融資額はGMに134億ドル、クライスラーに40億ドルで、最初の40億ドルは年内、2回目が1月中旬、3回目は総額7兆ドルのTARPの残り半分に関する議会の決定を待って2月に実施されるようだ。財務省の条件書(Term)でGM、クライスラー両社に要求された事項は、3月末までに「信頼にたる再生シナリオとリストラの進捗」を示すことであり、具体的には債務超過を脱し政府融資を返済できるプランを示すこと(2014年までの計画提出。) トヨタ、日産、ホンダのUS工場と競合力のある賃金や労働条件を来年3月末までに合意し年末までに実施すること。負債の株式交換による資本への繰り込み(?)の実施、役員の報酬などの制限などが含まれている。
両社からの再生プランの提出期限は来年2月17日となっているから時間はあまりなく、12月2日に議会に両社が提出したリストラ計画を更に強化するということになりそうだ。 もし3月末時点で、大統領が指名したリストラ管理人(議会の案にあった「カー・ツァー」)がプランにOKを出さない場合は、一ヶ月以内に政府ローンを返済することとなっている(つまり破産させるということ。) デトロイトのアナリストの中には、今回の融資は一時しのぎに過ぎず、本格的対策はオバマ政権に向けてpuntした(蹴り上げた)だけ、という見方もあるようだが、もし3月時点で両社のキャッシュフローが改善せず、更なる融資をしないと破綻するような状況である場合、最終的にどうするかは次期政権の判断となる。
改めてGMが今月2日に議会に提出したリストラプランを読んでみると、過去5年間に相当大幅なリストラを進めてきていたことはわかる。 2003年に較べ北米の従業員の数はほぼ半減して今や10万人を切っているし、これを12年までに6万人レベルに削減するとある。 一時間あたりの車両製造コストは、2003年の180億ドルからから8億ドル台に激減しており、新規退職者(サラリー)の健康保険カットなど福利厚生の削減や、いわゆるレガシーコストといわれる退職者向けの出費は大幅に削減されてきている。 さらに、新規採用のUAW時間工の賃金は、25ドル/時からスタートで、これは時間給の45-50ドルといわれる日系メーカー工場のよりむしろ安い条件となっている。 また、GMの固定費の売上高に占める比率も30%を切っており、全米の販売店数も、2000年には8000店以上あったものが、オーズモビルブランドの廃止などで既に6500店まで減っており、これを更にサターンやサーブの廃止によって、2012年までに4700店にまで減らすとしている。 このGMのリストラプランは、来年の販売は1250万台を基本ラインとし、悪化シナリオでは1050万台とみている。 昨年の1600余万台より400万台少ない1250万台/年の市場規模で利益が出る体質を作るため、更にダウンサイジングと効率化を進め、燃費のいい小型車やハイブリッドなどの環境車に投資する計画だ。政府の融資は2012年に返済するとしているが、その時点でまだ3兆円の債務超過になっており、今回Termは、バランスシートを更に圧縮し、再生のタイムテーブルをもっと早めよと要求している。
いずれにしても大変な作業であることは間違いないが、アメリカ経済が一日も早く底を打ち回復基調に乗ることに世界経済の再起動がかかっている以上、FF金利のゼロ誘導や量的緩和などの大胆な措置とともに、今回の自動車産業への緊急融資は不可避であったと思われる。GM, クライスラーが(そしてフォードも)生き延びることができるかは全く予断を許さないが、両社にとっては最後のチャンスであり、これに失敗すれば「管理された破綻」が待っていることと考えるべきだろう。
両社からの再生プランの提出期限は来年2月17日となっているから時間はあまりなく、12月2日に議会に両社が提出したリストラ計画を更に強化するということになりそうだ。 もし3月末時点で、大統領が指名したリストラ管理人(議会の案にあった「カー・ツァー」)がプランにOKを出さない場合は、一ヶ月以内に政府ローンを返済することとなっている(つまり破産させるということ。) デトロイトのアナリストの中には、今回の融資は一時しのぎに過ぎず、本格的対策はオバマ政権に向けてpuntした(蹴り上げた)だけ、という見方もあるようだが、もし3月時点で両社のキャッシュフローが改善せず、更なる融資をしないと破綻するような状況である場合、最終的にどうするかは次期政権の判断となる。
改めてGMが今月2日に議会に提出したリストラプランを読んでみると、過去5年間に相当大幅なリストラを進めてきていたことはわかる。 2003年に較べ北米の従業員の数はほぼ半減して今や10万人を切っているし、これを12年までに6万人レベルに削減するとある。 一時間あたりの車両製造コストは、2003年の180億ドルからから8億ドル台に激減しており、新規退職者(サラリー)の健康保険カットなど福利厚生の削減や、いわゆるレガシーコストといわれる退職者向けの出費は大幅に削減されてきている。 さらに、新規採用のUAW時間工の賃金は、25ドル/時からスタートで、これは時間給の45-50ドルといわれる日系メーカー工場のよりむしろ安い条件となっている。 また、GMの固定費の売上高に占める比率も30%を切っており、全米の販売店数も、2000年には8000店以上あったものが、オーズモビルブランドの廃止などで既に6500店まで減っており、これを更にサターンやサーブの廃止によって、2012年までに4700店にまで減らすとしている。 このGMのリストラプランは、来年の販売は1250万台を基本ラインとし、悪化シナリオでは1050万台とみている。 昨年の1600余万台より400万台少ない1250万台/年の市場規模で利益が出る体質を作るため、更にダウンサイジングと効率化を進め、燃費のいい小型車やハイブリッドなどの環境車に投資する計画だ。政府の融資は2012年に返済するとしているが、その時点でまだ3兆円の債務超過になっており、今回Termは、バランスシートを更に圧縮し、再生のタイムテーブルをもっと早めよと要求している。
いずれにしても大変な作業であることは間違いないが、アメリカ経済が一日も早く底を打ち回復基調に乗ることに世界経済の再起動がかかっている以上、FF金利のゼロ誘導や量的緩和などの大胆な措置とともに、今回の自動車産業への緊急融資は不可避であったと思われる。GM, クライスラーが(そしてフォードも)生き延びることができるかは全く予断を許さないが、両社にとっては最後のチャンスであり、これに失敗すれば「管理された破綻」が待っていることと考えるべきだろう。