障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

サービス残業などの労基署申告がメールで24時間可能に!

2011-11-01 | 社労士の労務管理
こんにちは!社労士の吉野千賀です!

昨日は風邪でダウンしていました。ノドと鼻の調子が悪いなぁと思っていたら、頭痛と発熱もでてきて、完全にダウンです。
気温の寒暖の差もあるし、空気も乾燥しているので、みなさんもお気をつけくださいね!

今日から11月になりました。今年も残すところあと2カ月。ラストスパートの時期ですね。

さて、厚生労働省は、11月を「労働時間適正化キャンペーン」期間とし、長時間労働やこれに伴う問題を解消するための取り組みを集中的に実施するそうです。


1「労働基準関係情報メール窓口」の設置

従来は、違法なサービス残業や長時間労働がある場合、従業員が労働基準監督署へ電話するか直接行って申告することになっていました。

でも、なかなか労基署へ足を運ぶのは、心理的にも物理的にも敷居が高いものでした。

そこで、厚生労働省は24時間受付が可能なメール窓口(「労働基準関係情報メール窓口」)を設けることになりました。

~労働基準関係情報メール窓口~
実施時期:平成23年11月1日(火)から
URL:http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/mail_madoguchi.html

「労働基準関係情報メール窓口では、職場での長時間労働、賃金不払残業(サービス残業)をはじめとする労働基準法などに関係する問題がある場合に、電子メールで情報を受け付けます。

受け付けた情報は、関係する労働基準監督署へ情報提供し、監督指導業務の参考として、役立てます。」と公表しています。

労働基準監督署が労働時間や賃金の問題について監督指導すべき事業場を的確に把握し、適切な指導を行うためには、労働者やご家族の方などから多くの情報を得ることが大変重要になっています。

メールで申告できると、かなりの数が上がってきそうですね。コンプライアンス遵守は、企業の規模に限らず、すべての企業に求められています。御社は大丈夫ですか?

サービス残業や長時間労働の管理は、労務管理の中でも最も重要です。

残業しなければならない仕事量なのか?
ダラダラ残業をさせないように、個人の能力や時間管理能力を上げるにはどうしたらいいのか?

どうしても残業しなければならない時期が定期的にある場合は、変形労働時間制度を設けると解決できる場合もあります。


2 平成22年度サービス残業の是正指導は13.5%増加

労働時間適正化キャンペーンに先立ち、厚生労働省は、下記をまとめて10月19にに発表しました。

全国の労働基準監督署が、平成22年4月から平成23年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払になっているとして労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況を取りまとめました。

・是正企業数         1,386企業      (前年度比 165企業の増)
・支払われた割増賃金合計額   123億2,358万円   (同 7億2,060万円の増)
・対象労働者数       11万5,231人      (同   3,342人の増)
・支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり889万円労働者1人当たり11万円

・割増賃金を1,000万円以上支払ったのは200企業で全体の14.4%、その合計額は88億5,305万円で全体の71.8%
・1企業での最高支払額は「3億9,409万円」(旅館業)、次いで「3億8,546万円」(卸売業)、「3億5,700万円」(電気通信工事業)の順


残業代を支払っていないとして労働基準監督署の是正指導を受け、2010年度に100万円以上の未払い残業代を支払った企業は1386社で、前年度より165社(13.5%)増えたことが20日、厚生労働省のまとめで分かりました。

厚労省は「景気が持ち直し、残業自体が増えていた影響ではないか」とみています。これまではリーマンショックの影響もあり、2年連続で減少しましたが、10年度は増加に転じました。

是正指導後に支払われた割増賃金は、1社あたり平均約889万円です。1000万円以上支払った企業も200社あります。

889万円、大きい額ですね。サービス残業は、本人が「いりません。好きで残業しているのですから」と仮に言ったとしても、会社は支払わなければなりません。残業の在り方など、根本的に考える必要があるでしょう。


3 労働時間の適正把握は重要

まず、会社がやらなければならない対策は、

・労働者の労働時間を使用者が適正に把握管理すること
・労働時間を適正に把握したら、残業に対する考え方を見直すこと   ではないか、と考えます。

労基署が勧める適正な労働時間把握方法は、タイムカードによる管理です。

個人的には、タイムカードによる管理は好きではありません。が、是正勧告対策には、タイムカードを入れざるをえないと思っています。

適正に管理した上で、超過勤務した分の賃金を支払うことになります。

なぜ、割増賃金を支払うか、というと、元々法定労働時間以上働かせることは違法です。違法に対するペナルティとして支払う、という構図です。

ところが、働く人にとっては、残業代がないと生活できないなどの事情により、自ら残業したい、という方も多くいます。

その場合は、残業の必要性を会社が判断することになります。支払う会社側も都度適正に判断して、必要な残業代のみを支払う労働時間管理が求められます。

私が以前勤めていた会社は、外資系企業で、外国人もたくさんいました。彼らはまず残業はしません。時間になったら即刻帰ります。
暗黙の了解として、ダラダラ仕事をする人は仕事ができない、と判断されてしまうので、私も常に時間をみながら、定刻に帰るように集中して仕事をしていました。

それぞれの企業で文化というか、風土というか、考え方は違うと思います。

が、共通しているのは、残業代は支払わなければならない、ということと、その前に適正な労働時間管理を行うこと。これだけはきちんとしておいて、ある日突然、労基署から指導が入っても対処できるようにしておきましょう

明日は、労基署から是正指導が入った場合の対策について書いてみます。


See you tomorrow!

Chika Yoshino


障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
 
コメント
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