ジェイムズ リーバンクス著 早川書房刊 2017年初版 385P 2400円+税
元々は書評で最近出た 羊飼いの想い イギリス湖水地方のこれまでとこれから が紹介されてて こっちが3千円近いので先に出てた本書を古本で買った次第。著者は湖水地方の東部に暮らすオックスフォード出た羊飼い。本書は、サンデー・タイムズ紙ベストセラーとなり、ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする多数の有力紙誌で絶賛された。・・そうだが うっすら記憶にはあるもののなんだっけ?だった。手元に来て装丁の筆記体のタイトル見て ああこれだったか・・と思いだすあたしはアホだ。湖水地方て世界遺産にも登録されてるが 全ての始まりはナショナルトラストで あのピーターラビットの作者のベアトリクス・ポターが大きく関わってることでも有名だったりする。ナショナルトラストって歴史的建築物の保護を目的として英国において設立されたボランティア団体。正式名称は歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラストなので 湖水地方はどちらかと言えば後者か。イングランド有数のリゾート地・保養地だ。まあ そこで暮らす羊飼い・・と言ってもハイジのペーターみたいな微笑ましいものではなくて 山で固有種の羊を放牧する羊飼い家族運営の農場の青年の自伝。欧米て狩猟民族なので 古くから牧畜が盛んだし 湖水地方が舞台だし羊だしで英国や米国のフロンティアスピリット溢れる読者には好評なのはよくわかる。日本人は農耕民族だから この環境を例えるとしたら山奥の茅葺屋根の伝統的建造物保存群で孤軍奮闘して昔の品種を守りながら暮らして・・みたいな感じだ。本文中にも出てくるが そこに住んで生計を立ててる羊飼いの農場主と外部から来る観光客の間でひと悶着おきてる記述もあるし 見た目の良さに惹かれて移住してくるが過酷さにすぐ逃げ出す話とかあって あたしは面白く読んだ。観光地の住人と観光客とのすれ違いは先にも書いた京都の市バスの一件みたいなとこもある。まあ 簡単に言えば羊農家さんの仕事の裏側まで全部書いちゃった本・・汚いところも過酷なところもだ。欧米人はそういう素養があるからいいけど 日本人はどうだろう?農耕民族でも裏側は色々あるけど 百姓が大好きな一部の変人ぐらいしか共感できないかと。都市から自然を求めてSUVでキャンプに訪れるようなにわかアウトドア好きには見えない過酷さが満載だからである。あたしは東京が無理で山奥で暮らしてたんで 全部は無理だがある程度わかるのであれだが 日本では一時的に売れるだろうけど絶賛はされんだろうな・・と思う。手元にあるのは第三刷だが 何回かの重版を経て単行本はあっさり廃刊で 文庫が1012円・・ハヤカワってSFやミステリで有名だがこんなん出してたのね・・という印象で 山渓か小学館あたりが出してれば今でも単行本が残ってると思う。
元々は書評で最近出た 羊飼いの想い イギリス湖水地方のこれまでとこれから が紹介されてて こっちが3千円近いので先に出てた本書を古本で買った次第。著者は湖水地方の東部に暮らすオックスフォード出た羊飼い。本書は、サンデー・タイムズ紙ベストセラーとなり、ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする多数の有力紙誌で絶賛された。・・そうだが うっすら記憶にはあるもののなんだっけ?だった。手元に来て装丁の筆記体のタイトル見て ああこれだったか・・と思いだすあたしはアホだ。湖水地方て世界遺産にも登録されてるが 全ての始まりはナショナルトラストで あのピーターラビットの作者のベアトリクス・ポターが大きく関わってることでも有名だったりする。ナショナルトラストって歴史的建築物の保護を目的として英国において設立されたボランティア団体。正式名称は歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラストなので 湖水地方はどちらかと言えば後者か。イングランド有数のリゾート地・保養地だ。まあ そこで暮らす羊飼い・・と言ってもハイジのペーターみたいな微笑ましいものではなくて 山で固有種の羊を放牧する羊飼い家族運営の農場の青年の自伝。欧米て狩猟民族なので 古くから牧畜が盛んだし 湖水地方が舞台だし羊だしで英国や米国のフロンティアスピリット溢れる読者には好評なのはよくわかる。日本人は農耕民族だから この環境を例えるとしたら山奥の茅葺屋根の伝統的建造物保存群で孤軍奮闘して昔の品種を守りながら暮らして・・みたいな感じだ。本文中にも出てくるが そこに住んで生計を立ててる羊飼いの農場主と外部から来る観光客の間でひと悶着おきてる記述もあるし 見た目の良さに惹かれて移住してくるが過酷さにすぐ逃げ出す話とかあって あたしは面白く読んだ。観光地の住人と観光客とのすれ違いは先にも書いた京都の市バスの一件みたいなとこもある。まあ 簡単に言えば羊農家さんの仕事の裏側まで全部書いちゃった本・・汚いところも過酷なところもだ。欧米人はそういう素養があるからいいけど 日本人はどうだろう?農耕民族でも裏側は色々あるけど 百姓が大好きな一部の変人ぐらいしか共感できないかと。都市から自然を求めてSUVでキャンプに訪れるようなにわかアウトドア好きには見えない過酷さが満載だからである。あたしは東京が無理で山奥で暮らしてたんで 全部は無理だがある程度わかるのであれだが 日本では一時的に売れるだろうけど絶賛はされんだろうな・・と思う。手元にあるのは第三刷だが 何回かの重版を経て単行本はあっさり廃刊で 文庫が1012円・・ハヤカワってSFやミステリで有名だがこんなん出してたのね・・という印象で 山渓か小学館あたりが出してれば今でも単行本が残ってると思う。