安倍元首相が選挙の街頭演説の最中に銃撃され、お亡くなりになりました。この恐ろしい事件をまだ信じることができません。我が国のため、これからも末永くご活躍いただけると思っておりました。悔しくて悲しくて、残念でたまりません。安倍元首相のご冥福を心からお祈りいたします。
安倍元首相が、7月3日、千葉の講演で、「憲法改正しかない」と述べられたとの産経記事を読みました。安倍氏が、世界の今の状況、ロシアのウクライナ侵攻、それから北朝鮮拉致問題など、我が国の安全保障を考えれば、「憲法改正しかない」と、強く考えられていたことがわかります。
安倍氏、5日前に千葉で講演 「憲法改正しかない」
2022/7/8 19:48
奈良市で銃撃されて亡くなった自民党の安倍晋三元首相は3日、千葉県八千代市の八千代市市民会館で講演し、400人以上の聴衆に向けて憲法改正の必要性などを力説していた。講演の要旨は右の通り。
◇
憲法審査会の議論は岸田政権になって大変順調に進んでいる。やっと憲法改正の議論が進み、本当に良かった。現在の憲法についてどう考えるか。そもそも戦争に負けて次の年にGHQによって作られた。
それが今日に至って全く変えられない状況が続いている。多くの国は何回も憲法改正をしている。同じ敗戦国のドイツも改正回数は多い。
日本の憲法は(昭和52年に)北朝鮮の拉致で13歳の少女の人生すら守れなかった。果たして(憲法前文にある)「平和を愛する諸国民」なのかという現実が、そのときから突き付けられていた。
ロシアによるウクライナ侵略で、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した、この前提が崩れている。国連常任理事国のロシアがウクライナを侵略する。前提条件が崩れ、国民の中でも真剣に議論しないといけないとの機運が醸成されてきた。
なによりも憲法9条。緊急事態条項も設ける必要があるが、9条の問題。いまウクライナを守るため、命をかけて戦っているのはウクライナ軍だ。日本がもし海外から侵略されたときに命をかけて戦うのは自衛隊の皆さん。しかし自衛隊についての記述が憲法にはない。その状況を変えないといけないと決意している。
もしウクライナがNATOに加盟できていたら、ロシアはウクライナに手を出せなかったと思う。(安倍政権は)2015年に平和安全法制を制定した。集団的自衛権を行使できる輪の中に入っていけば安全だ。
さらにNATOでは、GDP比2%が防衛力を維持する予算確保のスタンダードとなっている。日本もこの程度の努力をしないと、アメリカの兵士が日本のために命を懸けることにならないという現実をしっかり見つめないといけない。
この地域を守るため、自分たちで努力することと同時に決意と覚悟を示すことが、戦争、侵略を防ぐことにつながる。一番の決意表明は憲法改正しかない。 (産経)