こんにちは。社労士の吉野千賀です。
今日の東京は秋らしい良いお天気でした。
事務所近くの靖国神社で奉納大相撲が行われました。
軽い気持ちで見に行ったところ、本当の大相撲で序2段から横綱まで勢ぞろい。
徐々に面白くなり、結局4時間近くも観戦してしまいました。
今日も年金のことを書きますね。厚生年金について少し。
もう、みなさんはご承知かと思いますが、年金は、大きく分けると3階の構造になっています。
*1階部分の国民年金 ← 20歳~60歳の全員が該当
*2階部分の厚生年金 ← 会社員が該当
*3階部分の厚生年金基金 ← 主に大企業の会社員が該当、上乗せがあります。
この2階部分の厚生年金について、です。
1 厚生年金の保険料は高い?
保険料が高いか安いかは、受け取る支給額により判断しますよね。
ちょっと、検証してみましょう。
厚生年金の保険料は、みなさんのお給料に比例して高くなっていきます。
同様に、受け取る額も、たくさん保険料を納めた人の方がたくさんもらえます。
また、厚生年金の保険料は、会社とみなさんで半々ずつ負担します。
会社が半分、払ってくれています。
保険料率は、16.412%(2011年10月~)折半後の保険料は、8.206%です。
毎年、少しずつ上がっていき、H29年9月からの18.3%で高止まりすることになっています。
お給料の等級は30に分かれています。
そこで、一番低いAさんと一番高いBさんで比較します。
現行の制度で受け取れる年金額と支払った保険料の比較をしたいので、計算上、安定する18.3%で求めます。
ボーナスはないものとします。
Aさん:月給10万円、保険料 18,300円/月(All) 9,150円/月(自己負担分)
Bさん:月給61万円、保険料 111,630円/月(All) 55,815円/月(自己負担分)
仮に、40年間、上記の条件で支払うとすると総額の保険料は、
Aさん:109,800円/自己負担の年額x40年=4,392,000円
Bさん:669,780円/自己負担の年額x40年=26,791,200円
高給取りのBさんは、Aさんより6.1倍の保険料を納めています。
上記の条件での現行の厚生年金の支給額は、
Aさん:数字を丸めると、28万円/年 100,000 x 5.769/1000 x 480 x 1.031 x 0.981
Bさん:同様に、170万円/年 600,000 x 5.769/1000 x 480 x 1.031 x 0.981
これに、1階部分の国民年金も加算されるので、
Aさんの年金:106万円/年 ざっくりと国民年金は78万とします。
Bさんの年金:248万円/年 同様です。
ここで、注目してください。
6.1倍の保険料を納めていたBさんですが、受け取る保険料は2.3倍に縮小していることに気が付きませんか?
この仕組みは、お給料の高いAさんからBさんへ、所得が再分配されるように、設計されているからです。
厚生年金の保険料が高いか安いかは、お給料の低い人にはお得!と言うことができますね。
2 単純比較は難しい
国民年金のように、支払った保険料と受取額の比較もしたいのですが、もうひとつ、論点がでてきます。
それは、Aさんが結婚して奥さんを扶養家族にしていたら?(Bさんも同様です)ということです。
その場合、保険料は同じなのに、本人と専業主婦の奥さまの2名分をまかなっています。
上記と同じ条件で、2人とも65歳になったら、
Aさんと奥さんの年金:178万円
Bさんと奥さんの年金:326万円
実に、月給は6倍の差があったのに、支給は1.8倍にまで縮まりますね。
10万円の月給で2人分の生活ができるか?という問題はおいておいて。。。
現在、会社員の妻で専業主婦だった場合、保険料を支払わなくても1階部分の国民年金はもらえることになっています。
自営業の妻で専業主婦の場合は、自分で月々15000円、年額18万円の保険料を支払わないともらえないことと比較すると、不公平感はありますね。
現在、会社員の妻で専業主婦の年金について、夫の厚生年金部分を2等分して、夫と妻に振り分ける案が審議中です。
現在は離婚した場合に、夫の厚生年金部分を分けることができますが、離婚していなくても分けるということです。
これは、将来、夫が亡くなった場合、妻が受け取る遺族厚生年金が少し減ってしまうことになります。
お気づきかもしれませんが、厚生年金では、実際に保険料を払っている人より支払っている人の数が多い(専業主婦の分が加わる)んですね。
さらに、世代間扶養で、今の若い人たちの保険料で増え続ける高齢者の年金をまかなうことになっています。
これでは、財政が逼迫するのは避けられません。
年金制度は改革が迫られており、エライ人達で検討中です。
世代間扶養については年齢層の構成は簡単には変えられませんから、会社員の妻の専業主婦(第3号被保険者)の扱いから手を付ける方が有効に思います。
たとえば、パートで働いている人も、枠を広げて厚生年金に加入するようにする、ことなど。
夫の厚生年金を2つに分けるのも、遺族厚生年金の支出を抑えるためでしょう。
いずれにしても、不公平感なく、払った保険料と見合う年金支給額、なんとか暮らしていけそうな年金を期待しています。
さて、今日、観戦した大相撲の話をもう一度。
全部で80取組ありました。若くて身体もまだ細い序二段は、真剣に取り組んでいました。
ところが、幕下になると、やる気ないのが見え見え。
幕内は見ごたえあり、三役の取り組みは大喝采でした。最後の取り組みは、横綱vs日馬富士。
近くで観戦の相撲大ファンのおじいさん。いい感じでげきを飛ばします。
若い人には、「腰を落として!」「あごはひいて」「右が弱い」など適切なダメ出し。
幕内には、「いいぞ、その通りだ!」「頑張れxx出身!」「九州場所につながるぞ」と、力がこもっています。
聞いていて、面白かったです。ホントに相撲が大好きなんだなぁ。
歌舞伎でも、「成田屋!」などと、いいタイミングで屋号の掛け声をかける人達がいます。
やってみたいけれど、タイミングが難しそうですね。
See you tomorrow!
Chika Yoshino
今日の東京は秋らしい良いお天気でした。
事務所近くの靖国神社で奉納大相撲が行われました。
軽い気持ちで見に行ったところ、本当の大相撲で序2段から横綱まで勢ぞろい。
徐々に面白くなり、結局4時間近くも観戦してしまいました。
今日も年金のことを書きますね。厚生年金について少し。
もう、みなさんはご承知かと思いますが、年金は、大きく分けると3階の構造になっています。
*1階部分の国民年金 ← 20歳~60歳の全員が該当
*2階部分の厚生年金 ← 会社員が該当
*3階部分の厚生年金基金 ← 主に大企業の会社員が該当、上乗せがあります。
この2階部分の厚生年金について、です。
1 厚生年金の保険料は高い?
保険料が高いか安いかは、受け取る支給額により判断しますよね。
ちょっと、検証してみましょう。
厚生年金の保険料は、みなさんのお給料に比例して高くなっていきます。
同様に、受け取る額も、たくさん保険料を納めた人の方がたくさんもらえます。
また、厚生年金の保険料は、会社とみなさんで半々ずつ負担します。
会社が半分、払ってくれています。
保険料率は、16.412%(2011年10月~)折半後の保険料は、8.206%です。
毎年、少しずつ上がっていき、H29年9月からの18.3%で高止まりすることになっています。
お給料の等級は30に分かれています。
そこで、一番低いAさんと一番高いBさんで比較します。
現行の制度で受け取れる年金額と支払った保険料の比較をしたいので、計算上、安定する18.3%で求めます。
ボーナスはないものとします。
Aさん:月給10万円、保険料 18,300円/月(All) 9,150円/月(自己負担分)
Bさん:月給61万円、保険料 111,630円/月(All) 55,815円/月(自己負担分)
仮に、40年間、上記の条件で支払うとすると総額の保険料は、
Aさん:109,800円/自己負担の年額x40年=4,392,000円
Bさん:669,780円/自己負担の年額x40年=26,791,200円
高給取りのBさんは、Aさんより6.1倍の保険料を納めています。
上記の条件での現行の厚生年金の支給額は、
Aさん:数字を丸めると、28万円/年 100,000 x 5.769/1000 x 480 x 1.031 x 0.981
Bさん:同様に、170万円/年 600,000 x 5.769/1000 x 480 x 1.031 x 0.981
これに、1階部分の国民年金も加算されるので、
Aさんの年金:106万円/年 ざっくりと国民年金は78万とします。
Bさんの年金:248万円/年 同様です。
ここで、注目してください。
6.1倍の保険料を納めていたBさんですが、受け取る保険料は2.3倍に縮小していることに気が付きませんか?
この仕組みは、お給料の高いAさんからBさんへ、所得が再分配されるように、設計されているからです。
厚生年金の保険料が高いか安いかは、お給料の低い人にはお得!と言うことができますね。
2 単純比較は難しい
国民年金のように、支払った保険料と受取額の比較もしたいのですが、もうひとつ、論点がでてきます。
それは、Aさんが結婚して奥さんを扶養家族にしていたら?(Bさんも同様です)ということです。
その場合、保険料は同じなのに、本人と専業主婦の奥さまの2名分をまかなっています。
上記と同じ条件で、2人とも65歳になったら、
Aさんと奥さんの年金:178万円
Bさんと奥さんの年金:326万円
実に、月給は6倍の差があったのに、支給は1.8倍にまで縮まりますね。
10万円の月給で2人分の生活ができるか?という問題はおいておいて。。。
現在、会社員の妻で専業主婦だった場合、保険料を支払わなくても1階部分の国民年金はもらえることになっています。
自営業の妻で専業主婦の場合は、自分で月々15000円、年額18万円の保険料を支払わないともらえないことと比較すると、不公平感はありますね。
現在、会社員の妻で専業主婦の年金について、夫の厚生年金部分を2等分して、夫と妻に振り分ける案が審議中です。
現在は離婚した場合に、夫の厚生年金部分を分けることができますが、離婚していなくても分けるということです。
これは、将来、夫が亡くなった場合、妻が受け取る遺族厚生年金が少し減ってしまうことになります。
お気づきかもしれませんが、厚生年金では、実際に保険料を払っている人より支払っている人の数が多い(専業主婦の分が加わる)んですね。
さらに、世代間扶養で、今の若い人たちの保険料で増え続ける高齢者の年金をまかなうことになっています。
これでは、財政が逼迫するのは避けられません。
年金制度は改革が迫られており、エライ人達で検討中です。
世代間扶養については年齢層の構成は簡単には変えられませんから、会社員の妻の専業主婦(第3号被保険者)の扱いから手を付ける方が有効に思います。
たとえば、パートで働いている人も、枠を広げて厚生年金に加入するようにする、ことなど。
夫の厚生年金を2つに分けるのも、遺族厚生年金の支出を抑えるためでしょう。
いずれにしても、不公平感なく、払った保険料と見合う年金支給額、なんとか暮らしていけそうな年金を期待しています。
さて、今日、観戦した大相撲の話をもう一度。
全部で80取組ありました。若くて身体もまだ細い序二段は、真剣に取り組んでいました。
ところが、幕下になると、やる気ないのが見え見え。
幕内は見ごたえあり、三役の取り組みは大喝采でした。最後の取り組みは、横綱vs日馬富士。
近くで観戦の相撲大ファンのおじいさん。いい感じでげきを飛ばします。
若い人には、「腰を落として!」「あごはひいて」「右が弱い」など適切なダメ出し。
幕内には、「いいぞ、その通りだ!」「頑張れxx出身!」「九州場所につながるぞ」と、力がこもっています。
聞いていて、面白かったです。ホントに相撲が大好きなんだなぁ。
歌舞伎でも、「成田屋!」などと、いいタイミングで屋号の掛け声をかける人達がいます。
やってみたいけれど、タイミングが難しそうですね。
See you tomorrow!
Chika Yoshino