こんにちは!社労士の吉野千賀です!
今日は大荒れのお天気です。寒いのに容赦ない雨と風。。。
みなさんはいかがお過ごしですか?
昨日の午後、丸の内で「事業場におけるメンタルヘルスを考える」講演会に参加しました。
「一般社団法人 うつ病の予防・治療日本委員会(JCPTD)」という団体とファイザー製薬の共催でした。
今まで何度となく、メンタルヘルス対策のセミナーには足を運んでいます。多くは精神科医・弁護士さん・産業カウンセラーの方が講師をされているセミナーでした。
今回、今までと大きく違っていたのは、プロの現役産業医の浜口伝博先生と、産業医を育てる大学(産業医科大学)の精神医学教室教授の中村純先生がそれぞれ講演をして、その後ディスカッションをしたことです。
産業医の視点からメンタルヘルス対策を聴けたことはとても参考になりました。
ディスカッションの司会は、国立精神神経医療研究センター総長の樋口輝彦先生でした。
今日は、そこで学んだことと感想を少し書いてみます。ご参考にしてください。
1 産業医の実態は?
みなさんの会社に産業医はいますか?
安全衛生法では、常時50人以上の事業場には産業医を選定することになっていますが、実際はどうでしょうか。
私が以前勤務していた外資系企業では、こんな具合でした。
最初に勤めていたスウェーデンの会社では50人以上でしたが、産業医の先生はいなかった。。。ような気がします。人事の仕事ではなかったので、実態はわかりません。
昨年まで勤めていたイギリスの会社は300人くらいで、最初はいなかったような気がしますが、何年か前から産業医と契約していました。最初の産業医の先生は大きな病院の予防医学センターの所長さん で、人柄も知識も申し分なく、いろいろ相談できる存在でした。50代くらいだったかと思います。
ところが、残念ながら、その先生から更新を辞退されてしまいました(涙)。代わりに、同じ大きな病院から若い(といっても30代半ばくらいかな)男性の先生が産業医となりました。
私は健康診断でひっかかり、その新しい産業医の先生と面談することになりました。
どうも話がかみあわず、よく聞くと「僕は呼吸器が専門だからわからない」とのこと。
「えっ!?」と思いました。が、その頃わたしはリスク管理の仕事でパンデミック対策プランを作成していたので、そのことを聞いてみることにしました。2・3年前に鳥インフルエンザの流行で脚光をあびましたが、外資系ではもうずっと前からパンデミック対策は行っていました。
呼吸器の専門医ならばと思い、「ハンデミックになるとどうしたら予防できますか?」と聞いたのです。
そうしたら、「パンデミックって何ですか?」と聞かれ、ドン引きしました。
「人類が免疫を持たない感染症の大流行です」と答えると、「そんなの、どんなのが流行するかもわからないのに対策なんて立てられないですよ。」と言われて、さらにドン引き。。。
WHOでもH1N5対策は具体的に明示しているのに、あんまりです。。。
シャッター下ろして、産業医を選定した総務に苦情を言いました。
総務が言うには、「産業医がいなくて大変な苦労をしてあの先生にお願いしている。だから仕方ないです。」とのこと。
みなさんの会社の産業医の先生はどうなんでしょうか?
その呼吸器専門の先生に聞いたところ、産業医になる研修を受けると産業医になれるとのことでした。大病院に勤めながら、月一回のアルバイト的な感覚でやられている印象でした。
2 産業医の役割
メンタルヘルス対策では、特に、産業医の役割は重要です。
復職の可否を決めるのは会社ですが、その判断材料として、職場の実態を知っている(とされる)産業医に意見を聴く ことになっています。
主治医は患者さんを支援している存在です。
休職期間がそろそろ終了する頃、主治医の診断書には「就労可能」と書かれていることが多いです。
その「就労可能」の判断をした主治医は、どこまで業務内容や通勤のことなどをご存じなんでしょうか?
普通に考えると、職場の実態を知らないと思われるので、会社の人事が主治医と面談して業務内容を説明して、判断を仰ぐことになります。
昨日の講演では、主治医と産業医の意見が違う場合、どちらを優先させて会社が判断するべきか?ということも話題になりました。
この場合は、迷いなく、「産業医の判断を優先させる」とのことでした。
そういう重要な役割の産業医を、会社はどうやって選んだらいいのでしょうか?
前記したような産業医では、全く頼りになりません。
従来の産業医の役割は、定期健康診断のチェックという内科的な仕事が主でした。今もその役割は継続していますが、それにメンタル不調者の職場復帰の判断という精神科医の分野の仕事が入ってきています。
多くの会社の産業医が内科医という実態の中、主治医である精神科医の診断書に対して、就労の可否をくつがえせますか?
産業医の選定は非常に重要で、産業医によって、会社の明暗が分かれる(訴訟になった場合など)と思っても過言ではありません。
今一度、産業医の重要な役割を認識して、いけてる産業医を選ぶ必要がありますね。
昨日の講演で、産業医の浜口先生のお話を聴けたことは実りあるものでした。
私の今までの「産業医」のイメージを払拭してくれて、探せば頼りになる産業医がいるんだ!と思わせてくれました。
職業病全般の知識があり、メンタルヘルスにも詳しい産業医。
大企業ならば、内科と精神科それぞれの産業医を雇うことも可能でしょうが、中小企業はどうやって頼りになる産業医を見つけたらいいのでしょう。。。
浜口先生がおっしゃるには、裁判や労働審判などでもめてしまったケースをみると、産業医がいけていないことが多い、とのこと。
産業医の選任は会社のリスク管理上重要であると認識して、慎重にいいお医者さんを選びたいですね!
See you tomorrow!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
今日は大荒れのお天気です。寒いのに容赦ない雨と風。。。
みなさんはいかがお過ごしですか?
昨日の午後、丸の内で「事業場におけるメンタルヘルスを考える」講演会に参加しました。
「一般社団法人 うつ病の予防・治療日本委員会(JCPTD)」という団体とファイザー製薬の共催でした。
今まで何度となく、メンタルヘルス対策のセミナーには足を運んでいます。多くは精神科医・弁護士さん・産業カウンセラーの方が講師をされているセミナーでした。
今回、今までと大きく違っていたのは、プロの現役産業医の浜口伝博先生と、産業医を育てる大学(産業医科大学)の精神医学教室教授の中村純先生がそれぞれ講演をして、その後ディスカッションをしたことです。
産業医の視点からメンタルヘルス対策を聴けたことはとても参考になりました。
ディスカッションの司会は、国立精神神経医療研究センター総長の樋口輝彦先生でした。
今日は、そこで学んだことと感想を少し書いてみます。ご参考にしてください。
1 産業医の実態は?
みなさんの会社に産業医はいますか?
安全衛生法では、常時50人以上の事業場には産業医を選定することになっていますが、実際はどうでしょうか。
私が以前勤務していた外資系企業では、こんな具合でした。
最初に勤めていたスウェーデンの会社では50人以上でしたが、産業医の先生はいなかった。。。ような気がします。人事の仕事ではなかったので、実態はわかりません。
昨年まで勤めていたイギリスの会社は300人くらいで、最初はいなかったような気がしますが、何年か前から産業医と契約していました。最初の産業医の先生は大きな病院の予防医学センターの所長さん で、人柄も知識も申し分なく、いろいろ相談できる存在でした。50代くらいだったかと思います。
ところが、残念ながら、その先生から更新を辞退されてしまいました(涙)。代わりに、同じ大きな病院から若い(といっても30代半ばくらいかな)男性の先生が産業医となりました。
私は健康診断でひっかかり、その新しい産業医の先生と面談することになりました。
どうも話がかみあわず、よく聞くと「僕は呼吸器が専門だからわからない」とのこと。
「えっ!?」と思いました。が、その頃わたしはリスク管理の仕事でパンデミック対策プランを作成していたので、そのことを聞いてみることにしました。2・3年前に鳥インフルエンザの流行で脚光をあびましたが、外資系ではもうずっと前からパンデミック対策は行っていました。
呼吸器の専門医ならばと思い、「ハンデミックになるとどうしたら予防できますか?」と聞いたのです。
そうしたら、「パンデミックって何ですか?」と聞かれ、ドン引きしました。
「人類が免疫を持たない感染症の大流行です」と答えると、「そんなの、どんなのが流行するかもわからないのに対策なんて立てられないですよ。」と言われて、さらにドン引き。。。
WHOでもH1N5対策は具体的に明示しているのに、あんまりです。。。
シャッター下ろして、産業医を選定した総務に苦情を言いました。
総務が言うには、「産業医がいなくて大変な苦労をしてあの先生にお願いしている。だから仕方ないです。」とのこと。
みなさんの会社の産業医の先生はどうなんでしょうか?
その呼吸器専門の先生に聞いたところ、産業医になる研修を受けると産業医になれるとのことでした。大病院に勤めながら、月一回のアルバイト的な感覚でやられている印象でした。
2 産業医の役割
メンタルヘルス対策では、特に、産業医の役割は重要です。
復職の可否を決めるのは会社ですが、その判断材料として、職場の実態を知っている(とされる)産業医に意見を聴く ことになっています。
主治医は患者さんを支援している存在です。
休職期間がそろそろ終了する頃、主治医の診断書には「就労可能」と書かれていることが多いです。
その「就労可能」の判断をした主治医は、どこまで業務内容や通勤のことなどをご存じなんでしょうか?
普通に考えると、職場の実態を知らないと思われるので、会社の人事が主治医と面談して業務内容を説明して、判断を仰ぐことになります。
昨日の講演では、主治医と産業医の意見が違う場合、どちらを優先させて会社が判断するべきか?ということも話題になりました。
この場合は、迷いなく、「産業医の判断を優先させる」とのことでした。
そういう重要な役割の産業医を、会社はどうやって選んだらいいのでしょうか?
前記したような産業医では、全く頼りになりません。
従来の産業医の役割は、定期健康診断のチェックという内科的な仕事が主でした。今もその役割は継続していますが、それにメンタル不調者の職場復帰の判断という精神科医の分野の仕事が入ってきています。
多くの会社の産業医が内科医という実態の中、主治医である精神科医の診断書に対して、就労の可否をくつがえせますか?
産業医の選定は非常に重要で、産業医によって、会社の明暗が分かれる(訴訟になった場合など)と思っても過言ではありません。
今一度、産業医の重要な役割を認識して、いけてる産業医を選ぶ必要がありますね。
昨日の講演で、産業医の浜口先生のお話を聴けたことは実りあるものでした。
私の今までの「産業医」のイメージを払拭してくれて、探せば頼りになる産業医がいるんだ!と思わせてくれました。
職業病全般の知識があり、メンタルヘルスにも詳しい産業医。
大企業ならば、内科と精神科それぞれの産業医を雇うことも可能でしょうが、中小企業はどうやって頼りになる産業医を見つけたらいいのでしょう。。。
浜口先生がおっしゃるには、裁判や労働審判などでもめてしまったケースをみると、産業医がいけていないことが多い、とのこと。
産業医の選任は会社のリスク管理上重要であると認識して、慎重にいいお医者さんを選びたいですね!
See you tomorrow!
Chika Yoshino
障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀