無知の知

ほたるぶくろの日記

正倉院宝物 @ 上野 1

2019-11-05 18:17:44 | 日記
私、中学の修学旅行は京都・奈良でした。

もう数十年前のことです。
型にはめたような、事前の準備もほとんどない修学旅行でした。何も知識を持たない状態で、中学生集団がバスで次々に寺社を巡るのです。なんとも味気ないものでした。

私がそのとき唯一持っていた知識は法隆寺の五重塔が世界最古の木造五重塔であることぐらい。流石に法隆寺では悠久の時を想い、心に響くものがありました。

その修学旅行と、その後の私的な旅行で、京都、奈良の組み合わせとは実は微妙なものだと気付きました。

あまりに上手に観光地化していた京都はまるで作り物のように感じられ、かえって素朴で設備も整っているとは言い難い奈良に魅かれました。特にあれだけ名高い法隆寺が田畑の中にぽつん、と存在している様には本当に驚きましたし、信じられない思いがしました。


東博のお庭です。春とはうって変わって静かな秋の風景。紅葉にはまだ早い。

それ以降、何度も奈良には通いましたが、とりわけ記憶に残っているのは、『正倉院展』です。大学院の頃、数年続けて行っていました。毎年、今年の目玉は何か、いろいろ下調べをして現地へ向かいます。

10月の末の奈良は既に晩秋。街路樹のポプラが発光するような紅葉をしていて、澄んで冷たい空気と共に、私の記憶に刻み込まれています。そうして奈良国立博物館にたどり着き、正倉院展を鑑賞したのでした。

それは良くないことだったのかもしれませんが、それほど人出も多くなく、どれもゆったり拝見できました。(続く)