池の脇にある水溜りでは、数頭のクロイトトンボに混じって飛ぶ、妙に青味の強いイトトンボが1頭・・・・・・・もしかして!と思ったのですが、こちらはオオイトトンボの♂でした。札幌圏内では特に珍しいトンボではありませんが、彼も何処から来たのでしょうか?
見慣れないイトトンボがいたのでよく見てみると、セスジイトトンボの♀でした。何処から紛れ込んだのか?環境から考えて、当地から発生したとはとても思えません。どちらにせよ、旭川近郊では絶対に見ることのできないトンボなので、ちょっと嬉しい偶然?でした。
アカメイトトンボの♀はよく潜水産卵をします。この日は夕方の16時を過ぎていて、気温も結構涼しくなっていたのですが、それでもお構い無しに水中へ潜っていました。道内で夕方の時間帯から産卵をするイトトンボは、本種ぐらいしか居ないのではないでしょうか?
カラフトイトトンボは♀を捉えるとすぐに交尾状態となりますが、低い場所で交尾するカップルは少なく、多くが樹上に上がってしまいます。その生息環境から背景が暗くなってしまう画が多く、交尾写真はほぼ全滅だったのですが、唯一見られる写真がこれでした。来年こそは!
今週はネタが無いので、以前の撮影分から、紹介しきれなかった写真をアップしていきたいと思います。
偶然、私の目の前に3カップルが集まってきたので、ダメもとでシャッターを切ったらうまくピントが合ってくれました。このように「なぜか?集まってしまう」光景がよく観察されましたが、なんでだろう?産卵に適した何かがあるのかな??
偶然、私の目の前に3カップルが集まってきたので、ダメもとでシャッターを切ったらうまくピントが合ってくれました。このように「なぜか?集まってしまう」光景がよく観察されましたが、なんでだろう?産卵に適した何かがあるのかな??
アカメイトトンボは現在、北海道では最も絶滅の危機に直面しているトンボとなっています。かつての生息地/多産地はほぼ絶滅状態で、ここ数年確認されていないそうです。本種は北海道にしか生息しないトンボですが、現在知られている確実な発生地は僅か数箇所を残すのみとなってしまいました。今後、新産地が発見される可能性は低いのですが、人知れず北海道の何処かで世代を繋いでくれていることを願っています。最新のレッド・リストでは本種は遂にベッコウトンボ等(最上位ランク)と並びましたね。
アカメイトトンボは本来、ヤナギ藻やセンニン藻?といったヒルムシロ科の沈水植物に産卵するのですが、当生息地にはヒシしか生えていない為、かなり神経質になっていました。しかし選択肢が無いので、若いヒシの柔らかい部位を選んで産卵しているようでした。とりあえず、産卵を確認することが出来たので一安心です。
産卵行動が見られたのは夕方16時を過ぎてからでした。しかし、なかなか落ち着いて産卵してくれません。実はアカメイトトンボは産卵場所の好みがはっきりとしており、特定の植物が無い生息地では好みの産卵場所が見つかるまで次々に移動を繰り返すのです。
アカメイトトンボが現れたのは14時を過ぎた頃から。まだ個体数が少ない上に水面上を高速で飛ぶので、すぐに見失ってしまいます。なかなか思うように撮影できずに苦労しました。それにしてもこのトンボは本当に格好イイですね!去年は別の生息地で見ることが出来なかったので、実に2年ぶりの再会です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/19/a953d4d5d80c5974c4f79f16fa199583.jpg)
ここの生息地は浮草が異常に多い環境で、ほとんど水面が見えない状態となっていました。晴れると多くのカップルが次々とやってきます。産卵場所に対するこだわりは特に無いようで、植物の茎や枯死植物、浮草に産卵していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/d5/84226ac6cedc63026ee134afce966137.jpg)
交尾を終えたカップルは樹上から降りてきて連結産卵を始めますが、太陽が雲に隠れると即フリーズ状態となってしまいます。本当に晴れていないと全く活動しないトンボなのです。産卵中のカップルはその場で休止状態となり、しばらくすると周辺のスゲや樹上に移動する行動が見られました。
注)今回の遠征記は「北海道ハイテクトンボブログ」でも紹介されていますので、合わせてご覧下さい。