Patient engagement in QI and Safety programが始まりました。
Patient engagementを学問的に知っていることと、実際に理解していること、そして実践できることの間にはとても大きな差があると思います。日本では、その重要性がようやく認識されだしましたが、医療の質の分野の中でも、特に遅れている領域であるとおもいます。特にMedical errorに関する患者側へのDisclosureの重要性などは、我が国の文化的背景を考慮すると、それが浸透するのには相当な時間がかかると思います。
Patient engagement の基盤にあるのはpatient centered careの考え方です。
QI and Safety の知識やテクニックやQIツールなどをいくら机で学習したところで、これがないと空回りすると思います。もっとも大事なことはやはりに現場におけるpatient centered careのカルチャーにあると思いました。
こちらに、授業で扱ったスライドの一部引用で載せますが。コレは・・・もう、総合診療の考え方と全く同じです。
*https://www.neoteryx.com/microsampling-blog/8-principles-of-patient-centered-careより
1 ケアへのアクセス
2患者の希望することに対する尊厳
3ケアの連携と統合
4身体的苦痛の除去
5精神的苦痛の除去
6患者と家族との連携
7患者への情報の提供と教育
8ケアの連続性と移行。
Harvard Medical School のQI& Safetyの教員の圧倒的多くがホスピタリストやGIMなどのプライマリーケア領域の医師(or 出身)であり、時に小児科(Boston children Hspなど)や麻酔領域の方がおられますが、なるほどココがHospital MedicineとFamily Medicineとの親和性が高い理由の一つかと思いました。そりゃ多くなるだろうと、研究や、手技や処置などに熱中するかわりに、こういうpatient centered careに主にベクトルが向く人が関連の仕事を始めだすのは理にかなっているかと。
患者側が自らの診断や治療に参加することは実は最も重要なのですが、一般の方には特に知られていません。医療は医療者が一方的に提供するものだと思うことが多いかもしれません。
例えば、僕らが正しい診断をするために最も重要な一つに患者さんのその症状や困っているレベル事がまるで動画にできるレベルまで詳細な情報が必要になります、特に失神だったり、目眩だったり、胸痛だったり。
Empathy: The Human Connection to Patient Care
Patient care is more than just healing -- it's building a connection t...
youtube#video
特に衝撃だったのが、授業中のこの動画です。何気なく、僕らは病院内は医療者にとって日常ですので、ふと同僚と笑ったり会話したり、楽しそうにしたりすることもあるかもしれません。しかし、その医療現場に訪れている方一人ひとりに人生があるということをとても痛感させられた動画でした。
さらにQI & safetyの別の側面からみれば、病院を受診して、待合室で長い時間待って、その後に点滴をされて、説明を受けて、会計をして帰宅するなどの一連の医療施設のワークフローを体験できるのは患者側だけなんですね。医療者の多くはその過程の一部を共有しているに過ぎないからです。患者/その家族だけが、病院内の様々なアクションや流れを理解することができる。だからこそ、一緒に医療に参加してもらわないと、ケアを改善できない。このような医学的側面からも非常に重要な考え方になると思うのです。
ということで指導医講習会的なプロフェッショナリズム内容も授業に組み込まれており、背筋を立たされる思いばかりです。
ということで指導医講習会的なプロフェッショナリズム内容も授業に組み込まれており、背筋を立たされる思いばかりです。
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