その3 「帰納法と演繹法との統合」について。
イングランドの経験論(帰納法)とヨーロッパ大陸の合理論(演繹法)を統合・統一を試みる哲学を産み出したのは、イマヌエル・カント(1724-1804年没)。(でも統一されていないという反論もあるそうですが・・・)
その理論は「人間は感性と悟性の2つが一つになって世界を認識する」という捉え。すなわち認識の方法は感性・感覚(回りの刺激に応じて何らかの印象を感じ取る認識能力)と悟性・理性・知性(感性と共同して認識を行う能力。その認識には感性と違って理性や判断力である理解力が伴う)の2つが合わさり、共同作業をしてものごとを認識するとの考えです。
この考えに至った事例の一つとして、≪ライオンについて全く知識のない数人の幼児に全く異なる街の動物園でライオンを見せたとします。するとその反応が他の小動物を見せた場合と異なるのはなぜか。幼児がライオンに対して、人間一般が反応するのと同様の反応を示すのはなぜか。心が白紙であるはずの幼児が…≫。これらのことにより、カントは人間には感性と悟性の2つの認識の方法があると考えたのです。
そして、「自然界には自然法則があり、人間界には道徳法則がある」ことを「純粋理性批判」(認識の枠組みに関すること)と「実践理性批判」(人の行為・実践に関すること)に表しました。書籍タイトルの「批判」という言葉はドイツ語では「区別する「識別する」という意味があるようで、批判には「議論しましょう・考えを深めましょう」という願いが込められているようです。
感性と理性とでものごとを捉える認識論は、現代社会では主流の考えになっていると思われます。感じ取る力である感性と理解を図る理性との両輪を活かすことは、学校教育の指導場面でも大いに重要になります。
イングランドの経験論(帰納法)とヨーロッパ大陸の合理論(演繹法)を統合・統一を試みる哲学を産み出したのは、イマヌエル・カント(1724-1804年没)。(でも統一されていないという反論もあるそうですが・・・)
その理論は「人間は感性と悟性の2つが一つになって世界を認識する」という捉え。すなわち認識の方法は感性・感覚(回りの刺激に応じて何らかの印象を感じ取る認識能力)と悟性・理性・知性(感性と共同して認識を行う能力。その認識には感性と違って理性や判断力である理解力が伴う)の2つが合わさり、共同作業をしてものごとを認識するとの考えです。
この考えに至った事例の一つとして、≪ライオンについて全く知識のない数人の幼児に全く異なる街の動物園でライオンを見せたとします。するとその反応が他の小動物を見せた場合と異なるのはなぜか。幼児がライオンに対して、人間一般が反応するのと同様の反応を示すのはなぜか。心が白紙であるはずの幼児が…≫。これらのことにより、カントは人間には感性と悟性の2つの認識の方法があると考えたのです。
そして、「自然界には自然法則があり、人間界には道徳法則がある」ことを「純粋理性批判」(認識の枠組みに関すること)と「実践理性批判」(人の行為・実践に関すること)に表しました。書籍タイトルの「批判」という言葉はドイツ語では「区別する「識別する」という意味があるようで、批判には「議論しましょう・考えを深めましょう」という願いが込められているようです。
感性と理性とでものごとを捉える認識論は、現代社会では主流の考えになっていると思われます。感じ取る力である感性と理解を図る理性との両輪を活かすことは、学校教育の指導場面でも大いに重要になります。