憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

宿業・・・6   白蛇抄第7話

2022-08-27 21:01:02 | 宿業   白蛇抄第7話

夜半を過ぎ、朋世の寝間の脇の戸が微かにきしんだ。
何度となく、朋世がしん張り棒をはずしたかどうかを
確かめに来ている男であろう。
それがたった一人なのか、
それとも、何人かなのかは朋世にもわからない。
が、そっと今宵も戸が開かぬ事を
確かめるだけだったはずの男の手が止まった。
―はずしてある―
男は息をのみこんだことであろう。
そして、確証を得るために
男はもう一度戸を開き始めてゆく。
そっと、忍び込んだ男は朋世の布団ににじり寄っていった。
「朋世・朋世・・」
男は朋世の名を呼んだ。
男の手が伸びてくると朋世は男に抱き寄せられた。
荒々しい息が寄ってくると朋世は口を吸われ、
まだ、硬い胸に手をさしこまれた。
そうしておいて、男は朋世のひそかな場所に
己の一物を滑り込ませるために、
朋世の裾をさばき、いともたやすく、
朋世の中心を肉棒で探り当てるとぐううとおしこんできた。
「朋世・・やっと、火がついたか」
男の言葉を朋世はその肉体で返して見せていた。
「ようやっと・・朋世」
男は遠慮なく朋世を貫き通していった。
「周汰・・さ・・ん」
朋世を望んだ男の名前を朋世はよんでみせた。
「ああ。ああ。そうだ、周汰だ」
男、いや、周汰は朋世の中に
己を激しく突きこみながら答えた。
「何度とのう、来ておったのをしっておったか?」
朋世はまだ、痛みを引きずる女子の場所への
周汰の責めに声をふさいでいた。
「だが。誰ぞに先をこされてしもうた」
鋭い痛みは周汰の物のせいではない。
朋世が、生娘でなくなっているのが周汰には判った。
だが、周汰の先を越した男に、
朋世は望まれなかったということになる。
ゆえに朋世はしん張り棒をはずしたままに
なっていたのである。
周汰は、思う様に朋世を嬲りのめした。
周汰の行状は明け方まで何度か繰り返され、
白けきってゆく空の色が部屋の中まで、
僅かに開いた戸の隙間から流れ込んできていた。
「あ・・」
朋世のひそかな場所から
まだ、にじみ出ている物がうっすらと、
血の色を滲ませている事に周汰は気が付いた。
初めての男は、朋世を嬲り、
その一度で朋世を捨てたのである。
周汰がおもった瞬間であろう。
先を越した男を拭い去るがためにも、
何度も、朋世につきこんだ物が堪える事を忘れた。
「ああ・・・」
周汰は、朋世の中に打ち放つ事を選んでいた。
女子の中に打ちはなつ。
と、言うことは二つに一つしかない。
勢に走りすぎたと言う事か、
あるいは婚を企てていると、言うことである。
朋世の身内の中にさらけ出される欲望を、
いずれにせよ、受け止めさせる事に変わりはない。
周汰はしっかりと、朋世を押さえつけると、
最後の一滴まで絞りつくすかのように
朋世の中ではてきった。
やっと、朋世をはなすと、周汰は
「しん張り棒をかってくれるの?」
朋世に言った。
つまり、周汰だけのものになれといっているのである。
さらに
「戸を三度叩く。もう一度、叩いて、もう三度叩く。
それがわしじゃ」
「・・・・」
「先の男が戻ってきても戸をあけてはならぬ」
「はい」
朋世はこたえていた。

朋世が男を迎え入れたのを
てて親である判造は、気が付いていた。
「朋世をめとってくるるばよいがの」
判造は呟いた。



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