、また、保険加入者の負担はネットワーク内の医療機関の利用に比べて大きくなる。

HDHP (High Deductible Health Plan)

従来の保険プランに比べ自己負担額(免責額)が高く設定されたプランで、HSA(Health Savings Account)やHRA(Health Reimbursement Arrangement)など、医療費の支払を目的に非課税で拠出・積立が可能な医療積立口座と併用して利用することができる。
内国歳入庁(IRS)によるHDHPの2018年度の規定は、Deductibleが本人1,350ドル以上、家族計2,700ドル以上、Out-of-Pocket-Maximumは本人6,650ドル以下、家族計1万3,300ドル以下となっている。

歯科保険

治療内容を予防治療、基礎治療、高額治療の3つに区分し、それぞれ異なるCo-Insuranceを適用してプランを作成するのが一般的である。医療保険の場合、Out-of-Pocket-Maximum(年間自己負担限度額)として自己負担の上限額が設定されている。しかし歯科保険の場合はこれとは逆に、保険会社負担のMaximum Benefit(年間保険給付限度額)を設定し、これを超える金額はすべて保険加入者が負担するプランが標準的である。また、日本の健康保険では対象外となる歯列矯正をカバーするプランもある。(※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する医療保険会社によって異なる。)

診療報酬の3つの代表的な支払い方法 Traditionally, there have been three main forms of reimbursement in the healthcare marketplace: Fee for Service (FFS), Capitation, and Bundled Payments / Episode-Based Payments. The structure of these reimbursement approaches, along with potential unintended consequences, are described below.

 

Fee-for-Service (FFS): 最も一般的な診療報酬体系であり、提供者が行うサービスが多ければ多いほど、提供者はより多くの報酬を得るべきである。逆に言えば、提供者が行うサービスが少なければ少ないほど、提供者の報酬は少なくなる

Bundled Payment or Case Rate: 極論すると1症例に対するレートが決まっている。Case rate. この診療報酬支払いでは、プロバイダは、どのようなサービスを提供しても患者一人ごとに一律の償還率を受け取る。病院では、外科手術に関連するすべてのサービスが「一括払い」の対象となる。例えば、手術の場合、麻酔科医、外科医、施設が別々の請求書を提出するのではなく、病院は手術に関連するすべてのサービスを一括して請求する。問題点は?リスクの高い患者を見なくなる?

Capitation:一定期間に指定された母集団のすべてのサービスをカバーするためにプロバイダが受け取る支払いのことである。例えば、ある医院では100人の患者がいて、その月の患者に関連するすべての費用をカバーするために、患者1人につき月25ドルが支払われる。これは、複雑性の高い患者を見れば見るほど家庭医が損するシステム?→やはり調整あり。支給額の調整は、患者の年齢/性別、患者の居住地、患者の健康状態(慢性疾患)など、多くの要因に基づいて行われるが複雑すぎる。

IPPS: Inpatient Prospective Payment System : メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、メディケア・パートAの下でメディケア・フィー・フォー・サービスの患者に提供される入院サービスに対して短期急性期病院(STACH)に支払う支払いシステム。各入院患者は、ICD-10に基づいてメディケアの重症度調整診断関連グループ(MS-DRG)に分類(患者の請求書に記載されている手順と診断コード)

HOPPS:Hospital Outpatient Prospective Payment System,  HOPPS は、メディケアの患者診察料の外来サービスをカバー。また、Medicare パート A での支払いができない場合に入院患者に提供される特定のメディケアパート B サービスもカバー。CMSは、個々のサービス(CPT/HCPCSコードで分類されたもの)をAmbulatory Payment Classifications 外来支払分類(APC)コードグループに割り当てて支払う。(おそらく)診察の手技や内容でパッケージ化されており、短期の入院があった場合にはそれらを日割りで計算する。
 
Medicare Physician Fee Schedule (MPFS): 
 メディケア医師料(MPFS)は、CMSが医師やその他の医療機関に支払う支払いシステム。介護専門職、またはサービス提供者/供給者が、サービス料金(FFS)ベースで請求のために使用する。主に医師としてのサービスを対象にするが- オフィス訪問、外科処置、麻酔サービス、診断検査、放射線なども
 
 
Prospective Bundle Approach
•Reduce internal costs
•Offer discounted price
•Increase volume

 

Retrospective Bundle Approach
•Hospital continues to bill under traditional DRG system
•Minimize readmissions
•Limit rehab use
 
RBRVS(resource-based relative valuescale,資源ベースの相対評価尺度):田倉 智之先生 日本内科学会雑誌 第103巻 第12号・平成26年12月10日論文を要約。(正直、米国政府報告書を読んでも最初さっぱりでしたが、これを偶然読ませていただいてスッと入ってくるようになりました)
 
RBRVS:背景に,医療システムを取り巻く社会経済的な環境変化が挙げられる.1980 年代までの米国Medicareは,約 25 年間に渡りCPR(customary prevailing and reasonable)方式,すなわち
「実際の請求実績に基づく料金設定方式」により医師に対する給付を行ってきた.しかし,保険代行機関による給付額格差や診療形態と医療技術の変化への対応の遅れ,医療費高騰や病院経営難などの問題が顕在化したことにより,新たな償還方式の検討が進められた.その結果,全国の統一基準として,入院料に対するDRG-PPS(diagnosis related groups―prospective payment system,診断群別包括的支払方式)に続き,医師技術料については,CPT(physicianʼs current procedural terminology,診療報酬支払コード)にRBRVが導入された(1992年).
 
RVU relative value unit:米国の医師技術料は,技術やストレスをも包含する提供負荷としており、その手技の難易度や、疾患の難しさや負担なども包括して勘定する。RVUは,ハーバード大学(これを務めた先生達習っています)とAmerican Medical Associationおよび 連邦医療財務局(Health Care Financing Administration:HCFA)と診療提 供に伴う医師負荷と投入資源の研究 から導き出された.
 
 
病院経営でマネジャーとプレイヤーの関係がうまくいくためには
•Transparency and Data Exchange 透明性とデータの共有
•Aligning Incentives  インセンティブの調整
• Improvements in consumer experience and engagement 消費者体験とエンゲージメントの向上
•Commitment to total cost of care reduction  ケアの総費用削減への取り組み 
Preventative care 予防医療
The right care in the right setting  適切な環境での適切なケア
Addressing Social Determinants of Health  健康の社会的決定要因への取り組み 
•Adhering to Quality Metrics and Analytic Tools 質の指標と分析を重視する
 

 

Revenue Cycle: the part of the healthcare system relating to (primarily) the administrative function for capturing, managing and collection of patient revenue. 患者の収入を把握し、管理し、収集するための(主に)管理機能に関連する医療システム

 

EHR (Electronic Health Record): Where patient clinical and financial data is entered, managed and stored

Credentialing and Enrollment: Credentialing is the process of establishing a provider’s privileges to practice medicine at a particular facility while Enrollment describes the process of a provider joining an insurance plan’s network. 特定の施設で医療を行うためのプロバイダー医療行為を確立するプロセス、登録はプロバイダーが保険プランのネットワークに加入するプロセス(日本で言う保険医登録のことか?)。

Charges (Patient Service Revenue): the dollars associated with clinical activity which are sent to insurance companies and governmental agencies

Payments (Net Patient Service Revenue): the payments paid to providers or hospitals for the charges sent to them for their members’ clinical activity

Payer Denials: charges denied for payment by an insurance company; some denial decisions can be appealed while others cannot. The potential reasons for a denial are many 保険会社からの支払いを拒否された診療報酬、一部の拒否決定は上訴できる、そうでないものもある。拒否の理由は様々。

Contractual Allowances: the reduction of providers’ charges to an agreed upon rate

Denial Write Offs: charges deemed uncollectible which are adjusted to a zero balance 回収不能と判断された料金は、残高ゼロに調整

Accounts Receivable: the amount of money owed to a healthcare institution by insurance plans and patients

Collection Rates (Gross, Net, Adjudicated) – ratios used to measure financial performance in claim processing and accounts receivable management 債権処理および売掛金管理における財務パフォーマンスを測定するために使用される比率

Coding: the process of converting procedures and diagnoses into universal alphanumeric codes

CPT (Current Procedural Terminology) Codes: codes used to describe what was done to or for a patient 患者のために何が行われたかを記述するために使用されるコード

Diagnosis Codes: codes used to describe why a procedure was done to or for a patient 手順や診断を普遍的な英数字コードに変換するプロセス

RVU: Relative Value Unites are used to measure the value of a service rendered by a provider. RVUs are correlated with CPT Codes プロバイダが提供するサービスの価値を測定するために使用

Bad Debt: usually related to patient balances, the amount of money which is deemed uncollectible and therefore written off 残高に関連して、回収不能とみなされたもの

Claims: CPTs and Diagnosis Codes are sent to insurance plans on a claim 診療報酬請求

Payment Posting: the act of transferring payment from an insurance plan or patient to the providers’ EHR 保険プランや患者からプロバイダーのEHRに支払いを転送する行為

  •  
 
 
Revenue Cycle 効率的な収益サイクルは、成功するヘルスケア組織の柱の1つ
 

In order to develop a frictionless revenue cycle, organizations need to consider the basic steps involved:

• Scheduling/pre-registration

• Point of service registration counseling collections

• Encounter utilization review and case management

• Charge capture and coding

• Claim submissions

• Third party follow-up

• Remittance processing and rejections

• Payment posting, appeals and collections.

 *Examining the Basics of the Healthcare Revenue Cycle: https://revcycleintelligence.com/news/examining-the-basics-of-the-health-care-revenue-cycle
 

システム統合–収益サイクルシステムは非常にサイロ化される可能性があります。これは、収益機会の喪失につながります。組織は、患者の会計、請求、収集、および電子健康記録を組み合わせることができる統合されたソフトウェアおよびハードウェアシステムを調べる必要があります。

請求と請求の管理–拒否と拒否された請求の削減、拒否管理プロセスに関するスタッフのトレーニング、ポイントオブサービスの収集の改善、患者への請求の遅延の削減はすべて、収益サイクルの生産性を向上させることができます。

連絡先分析–確かなデータと適切な戦略で、病院やその他のプロバイダーが交渉セッションを活用する。収益サイクルには料金を効果的に交渉し、必要に応じて契約プロセスを調整して、支払者との収益機会を増やす自信がなければなりません。

コーディング/ ICD-10– ICD-10ですべてが正しくコーディングされていることを確認する。これは、1回のミスで過剰請求が発生し、医療機関が監査に失敗する可能性があるためです。

臨床文書の要求– ICD-10と同様に、その他の電子文書ソリューションなどのシステムも収益システムに影響を与える可能性があります。

 

 
 
 
Medical Coding:  ヘルスケアの診断、処置、医療サービス、機器などを普遍的な医療用英数字コードに変換すること。診断と手順のコードは、医師のカルテ、検査結果や放射線検査結果などの医療記録文書から取得。医療コーディングの専門家は、文書から情報を抽出し、適切なコードを割り当て、保険会社によって支払われる請求書を作成する。文書化は、患者の継続的な記録であるだけでなく医療提供者がどのようにして支払いを受けるかの基礎となる。基本的に、医療提供者(またはその組織)が行ったことを「標準化された医療英数字コード」に変換できなければ、提供されたサービスに対する支払いは発生しない。
  • ICD-10-CM (International Classification of Diseases, 10th Edition, Clinically Modified)*
  • CPT® (Current Procedure Terminology*
  • Modifiers*
  • ICD-10-PCS (International Classification of Diseases, 10th Edition, Procedural Coding System)
  • HCPCS Level II (Health Care Procedural Coding System, Level II)
  • CDT® (Code on Dental Procedures and Nomenclature)
  • NDC (National Drug Codes)
  • MS-DRG and APC
  • MS-DRG (Medical Severity Diagnosis Related Groups)
  • APC (Ambulatory Payment Categories)

CPTは10,500種類以上、ICDは約70,000種類、修飾子は約100種類あります。可能な組み合わせの数は膨大。なので、ほぼ無限大

Medical codingはRevenue Cycle Managementプロセスの中で最もコストのかかる仕事。

  • MDを巻き込んでも人件費・経済的には意味がない
  • RCMコストの25 %を占めている (そんなに!?)
  • Codingをする職種は需要が高く、報酬が高く、常に人材不足。
  • 新しいコードや規制に関する継続的なトレーニング、認証や資格取得は基本的に必要です

 

インパクトが強く、間違えるとコストや収益に影響を与える

  • コーディング・エラーは収益の低下につながり、オーバーコーディングは診療報酬請求の却下、再処理、高額なペナルティにつながる可能性。
  • コーディングは、プロバイダーが経験する事務的負担の一部であり、その結果、患者との時間が減り、歩留まりが低下します。


毎年膨大な数の診療報酬請求が処理され、大規模かつ複雑なものとなる。

  •  年間120億件のクレームが処理され、~30%が外来に関連しています。
  • すべてのクレームを手作業でコーディングすることは非現実的であり、請求可能なサービスの5%が完全に見落とされている
  • 診察やサービスに関する内容は自動的かつ電子的にコードを事前に選択し、順序付けおよびスケジューリング情報を使用している

 

Cost Accounting について 

Strategy 3-5年のVisionがいる!(病院には本来は長期ビジョンと戦略が必要。しかし、日本は年功序列)

Planning Management Control  (それより少し短い時間で合理的に達成するか?)

Operational Control      (毎日の運営)

定義:Cost accounting definition 

サービスを実行するための費用を測定記録し、報告するための体系的な手順の総称。コストを認識し、分類し、配分し、集計し、報告し、標準的なコストとそれらを比較するために用いる。

 

Cost Accounting Systems:一般的に臨床データと財務データのリポジトリを結びつけ、病院のあらゆるレベルの重要な意思決定者に経営計画、分析、コスト管理のツールを提供します。もっとも核となる考え方は、サービスの単位当たりのコストを計算する原価計算モデル(例えば,

MRI1回いくら、CBCはいくら、1時間の看護量はいくらetc)

HFMAのソースでは、どのように病院のコストを計算しているか?の問いに対して1:診療報酬請求と費用、2:RVUが計算、専門家を雇用、3:外部第三機関に、4:電子カルテから患者の記録から

病院の直接コストと間接コスト

In addition to Direct and Indirect Costs, we identify Variable Cost that have a relationship with volume, and also Fixed Cost. This is important to understanding how expenses will be impacted by varying level of volume and when forecasting future expense. ようは、教育部門や非採算部門医療安全、チーフレジデント、教育専任医師、広い講義では研究者は直接的に病院の収益に貢献しないが、バランスで見ることができるかどうかが経営ではとても大事。 

*授業では、Case study Lenny's Lemonadeの経営をめぐる、直接間接経費の考え方を学んだが楽しかった。直接的な$1.5/杯の収益に関係ない経費は全て間接になる。

*https://en.wikipedia.org/wiki/Variable_cost Wkipediaより

根本的な考え方として、Semi variable はFix とvariableに分解できるので。

 

  Direct costs Indirect costs
Variable costs    
Fixed costs    

 こう言うTwo by two tableで分析を行うと良い。下記で考える

P(一単位毎の収益)*X(総回数)  = a (fixed costs)+ b(variable costs)*X(総回数)

 

・上記のような、経営コストの考え方や委員会に医師を関わらせコミュニケーションをとることで、あるデータでは全国的にメディケアのコストよりも15%低いコストを実現し、このケアの質を19%向上させることに成功するなど重要とのこと。

・ データ収集と意思決定をサポートするための経営ガバナンス構造を開発する "やる気のあるガバナンス組織がある場合、これらの代表者は、コストの透明性の担保するはず。ガバナンスが緩いと、コストをめぐる医師や他の利害関係者との厳しい会話ができなくなってしまいナァナァな縦割り構造に。

・最初の段階からビジネスサイドと臨床サイドの関係者を揃える

 

 

 
 
 
 


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