室内菜園で、葉物を栽培することはそんなに難しいことではない。というのは、葉物は栄養成長を充分に出来る環境を如何に設定してあげるかがポイントであり、一定期間の栄養成長を如何に持続するかが重要になる。言うまでもなく植物達は、温度や照射時間によって花芽分化のスイッチが入るようになっている。花芽の分化、発達、成熟した蕾というプロセスを経る花芽分化は、それまで存在しなかった新しい器官が形成されるという意味で、植物の発生における重要な転換点でもあり、栄養成長から生殖成長への転換点を迎えているわけであり、そこで植物の生理は大きく変わることになる。トマト等は栽培過程において栄養成長と生殖生長を絶えず繰り返す珍しい成長形態をとるが、バランスを上手く維持してあげないと、生理障害を起こし、長期間の収穫が期待できなくなる。上手に育てると茎の太さが一定となり、トマトが如何に快適に生長しているか簡単に観測できる。但し、葉物の生育でも、寒暖の差があった方が美味しさが増すものと一定の温度でしっかり成長を維持した方が良いものに分かれる。植物達が、どちらの栽培方法を望むかは、おそらく彼らの原産地に着目する必要があり、最近のように霜が降りた朝にしっかり美味しさを増すホウレン草などは室内栽培よりは、露地栽培が望ましいと思われる。