飲酒 其八 陶淵明
青松在東園 青松 東園に在り
衆草沒其姿 衆草 其の姿を沒す
凝霜殄異類 凝霜の異類を殄(つ)くすとき
卓然見高枝 卓然として高枝を見(あら)わす
連林人不覚 林に連なるときは人覚らず
独樹衆乃奇 独樹にして衆乃ち奇とす
提壺挂寒柯 提げたる壺を寒柯に挂け
遠望時復為 遠望を時に復た為す
吾生夢幻間 吾が生は夢幻の間
何事紲塵羈 何事ぞ塵羈(じんき)に紲(つな)がる
一海知義注:中国詩人選集「陶淵明」, p50,岩波書店, 1990
松枝茂夫, 和田武司訳注:「陶淵明全集(上)」, p212, 岩波書店, 1990
陶潜著, 龔斌校箋:中国古典文学叢書「陶淵明集校箋」, p241, 上海古籍出版, 2013