三浦春馬著「日本製」を読んだ。
この本は、2015年秋に鹿児島県をスタートし、2019年秋、京都府が最終地となる、
丸4年、47都道府県の三浦氏の選ぶ「日本製」を一つ取り上げ取材した旅の本である。
そして、2020年4月5日、ご自身の30歳の誕生日に発売された。
各県とも平等に8ページずつ。
因みに山形県は、2018年春に、前泊で米沢市の小野川温泉に泊まり、
翌日に、小国町の何度も賞を獲得している米沢牛の畜産農家を訪ねている。
1,2ページには、自筆のタイトルとコメント、自ら撮影の写真を一枚載せている。
3,4ページ目は、自ら入念に下調べをしてのインタビュー記事。
5,6ページ目は、画像入りで観て聴いて、体験し、味わい、学んだ事柄。
7,8ページ目は、同行スタッフの取材の裏話としての「裏日本製」。
最後に、『-COLUMN-三浦春馬が考える「未来」「継承」』が載っている。
ご自身の誕生日当日のインスタライブでは、「日本製」と同時発売のフォトブックの宣伝、
また、初夏に発売されるというセカンドシングルと、秋に予定されているショーケースライブを喜んで報告していた。
しかし、まさか、その3か月後に、あのような事になろうとは、、、。
ドラマの撮影中であり、責任感や周りへの気遣いの深い三浦氏が、自ら選ぶ道だとは考えられない。
一体なぜ?何があった?誰が何をした?真相は?
そもそもこの本は、将来外国で仕事する場合を考え、例え語学がどんなに堪能になったとしても
日本のことを知らなければ何も語れないとの想いから、日本の事を学びたいと思ったことが始まりという。
私はこの「日本製」を2回読んだけれど、ここに詰まっているのは未来を見つめる目であり希望であり、愛国心であり優しさだと思った。
権力や圧力や忖度、嫌がらせや裏切りや悪意と闘いながら、少しの時間も惜しまず努力して磨いてきた自身と、抱いていた夢を捥がれどんなに無念だった事か。
映像は切り貼り繋がれ脚色されるけれど、セリフや台本の無い自らの取材と触れ合いから生まれ、自身の言葉や想いが綴られたこの本が残ったことはせめてもの救いかもしれない。
私もいつか、完全に仕事を辞める日が来てコロナも落ち着いていたら、この本の足跡を辿る旅もいいなと思っている。