あるところからこの本の発売を知り、私も早速注文して読んだ。
この本は、昭和37年12月冬山合宿で大雪山縦走に出た北海道の某大学山岳部11人が遭難し、たった一人生き残ったリーダーが、45年の歳月を経てようやく遭難の全貌と、生還後の自らの人生の軌跡を明らかにした本である。
大雪山縦走と言えば、2001年に私も友と3泊4日かけ歩いたことがある。レポはこちら。
私達は夏で、この遭難は真冬の厳寒期、荷物も倍の4,50キロにスキーを担いでのラッセル、比較にならないほどその過酷さはかけ離れているけれど、歩いたコースは逆コースではあるがほぼ同じであった。
友との縦走後、私は一人で大雪山に二度訪れては単独で日帰り登山をして楽しんだ。
それほど私にとって大雪山は、安心して歩けるコースのある山だと思っている。
しかし、山の天気は甘く見てはいられない。
どんなに経験を積んだ者であれ、ほんの僅かな判断の遅れミスが命取りとなる。
遭難から7ヶ月をかけて、残った山岳部のメンバーは全遭難者と遺留品の回収を果たした。
『捜索に要した費用、月日、延べ人員、、、いまさらのように山での無駄を知った。
この遭難、捜索を通して山に登る人たちに”自分の力を見極めよ”と呼びかけたい』
団体行動ゆえの責任の重大さ、命の尊さ、はかなさ、その重さを考えさせられた本である。