井のはたの桜あふなし酒乃酔 秋色│尾形月耕「日本花圖繪」明治丗年
秋色桜ハ清水堂の御供所構のうち、井のかたはらにあり。
花ハ一種にして虎尾と称するもの者是なり。
中頃江府の商戸何某の女秋色といへるもの、花のころこゝに来り、
井戸はたの 櫻あふなし 酒の酔
といえる秀句ありしより名づくるとなん
木のもとに 汁も鱠も さくらかな 芭蕉
東叡山寛永寺 其二「清水観音堂 秋色桜」│「江戸名所図会」下巻, p64-65
参考資料:
鈴木棠三, 朝倉治彦校注:「新版 江戸名所図会 下巻」, 角川書店, 1975
今栄蔵校注:新潮日本古典集成「芭蕉句集」, 新潮社, 2006