最近、もくもくとした入道雲が発達することが多くなりました。八ヶ岳周辺でも最近は午後からにわか雨に襲われることが多くなっています。にわか雨で済めばいいですが、雷を伴う、非常に激しい雨が降ると、沢の増水や落雷の危険が出てきます。山中では、通信環境も良くないですから、頻繁に雨雲レーダーなどを確認することが難しいことがあります。
そのようなときは、観天望気が一番。怪しい雲を見つけたら、少しでも低い場所や避難小屋、山小屋等に避難しましょう。また、大木のすぐ近くから、ある程度離れましょう。
朝から上の写真のように、山の稜線にもくもくとした雲が発生していたら、大気が不安定な証拠です。午後からの入道雲(積乱雲)の発達に注意が必要です。また、上の写真では山腹にも雲が発生しています。下層に湿った空気が入っているためです。この雲があるときは、さらに危険です。雲の元になる水蒸気が空気中に多いことを示しているからです。
上の写真も空の下の方に、もくもくとした雲が帯状にできています。帯状にできているときは、組織的に積雲が発達しやすい状態です。これも大気が不安定なときに現れる雲です。
上の写真のように、時間が経つとともに、山で積雲が上へ上と発達し、入道雲になっていきます。早い時間からこのような雲ができるときは、午後はかなり高い確率でにわか雨に襲われます。また、雷を伴うこともあります。今後の天気の変化に注意が必要です。このようなとき、午後遅くまで稜線を縦走したり、沢登りをしたりすることは危険です。
このように(上の写真)雲の底が黒くなってくると、雨が降るのは時間の問題です。雲の進む方向をよくチェックして、その風下に入るようなときは、すぐに安全な場所へ退避しましょう。事前に上層の寒気の具合や、雷が起こりやすい気圧配置かどうかを天気図で確認することも大切ですね。
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文責:猪熊隆之