海岸にて

海が好き。時事ニュース・海外ドラマ 、日々徒然

『百億の昼と千億の夜』 ① 〈漫画〉

2008-09-11 | 漫画
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)
価格:¥ 740(税込)
発売日:1997-04

 原作:光瀬 龍  画:萩尾望都

  

光瀬龍さんの原作は昔たしか読んだ記憶?はあるのですが、理解できたとは言えず。 漫画の方は何回か読み、圧倒的な印象が残っているものの、あらすじや感想を書くことは、結構難しい気がしています。

 

主な登場人物はプラトン、ポセイドン、イエス、ユダ、シッタータ(悉達多太子・釈迦国)、阿修羅、四天王、etc.  (色々な名前が登場します。これはフィクションです。)

 

<前半>あらすじ 

その昔 微細な星間物質の一個一個が - 遠い星の弱い光の波に押され押されて この空域に少しずつ集まってきた  それはしだいに濃いガス雲となり 重力の場を支配し始めた このようにして星々は生み出されたがー その時から 歴史はすでに その行きつく所へ向かって歩み始めていた 

  

 

世界は何故生まれ、どこへいくのか。生命はなぜ誕生し、進化し、争いを繰り返し、文明が生まれ、また進化し、われわれはどこからきてどこへ行くのかという根源的な問い。科学が宇宙の誕生の謎に迫り、星の誕生や宇宙の膨張が知られるようになっても、この根源的な問いの答えは誰も知らない。この世界はどこから来て、どこへ向かっているのか?

    

〈アトランティス〉  アテナイの学者プラトンは、長くアトランティス伝説の夢を見続けた人で、伝説の古文書を発見しそれに基づいて旅にでる。アトランティスの子孫の村エルカシアでは、プラトンが来ることは予期されていたことで、プラトンに村の長老の娘から「宗主」の伝言が伝えられ、彼は過去のアトランティス王国にタイムスリップ。王国の司政官オリオナエ(=プラトン)として目覚める。

アトランティス王国のポセイドン王は、王国を神の国アトランタへ移動する命令を出す。 アトランティスで「神」と崇められていたものは、実は「惑星開発委員会」であり、「惑星開発委員会」はこの惑星において、一つの実験として「文明」をつくり、それを移動させようとしていた。ポセイドン王の命令に怒った市民の暴動で、「移動」に手違いが起こり、アトランティスは破壊されてしまう。 オリオナエ(プラトン)は叫ぶ。「アトランティスを返せ。なぜ、なぜ神ならば、なぜわれわれをこんな目にあわせるのだ。」

 

〈シッタータ〉  釈迦国のシッタータ太子は、家族も国も目の前の悲惨も、「すべての現世」を捨て、出家する決心をする。 「天の意志は人のためにはたらくものではない・・全ては流転する大いなる相の一つにすぎない」として。

天上界をめざした太子は、そこで宇宙が静かに「終末のための終末」に向かっていることを目の当たりにする。 梵天王はシッタータに、広大な天上界は危機にあり、「五十六億七千万年後に人間界に現れ、人々を救うとされる救世主弥勒菩薩のいるこの地までも、侵略されようとしている」と語る。侵略?誰に? 「阿修羅」に。そして、全ての破壊は阿修羅王のせいであり、この者こそ宇宙の悪であり、われらの敵弥勒の敵であると言う。

シッタータ太子は、「なぜ阿修羅は天上界に攻め入ったのか、なぜ破壊を繰り返すのか、阿修羅に願いはないのか、失うものはないのか?」と会って尋ねたいと考え、帝釈天に阿修羅王に会えるように頼む。

  

〈阿修羅〉 シッタータは阿修羅に問う。「なぜ戦う?」 阿修羅は太子に答える。「弥勒に会え!」と。そして、

波羅門のいう兜率天浄土に弥勒という沙門のありて、この世の末法に現れ出でて人々を救うという弥勒。では、五十六億七千万年後に何が起こるというのだ?末世にいたるほどの出来事、それほどの破滅とはいったいなんであるか?」と。

人の死も(宇宙から見れば)完全な消滅ではない。すべては単なる変化にすぎない。しかしこの世界は完全なる死へ向かっている。一切の無。終末のための終末へ。これは、いったい何者のしわざであるのか?」と。

  

〈弥勒〉 シッタータは阿修羅の案内で、弥勒に会いに行く。 しかし、弥勒像は単なる作りもの・・。では弥勒像を作り、末法の世と救いの予言を残した者は何者か?宇宙の生成に何らかの作為が含まれていたとしたら?神が支配する宇宙の存在理由とは何か?

   

〈ユダとキリスト〉 長い間ローマの支配下にあり貧しかったガラリヤの人々は、救世主が現れると信じていた。ナザレの大工イエスは(「惑星委員会の」暗示と指令により) 「天使」のお告げを聞いたとし、いずれ神がこの世を裁く「最後の審判」の時が来ると人々に吹聴する。ユダはイエスの言葉に不信と疑惑を感じ、不安を抱く。「神とは裁くものなのか?」「もしこの世が最後の裁きを必要とするならば、この世は滅びの道にこそさだめがあるものなのか?」と。

ユダはイエスにただならぬものを感じて、彼を告発する。イエスはゴルゴダの丘ではりつけにされるが、しかし、これは予定されていた事だった。ユダは、何か大きな恐ろしい計画を察知する。

  

 

〈トーキョーシティ〉 長い間、海の中で眠っていた。記憶を無くしたまま「ユダ」は、トーキョーで目覚める。要塞のような場所で、トーキョーシティの市民の生き残り数十人が暮らしている。その中にオリオナエ(=プラトン)がいる。

彼は、今は太陽系紀元3905年だと言う。この都市は内惑星連合の首都として栄えていたが、2900年に太陽が色褪せたことを始まりに、地球の平均気温はマイナス65度になった。大陸は砂漠となり、動物は死滅し、千年の間に地球は死の星となってしまった。そして、この衰退は太陽系だけではない、銀河全体宇宙全体に起こっていることだと。そして、オリオナエは、これは””によって計画されたことだと言う。

  

〈戦士たち〉 地球を監視していたイエスの攻撃によって、この場所も破壊される。オリオナエはユダに、アトランティスをはじめとする人々の悲劇について語る。そして、「アスタータ50における惑星開発委員会は”シ”の命令をうけ、アイ第三惑星にヘリオ・セス・ベータ型の開発を試みることになった」とアトランティスの支配者ポセイドンは言った、とユダに告げる。

阿修羅が現れ、イエスに問う。「ナザレのイエス、””の手先! この宇宙を支配するという絶対者、人の世の運命を支配し破滅へと引き込むお前の主””はどこにいる!」

 

 

 

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百億の昼と千億の夜 (角川文庫―リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)

百億の昼と千億の夜 (角川文庫―リバイバルコレクション エンタテインメントベスト20)
価格:¥ 693(税込)
発売日:1996-12  

光瀬龍

 

 

 

 

 

 

 

  

 


「マージナル」萩尾望都 〈漫画〉 

2008-02-02 | 漫画

萩尾作品のうち、私的にはBEST 3に入る印象的なSF漫画です。一番最初に読んだ時はあまりに不思議でちょっと恐い印象だったのですが(たぶん意味がよくわかってなかった)、今、読み返してみると、ストーリーの土台はかなりしっかり作られているし、読めば読むほど不思議で興味深い漫画だと思います。簡単にいうと、未来の地球がマン(男)だけの、子供の生まれない不毛の世界になってしまったという話。最後、超能力と惑星が感応して、星の再生(命の再生)に結びつくという結末は、「スター・レッド」とも通じる部分があります。 

   

Marginal 〈プロローグ〉  

2300年までに、地球は人口増加、長命医療が進み、環境汚染のため青い海も川も湖もは失われ、赤い海になってしまっていた。(最近の風潮をみていると、このあたりはかなり現実感もあります。) 

2300年、夏、突然海面で菌類が大量発生し、新種の菌のD因子が不妊を引き起こした。これを解決できないまま200年たつと、地球では子供が一人も生まれなくなっていた。

2999年の地球は、カビや粘菌に派生する奇妙なウィルスのせいで病んだ不毛の星になり、地球外からは立ち入り禁止区域になっている。この病気と不毛の地球を研究し、「新たな人類を生みだすための実験都市プロジェクト」がマージナルだった。

マージナルには、このプロジェクトを管理しているセンターがあり、まったく何も知らされていない市民が住んでいる。市民たちは、「この世界は、ただ一人の聖母マザと彼女が産んだ数万の息子たちで形づくられている」と信じていた。

2999年、ただ一人の聖母であるマザが死んだ。聖母信仰に則って、センターはうまく次世代のマザをまつり上げなければならない。

   

本の帯の言葉を紹介

 1. 2999年、世界で ただ一人の母が死んだ

 2. 夢の子供 キラは 不毛の星を 救えるか?

 3. そして、病んだ地球は 青い海を 夢見る

      

マージナル (2) (小学館文庫)  

マージナル (2) (小学館文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:1999-08

  

マージナル(1)~(3)

 

 

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一条ゆかり「砂の城」〈漫画〉

2008-01-22 | 漫画

少女漫画の中でも、これはものすごい究極のメロドラマです。10年くらいの間に三回ほど読んだのですが、いつも涙ボロボロなのですよ。

この漫画と関係ないのですが、シャンソンで、ミレイユ・マチュー「砂の城 Les chateau de sable という歌がありまして、砂の城は夏と共に~とかいう感じの歌詞でした。懐かしい。この漫画を最初に手に取ったきっかけは、たぶんこのシャンソン「砂の城」がどこかで頭の中に残っていたからだと思います。

   

砂の城 (1) (集英社文庫―コミック版) 砂の城 (1) (集英社文庫―コミック版)
価格:¥ 630(税込)
発売日:1995-12

≪あらすじ・プロローグ≫

舞台はフランス。お金持ちの家に女の子が誕生し、ナタリーと名づけられる。同じ日に、家の前に捨てられていた男の子がフランシス。二人は兄妹のように育ち、愛し合うようになり、ナタリーの両親にも認められる仲になりそうだった時に、ナタリーの両親が事故で急死。ナタリーの後見人の叔母は、身分違いということでフランシスとの仲を認めず、追い詰められた二人は崖から身投げ・・身投げですか~

奇跡的にナタリーは助かるが、フランシスは行方不明。ナタリーは何度も自殺未遂・・

フランシスは記憶を失い、助けてくれた娘ジョルゼと結婚しマルコという男の子をもうけていた。よく似た人がいるとの噂を耳にしたナタリーが、かすかな望みをもって彼に会いに行く。雨の中、フランシスはナタリーを思い出し、やっとのことで再会を果たした二人!と、思ったら、・・・・駆け寄る二人の間にバスが・・・!!・・フランシスは瀕死の重傷。・・・このあたりから、すっかり「砂の城」ワールドにはまってしまいましたね。

病院のベットで、フランシスは「家族がいる、ナタリーの元に戻れない」と告げ、そのまま亡くなってしまう。彼の妻ジョルゼも、彼の後を追って海で死亡。残されたナタリーは絶望の中で、身寄りのなくなったフランシスの(4歳の)遺児マルコを引き取ることにする。マルコをフランシスと呼び、育てながら、フランシス(マルコ)の中に妻ジョルゼの面影を見て、ナタリーは苦しむ。

と、ここまでは、ほんの前置き。ここから、成長したフランシス(マルコ)とナタリーの愛のドラマがはじまります。

 

 

作者一条ゆかりさんは、「砂の城」のあとがきでメロドラマに必要なもの、それは徹底的な障害。で、第一障害は身分の差、第ニ障害を年の差(16歳差)にしたと、書いておられました。

ナタリーの性格は、

お金持ちのお嬢様特有の育ちの良さとわがままさ、何度やっても懲りない甘さ、向上心は有るけど、土壇場勝負になったらどうしても開き直れない弱さ、この弱さとしつこさが彼女の性格のキーポイント」なのだそうです。

一条さんには無い性格だそうで、こういうタイプは苦手で描いててイライラして腹が立ってきて、なかなか苦労されたそうです。それで、ナタリーを囲む友人や男性陣は好みの人物にしたのだそうです。なるほど、そういえばこの漫画のナタリーを囲む人々は、それぞれかっこよくてさっぱりしたいい人ばかり、あまり嫌な性格の人いなかったですね。フランシスとの恋路を邪魔するミルフィーヌ以外は。

ナタリーのこの優柔不断な性格が、このドラマを主に引っ張ったとも言えますね。究極のメロドラマです。(TVの昼メロにはほとんどはまったことがないのですが、・・でも、「ビクトリア」ははまったわ・・) バレエ漫画の「SWAN」にもはまりましたしね。そういえば、あの漫画にもこういう要素があった気がしますわ。

   

 

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スター・レッド 萩尾望都

2007-11-02 | 漫画

 

萩尾作品で二番目に好きな作品です。(一番はやっぱり『ポーの一族』)  以前、テレパシー、瞬間移動、透視などの超能力ブームがありましたが、これはそういうSFファンタジーものです。(『スター・レッド』は、アニメーションにもできる作品だと思うのですが) この作品の次に印象深い作品は『百億の昼と千億の夜』でした。または『マージナル』。

 

『スター・レッド』は赤い惑星、火星のお話。

スター・レッド スター・レッド
価格:¥ 840(税込)
発売日:1995-04

  火星 in スターレッド> 

火星 日は約24時間40分 1年は約687日 自転軸の傾きは25度 春夏秋冬あり。直径は地球の約半分、体積は地球の15% 重力は地球の38% 酸素はほとんどないが改良の余地あり。月はフォボスとディモスの二つ。 

 

 

2050年(あと約40年後・・)、地球の人口増加のため、地球人が月や火星や金星に植民するようになったものの、どういうわけか火星では胎児死亡率が100%。その為、火星の植民は禁止になり、火星は流刑地になる。その後22世紀半ばまで、流刑地としてのみ機能するが、火星における平均寿命は何故か6~7年。 22世紀後半にそれも廃止。

その後23世紀になり、科学者が実験的に火星のクリュセ(ドーム)に移住したところ、どこからともなく白い髪と赤い目を持った火星人がやってくる。彼らは火星に棲息していた地球人の子孫で、超能力をもっていた。ドームなしでは火星に住めない地球人と、火星に順応し「念力」を持つ火星人は対立し、争う。  

昔 火星まで 人が逃げた時

フォボスとディモスの魔物が呪いをかけたので

生まれてくる子は みな魂をぬきとられていた

だけど わずかの人間は

魔物に忠誠を誓って魂を返してもらった

それから彼らは火星人になった 

 

 

ヒロインの星(セイ)は、地球人の医師に育てられた火星人の5世代目。白い髪と赤い目と超能力を隠して地球で暮らしているが、火星に行くことを切望している。エルグという異星人と知り合い、火星に密入国。火星ではクリュセの地下にある場所でだけ子供は生まれることができる。クリュセで、怨念に支配されて死んだ男に感応して、彼の思念に支配されてしまった星(セイ)を救おうとしてエルグは行方不明になる。そして星(セイ)は火星人に助けられる。

   

 

星は、砂漠に棲む火星人たちと会うが、未来に感応する「夢見」の予言で「災い」とされた星は、一族と対立し争いになる。エルグを探しにクリュセに戻った星は、罠にはまり、超能力者を憎む地球人ペーブマンに捕まってしまう。地球のESP研究所に送られた星は、そこで火星生まれの、超能力を持つたくさんの子供に会う。自分たちが持つ強大な超能力の行く末に混乱した星は、自分の能力を制御できず、結果的に研究所を破壊してしまう。

   

ペーブマンの見解。超能力者は目の視力ではなく超感覚で物を見ている。念動力があるならば手や足は不必要ではないか。テレパシーがあれば、言葉も口も耳も必要なくなるではないか。何十億年かけて海の中から進化した霊長類こそが正しい進化で、超能力者は人間の退化現象だという。・・(超能力をそのように考えるのはおもしろい見解だと思う。そう言えば、竹宮恵子著「テラへ」でも、超能力者は肉体的弱者で、それを補うために超能力を持つことができるようになったという話だった・・)

    

 

宇宙空間で、冬眠中の繭のような形で漂っていたエルグ(彼は不死)を見つけた星(セイ)が、ニュートーキョーシティのエルグのアパートに帰ると、そこには、ゼスヌセル系のアープという星からエルグを追ってきたミュージュという異星人と、星(セイ)を探していた地球友達サンシャインESP研から派遣されていたカッパ火星から星を追ってきた火星人の黒羽(クロバ)がいて、ミュージュと争っているうちに、6人はアープ星にワープしてしまう。

   

 

エルグは、火星と似た古い星の超能力を持つ種の生き残りで、宇宙のルポライターのような仕事をしていた。超能力者が生まれる火星のような惑星は赤色螢星と呼ばれ、このような惑星ではアミと呼ばれる形のない精神生命体が育ち、巣食い、そこで生まれる超能力者は星すべてを破壊するほどの力を持つようになり、やがてその星自体を滅ばしてしまうだけでなく、他の星にも危険を及ぼしていく。アープ人は宇宙の秩序を保つために赤色螢星を一掃し始めたと言う。

    

 

星(セイ)たちは、火星と同じアミの巣食う一番古い遺跡ネクラ・パスタへ行くことにする。その星は4つの人工衛星ポイントによって立ち入り禁止区域になっている。黒羽たち4人に待機してもらい、エルグと星の二人は廃墟のようなその場所にテレポートで降り立つ。

 

惑星の外で2人を待っていた4人は、アープ星の委員会からの追手に捕まってしまうが、源(ゲン)の犠牲でサンシャインとカッパだけは地球にテレポートできる。星(セイ)はこの惑星の共鳴に囚われ消えてしまい、エルグはこの惑星に一人取り残されることになる。

   

 

魂だけになり宇宙空間を漂っている星(セイ)は、エルグが不死のまま、この惑星で星(セイ)を永遠に探し求める姿を見ていることしかできない。エルグは封印した自分の超能力を解き放つ。星(セイ)を愛し探し求めたエルグもいなくなった、遠い未来の死の惑星ネクラ・パスタ。何故かそこに、炭素が生れ、水と草が生まれる光景を、星(セイ)と火星人ヨダカは幻のように垣間見る。

   

 

 

 

ヨダカは、火星の百黒老のもとにある自分の肉体に、小さい胎児に変化させた星を連れて戻ることができる。

 

やがて、ヨダカを母として、星はもう一度生まれ変わる。ジュニア・星が生まれた後の空に、火星はもうない。

   


もし、「ポーの一族」という音楽があったら。

2007-08-20 | 漫画

「ピアノの森」14巻めが発売になっており、やっ、やっと読めました。待たされましたわ~。映画化になり、先月からロードショー。私はまだ漫画を最後まで読めていないので、(はやく次を!)

気持ちが漫画のほうにしっかり残っており、見にいっていないのですが、ホームページに行きました。

「ピアノの森」に関してはまたゆっくり書いてみたいと思います。

ふむ、当然アニメーションになると、現実の声が入り、音楽がはいるのですよね。

で、思うことは「ポーの一族」の音楽がもしあったら・・ということ

考えているだけでワクワク、ドキドキ♪  

アニメじゃなく音楽!(アニメはイメージが変わったらと、ちょっと不安で考えられないです)

「ポーの一族」メイン・テーマとか、

交響詩「ポーの村」?とか

「小鳥の巣」のテーマとか、「メリーベルのテーマ」は必須ですね。

ピアノ曲「はるかな国の花や小鳥」

ペニーレイン」「エディス」

「ホームズの帽子」「ピカデリー7時

「エバンズの遺書」

なんて曲が一枚のCDになっているのです。

うわ~、考えてるだけで、わくわく。

誰か作ってください、お願い。


「日出処の天子」山岸凉子

2007-08-11 | 漫画

漫画ネタが続きます。

もう一つの、私にとっての永久保存版が、山岸凉子さんの「日出処の天子」です。

 「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。つつが無きや、云々」隋書倭国伝   

聖徳太子と蘇我氏の時代、〈大化の改新の少し前くらい?)

聖徳太子が、蘇我毛人(えみし)に恋する〈同性愛ってことですね〉という、大変おもしろいお話です。

聖徳太子はスーパマンというか超能力者だったらしいという話があります。その不思議な力のために母〈間人媛はしひとひめ)から疎まれ、孤独な幼少時代を過ごした厩戸王子〈聖徳太子)は、蘇我毛人(こちらはごく普通の好青年)に出会い、恋してしまいます。厩戸王子は天才的な頭脳を持ち、その上、女か男かわからないくらいの超美形。けれども毛人は、物部氏出の石上斎宮の布都姫(ふつひめ)に恋をし、三角関係に。厩戸王子は恋の苦悩でもんもん、というお話。

山岸さんの絵柄がこの時代の雰囲気にマッチしているのでしょうか、大変美しく哀しく、また不思議な漫画でした。

人間を超えた力や人間の愛や欲や心の闇や、神や仏や古代の神秘や、いろんな要素が混ざり合った不思議な世界。きっとそんなものが全て混ざった時代が古代だったのでしょう。

とはいっても、現代も結局は同じかもしれないですね。

 Manga007                                                                

 


「ポーの一族」萩尾望都

2007-08-09 | 漫画

私のたぶん永久保存版になりそうな少女漫画の一つ、萩尾望都さんの「ポーの一族」。

この漫画に出会ったのはたしか大学時代あたりなので、すでに○○年前のこと。

時を越えて生きるエドガーとアランの二人の少年と少女メリーベル、バラのお茶を飲むバンパイアのお話です。いろんな時代のいろんな場所で目撃される二人の少年の記録や残された肖像画から、人間とは違う不思議な存在に気づき、魅了される人の視線が後半で描かれていて、

もしかすると、現代でも、ひょっこりエドガーとアランが、ロンドンやドイツの地方都市に現れるかも・という期待を感じさせる終わり方。でも、もうこの続きはないのでしょうね・・

海外で日本漫画ブームだそうですが、「ポーの一族」のような、少女漫画というジャンルをはるかに超えてしまうような、緻密でロマンにあふれた作品も読んでほしいな、と思う今日この頃です。

   

ポーの一族 (3) (小学館文庫) ポーの一族 (3) (小学館文庫)
価格:¥ 570(税込)
発売日:1998-07