無知の知

ほたるぶくろの日記

プラスミド伝達

2010-09-12 23:23:40 | 日記
多剤耐性菌について毎日のように報道があります。今度はNDM1とは別のKPC酵素(抗生物質分解酵素)を持った菌が九大病院で検出されていたことが報道されていました。このような遺伝子をなぜそんなに恐れるのか?

「接合」という現象があります。二つの細胞が遺伝子を交換、あるいは融合させることをいいます。多細胞生物ではいわゆる受精を意味します。また細菌などの単細胞生物でもこのような現象のあることがわかっています。受精などのように二つの細胞がすっかり融合してしまうのではなく、細菌同士が一部で接触し、細胞質にあるプラスミドという遺伝子の輪を交換するのです。このプラスミドには薬剤耐性遺伝子がコードされていることが多々あります。この多剤耐性遺伝子が乗ったプラスミドが接合によって多剤耐性菌から他の菌へと伝達されますと、その菌も多剤耐性形質を獲得するわけです。

今はまだ大腸菌やアシネトバクター、肺炎桿菌などに多剤耐性遺伝子が確認されているのみですが、これらがいつ高病原性の細菌に伝達されるかはわからないのです。環境に広く定着している状態では、時間の問題と考えることもでき、それによっては新たな抗生物質の製造や、新薬の認定を急がなくてはなりません。

ここまで状況が逼迫しているということを改めて認識させられました。もうずいぶん前からこの危険性は予想されていましたし、実際MRSAなどが問題にされたこともあったのですが、SARSや新型インフルエンザなどもあって注意がそらされていました。しかし、基本的に清潔を維持する操作とはウイルスも細菌も同様です。微生物を拡げない。感染を拡げない。居住空間を微生物から守る技術は同様なのです。

特別な薬剤を使ったりせず、手洗いや洗濯、汚物の分別。これらがその全てです。医療関係者のみならず一般のわれわれも、家庭や通常の社会生活で注意することで様々の感染症を防ぐことが可能です。もう一度基本に戻って衛生的な生活とは何かを考え直したいと思います。

整形外科医の枕

2010-09-09 22:14:53 | 日記
今日は本当に涼しくて感激しました。ひんやりとした風が心地よく、暑くなく、寒くもなく、思わずニコニコしてしまうようないい気候でした。気持ちよく出勤させて頂きました。やっと秋の雰囲気が出てきましたし、食欲も少し回復するかもしれません。この2週間くらいは、なかなか食べられなかったのでした。もっとも小食だからといって何の問題もなかったのですが。

ところで最近「整形外科枕」が話題になっています。5000人、10ヶ月の予約待ち、と報道されていまして、気になりましたので少々調べてみました。これは整形外科医があれこれ考えて作った枕だそうで、個人の計測データに従って高さ、形状を決めるらしいです。個人の体型に合わせてつくるオーダーメイド枕で、アフターケアもあり、しばらく使って体型や枕が変化したら、そのつど調整するそうです。

一体どのような枕に調整するのでしょうか?
仰向けに寝たときに頸を正しく保持し
1)神経の出口である頸椎椎間孔を変形させない。
2)気道を変形させない。
高さが目標だそうです。
神経を圧迫しないことから、肩こり頭痛が改善したり、呼吸がしやすくなってより深い睡眠に入ることができるのでしょう。
でも、そういうことでしたら自分でもある程度調整できそうですね。基本に低めの低反発枕を用意して、それにタオルを巻き付けて高さを調節したらよろしいのではないでしょうか。高さは首が自然な形に保持されて、呼吸がしやすいかどうかを基準にすればよいようです。

私はこれに加えて、布団やベットのマットレスなどによる睡眠中の脊柱の変形も重要だと思います。お尻は腸骨などの骨盤の骨と脂肪とでかなりの重量があります。頭に次いで人間の身体では密度が高く、重い場所だとおもいます。そのためどうしてもお尻が沈み込んだ形になり、脊柱が変形します。それによって椎間板も変形し、神経が圧迫されてしまいます。私は旅行先のホテルのベットが柔らかすぎるときなど、お尻の下にバスタオルを挟んだりしてなるべく脊柱がまっすぐになるようにします。それをしませんと、次の日に右の耳の後ろから肩にかけて凝ってしまい、大変なことになります。

さて、多剤耐性菌のことで新たな動きがありました。多剤耐性菌の発生源と考えられているインドの保健省が抗生物質の乱用を規制するための検討に入ったということです。今回問題となっているNDM1遺伝子もインドで発生したと考えられています。インドの人々は医者にかからず、ご自分の判断で抗生物質を使われることが多々あるようです。これが今回のような多剤耐性菌を産み出す土壌となっているようです。インド政府の対応を今後も注目していきたいと思います。

久しぶりの雨は豪雨

2010-09-08 23:23:49 | 日記

今日の午後、東京都心は豪雨でありました。私の仕事場でも外の様子がわからないほど雨が窓に叩きつけていました。周囲にあります高層ビルの30階以上は黒い雲の中にすっぽり隠れ、あたりは夕方のように暗くなりました。改めて自然の力強さを見せて頂きました。水の被害に遭われた方も多かったのではないでしょうか。お見舞い申し上げます。

帰宅時にはもう雨のピークは過ぎておりまして、私はおかげさまで傘を拡げることもなく帰ってきました。そうして今夜は久しぶりに涼しい晩になっております。こうして台風が通り過ぎるたびに秋らしくなっていきましょう。少し頭もしゃんとして、仕事がはかどるようにもなってきました。

さて、多剤耐性菌については、新たに多剤耐性緑膿菌も全国の医療機関の6割で検出されていたことが公表されました。用があって病院へいかれた際には、くれぐれも気をつけられますよう。具体的に気をつけるべきは
1)バックや袋物などを床におかない。
2)病院の壁、椅子、手すりなどにはなるべく触れない。
3)帰宅したら手を洗う。
4)着ていたものはなるべくお洗濯。
などでしょうか。アルコールなどを使う必要はないと思います。過剰に神経質になることなく、上記の点に気をつけて頂くだけでまず大丈夫だと思います。あとは各医療機関が抗生物質の使い方、衛生管理、感染症対策の点で十分な対応をして頂くことです。誠実な病院を選びたいものです。


多剤耐性菌の広がり

2010-09-08 00:12:51 | 日記

この世で我々が経験する一切はありがたく受け取るべきものである。そもそもこの世に人間として生まれてこれたこと。日本に生まれたこと。これだけでもこの地球上の全ての人々の境涯を思えばありがたいことです。その恩恵にまずは気がつかないといけないのでしょう。

言うは易し。。。

さて、このところ問題となっている多剤耐性菌について書いておきたいと思います。最近報道されている多剤耐性菌は二種類、アシネトバクターと大腸菌です。どちらも毒性は弱く、普通の健康な方ではまず問題にはなりませんが、免疫系の弱くなっている方やお年寄り、乳児では深刻になる場合があります。

そして今ひとつの重大な問題点はNDM1という多剤耐性遺伝子を持った大腸菌が検出されていることです。インドやパキスタンで広まっているもので、今回初めて日本で検出されました。この遺伝子は他の細菌にも伝播する可能性がある点で非常に警戒する必要があります。今回はあまり病原性の高くない菌の中で見つかったのですが、これが高病原性の細菌に移った場合厄介なことになります。

厚生労働省がこれらの多剤耐性菌がどの程度日本で広まっているのか本格的な調査を始めるということです。ともかく、むやみに抗生物質を使わず、常識的な殺菌、清潔維持に気をつけることと、免疫力の強化を心がけていく必要がありましょう。その一つは望ましい腸内細菌叢の維持です。それによって皮膚の常在菌にもよい影響が出ると思います。エビオス、パンラクミンなどの摂取は単なるおまじないではなく、現実的な免疫力増強の手段です。心身の不調を感じておられる方は、ぜひ真面目に取り組んで頂きたいと思います。


残暑の浅草

2010-09-05 23:43:38 | 日記

朝からじわ~と暑かったです。この暑さの中、浅草に行ってきました。先日別の用事で浅草に行ったのですが、用事を足したのみで浅草寺にもお参りしませんでしたし、もう一度行ってみましょうということで出かけました。この暑さにもかかわらず、人で一杯でありました。外国の方も多く、下町情緒もあっておもしろいまちだとおもいます。本当の目的は人形焼きとあんみつ、というのはさておきまして、日本の文化を意識できる東京の街を楽しんできました。三社祭のときはさぞかし賑やかなことでしょう。

ところで報道によれば、異常気象分析検討会が開かれたようです。30年に一度の異常気象だそうで、今後は強い台風が襲ってくる可能性もあるとか。十分気をつけて過ごしていきたいと思います。それにしても、このわれわれ生命体を生かし続けてくれる地球。この生存に対する好条件を提供されていることについて深い感謝をおもいます。ほんのちょっとの気流の乱れで気温が変わり、海水温が変化し、海流が変わっていくのです。

今回の異常気象では海、川など水の中の生き物も大きな影響を受けているようです。海流、海水温の影響でさんまが獲れず、先々週あたりは漁師さんも困惑されていました。その後、少しずつ獲れ始めているようですが、まだまだ例年に比較しますと少ないということです。うちの子供は8月上旬に海に行って、クラゲにさされました。普通はお盆過ぎでないと出ないところなのに。いつもと違うねぇ、という声をどこへ行っても聞きました。

だからといって不安になったりはしません。ああ、変化しているんだなあと思いながら地球環境に思いを馳せています。今はただ地球を思いやり、自分の身体という小宇宙を思いやるばかりです。いつもありがとうございます、とおもいながら。