
夜の10時に成田を発ちエアフランス便で飛ぶこと14時間。 シャルルドゴールに朝4時過ぎに到着し、4時間のトランジットの後、やっとチュニスに着いたのは翌日のお昼である。 チュニスは人口100万人、チュニジアの人口の十分の一が住む大都市だ。 ガマルタという海岸沿いのリゾートホテルに投宿し、その晩はカルタゴの海を臨むモダンなレストランで食事。 翌日は、市内から海岸沿いに200キロほどドライブした。天気は生憎曇りから時々小雨模様だったが、気温は15度くらいで寒くはない。 60%の人口が農業に従事するというが、赤土のような地面を見せる丘陵のオフロードを疾走し、海に出たところでテントを張ったヴィヴぁ-クで昼食。 ここでダカールラリーを走ったレース車に同乗する機会を得た。 恐るべきスピードで水際の砂地を疾走し、120度反転した後は、ディープでアップダウンの激しい砂地を激走する。 恐るべきスピード、深い砂地をもろともしない走破性。 パワーは5気筒の2.5Lディーゼルから300馬力近くが絞りだされる。 アドレナリンが一挙に噴出する。
町をクルマのコンボイで過ぎれば、学校帰りの子供たちが微笑み、手を振ってくる。リビアやアルジェリアという隣国と違い、比較的治安が安定し、友好的な国民性だというチュニジアの人々。 試乗の後、短い時間で訪れた旧市街(メディナ)は7世紀のイスラム教徒の建設であり、今も官庁が立ち並ぶ中心地だが、観光の名所でもある。 中心部のモスクを基点に格子状に発達した狭い路地の両側のお店は、さしずめ浅草の仲見世や鎌倉の小町通りといった雰囲気か。
一泊三日という超特急の旅であり、行きに14時間、帰りも12時間とパリー成田間で飛行機に乗っていたほうが長かった。 そこで時間をつぶすべく機内でフランス映画を中心に6-7本見たが大概がラブコメディーやロマンスだが、これがとても新鮮であった。 ギョーム・カネ監督の 「Ne le dis a personne(Don't say to anybody)」は、8年前に殺害されたはずの妻から連絡が元で、事件の真相が展開されるサスペンスロマンス。 セザール賞の作品賞、監督賞にもノミネートされている。 香水の開発者で43歳の独身主義者の男性Louisの結婚相手探しで大家族がてんやわんやするドタバタラブコメディーの「Prete-moi ta main(Lend me your hand)」も良かった。 ハリウッドがヴァイオレンスやスペクタクルが中心なのに対し、仏映画ではl'amourの力が信じられていると思えた。 男優も女優もとても個性的で魅力に満ちている。 そして久しぶりにたくさん聞いたフランス語も、理解は英語字幕に頼ったが、そのテンポが耳に心地よい。 ちなみにエールフランスの機内食も、ドイツやアメリカのそれと較べるとずっとおいしい。
帰路は、太陽を追っかける飛行で、ほとんど昼間を飛行した。 エアバスA320の機体は両翼に巨大なジェットエンジンをぶら下げている。 その巨大なエンジンの下には、シベリアの大地が雪を一面にかぶり、その真っ白な地面に川が蛇行している。 西に沈もうとする太陽のオレンジの燭光を受けて輝く巨大なエンジンの向こうにたそがれていく空は、不思議な美しさに満ちていた。 成田に着いたのは夜7時半。 あたりはもう真っ暗だった。
町をクルマのコンボイで過ぎれば、学校帰りの子供たちが微笑み、手を振ってくる。リビアやアルジェリアという隣国と違い、比較的治安が安定し、友好的な国民性だというチュニジアの人々。 試乗の後、短い時間で訪れた旧市街(メディナ)は7世紀のイスラム教徒の建設であり、今も官庁が立ち並ぶ中心地だが、観光の名所でもある。 中心部のモスクを基点に格子状に発達した狭い路地の両側のお店は、さしずめ浅草の仲見世や鎌倉の小町通りといった雰囲気か。
一泊三日という超特急の旅であり、行きに14時間、帰りも12時間とパリー成田間で飛行機に乗っていたほうが長かった。 そこで時間をつぶすべく機内でフランス映画を中心に6-7本見たが大概がラブコメディーやロマンスだが、これがとても新鮮であった。 ギョーム・カネ監督の 「Ne le dis a personne(Don't say to anybody)」は、8年前に殺害されたはずの妻から連絡が元で、事件の真相が展開されるサスペンスロマンス。 セザール賞の作品賞、監督賞にもノミネートされている。 香水の開発者で43歳の独身主義者の男性Louisの結婚相手探しで大家族がてんやわんやするドタバタラブコメディーの「Prete-moi ta main(Lend me your hand)」も良かった。 ハリウッドがヴァイオレンスやスペクタクルが中心なのに対し、仏映画ではl'amourの力が信じられていると思えた。 男優も女優もとても個性的で魅力に満ちている。 そして久しぶりにたくさん聞いたフランス語も、理解は英語字幕に頼ったが、そのテンポが耳に心地よい。 ちなみにエールフランスの機内食も、ドイツやアメリカのそれと較べるとずっとおいしい。
帰路は、太陽を追っかける飛行で、ほとんど昼間を飛行した。 エアバスA320の機体は両翼に巨大なジェットエンジンをぶら下げている。 その巨大なエンジンの下には、シベリアの大地が雪を一面にかぶり、その真っ白な地面に川が蛇行している。 西に沈もうとする太陽のオレンジの燭光を受けて輝く巨大なエンジンの向こうにたそがれていく空は、不思議な美しさに満ちていた。 成田に着いたのは夜7時半。 あたりはもう真っ暗だった。
ところで、既読なら赤っ恥ですが
森見富美彦「太陽の塔」(新潮文庫)
って知ってます?
もう、面白いやら恥ずかしいやら・・・
ご一読いただけば、その理由はお分かりかと。