最近、天気の変化が早くなっていますね。春の特徴でもありますが、昨日から今日にかけての中部地方は、晴れ→雨→晴れとめまぐるしく天気が変わりました。今日はこのうち、晴れ→雨に伴う雲の変化を見ていきます。
昨日の天気を見ていきましょう(下図参照)。
中国大陸から朝鮮半島にかけて気圧の谷があり、東へ進んできています。一方で高気圧は関東の南東海上へと去り、すぐにも天気が悪化していきそうですが、八ヶ岳周辺では意外に天気が持ちました。5月になると、移動性高気圧が日本付近を通過した後、東海上で発達し、西から低気圧がなかなか近づけないことがありますが、そんなときは天気がなかなか崩れず、このまま持つのかな?と思ってると急激に天気が悪化することがあります。そのようなときの雲の変化は以下のようになります。
上の写真は昨日の朝7時頃の八ヶ岳です。雲は多めながらも青空が広がり、日差しもたっぷりです。ただ、注意しなければならない雲がいくつかあります。一つ目はレンズ雲です。風の強いときに出る雲で観天望気講座29で詳しく説明しました。2つ目は巻層雲(うす雲)です。青空にのっぺりと広がる白い雲で、天気に影響のないように見えますが、この雲が下の写真のように巻積雲(うろこ雲)に変わったら要注意です。
天候変化が激しいときに出る雲なので、天気図を見て西に気圧の谷や上層の寒気が控えているようなときは、天気の悪化を予想しましょう。実際に、午後になると下の写真のように一気に天気が崩れてきました。
上の写真のようになると、まもなく雨が降り出すのは確実です。さらに
こうなると(上の写真)、稜線ではガスに覆われていき、風雨の荒れ模様の天気となっていきます。ここまで来るまでには、山小屋や安全地帯に逃げ込みたいものです。
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文責:猪熊隆之