ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『スパイの妻』を観て

2021年02月13日 | 日本映画
今ごろになってだが、『スパイの妻<劇場版>』(黒沢 清監督、2020年)を上映中の所があったので観てきた。

太平洋戦争開戦を控えた1940年の神戸。
福原聡子は、貿易会社を営む夫・優作と何不自由なく幸せに暮らしていた。
国家総動員法下、貿易商という職業柄当局に目をつけられながらも、洋風の生活洋式で通し舶来品を楽しみ、
趣味の9.5mmフィルム撮影に興じたりと時勢に頓着しない優作を、聡子の幼馴染である陸軍憲兵の泰治は快く思わなかった。

ある時、優作は甥の文雄を伴って満州に出かけ、予定よりも遅く帰国した優作の様子を聡子はいぶかしみ疑いを抱き始める。
実は、優作は満洲で知った国家機密についての秘めた計画を持っていた。
憲兵の泰治が二人を追い詰めていく中、文雄の拘留をきっかけにすべてを知った聡子は“スパイの妻”と罵られる覚悟で、
愛する夫と運命を共にする決意を固めていく・・・
(Wikipediaを修正)

満州に渡った優作と文雄が偶然にも国家の機密を知ってしまう。
その情報をもたらした看護師の草壁弘子。
二人が彼女を秘かに連れ帰ったことの情報を知る聡子。
聡子は誰よりも優作を愛しているが、つい優作に対し疑心暗鬼に駆られていく。
だが、優作は正義のために動こうとする。

内容についてはこのぐらいで割愛するが、物語は緊迫感を持ってスリリングに進む。
久し振りにみる重厚な作品である。
元々はNHK用ドラマとして作成されているから、作りはドラマドラマしているが、それにしても脚本が素晴らしくしっかりしている。

演ずる蒼井優の聡子。
高橋一生の優作。
あまりにもうますぎて、いつしか物語に引き込まれてしまう。
勿論、その他の役者も完璧でケチの付けようがない。
久々に観る邦画であるけれど、満足度百パーセントの作品であった。
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