今日はヒマラヤの観天望気についてです。プレモンスーン期は、朝は晴れ→午後雲に覆われていき→夕方にわか雨or雷雨というパターンが多いです。したがって、日本よりも観天望気がしやすいと言えるでしょう。他の日と比べて朝から雲が湧きたってくるようなときは、午後は雷雨になることが多いとうように。
それでは、さっそく見ていきましょう。
朝から午前中の早い時間は上の写真のように、6,000m級の山にも雲がかかっていないことが多いです。ただ、日によって陽が昇ってすぐに雲が発生してくる場合と、午前中いっぱい雲がほとんど出ないときとがあります。
この写真は一番上の写真と、同じ山を見たものです。1時間ほどで雲が発達してきているのがわかります。陽が高くなっていくと、このように雲が湧きたってきます。これは日中の昇温で熱せられた空気が上昇し、谷風に乗って山腹を上昇するからです。
上の写真のように、普通にはあまり見られない変わった雲が現れたときは要注意です。中央の尖った山から煙があがるような積雲が発生しているのがわかります。上昇気流が強い証拠です。
逆側を見ても、雲がもくもくと発達してきていることがわかります。午前中からこのような雲が出ているときは要注意です。実際、このときも午後遅くから雷雨となりました。
このような日変化が多いヒマラヤでは雲の発生具合や時間変化を見ることで、その日の天候をある程度予想することができます。観天望気のみで2、3日後を予想するのは無理ですが・・・。
※図、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。
文責:猪熊隆之