海岸にて

海が好き。時事ニュース・海外ドラマ 、日々徒然

イギリスドラマ「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~」

2022-04-18 | 映画・ドラマ 

最近は時間のある時は、wowowオンデマンドでテニスを見るか、海外ドラマを見ているのですが、海外ドラマもこのところアメリカものからヨーロッパものへ移行。北欧サスペンスをさんざん見てしまい、今日はイギリスドラマ「新米刑事モース~オックスフォード事件簿~」というのを見ていました。1965年のイギリスが舞台のミステリーです。

「イギリスではシャーロック・ホームズをしのぐ人気のモース警部。その新米刑事時代を描く正統派ミステリー。ショーン・エヴァンス演じる若き日のモースが推理力で奮闘する。」  

今日は#3を見ていたのですが、途中で、事件の背景を探る中、「ノルマンディ―上陸作戦」という言葉が出てきて、「ん、ノルマンディー上陸作戦?なんだっけ?」と調べてみたり。(ノルマンディー上陸作戦とは、第二次世界大戦中、連合国軍がドイツ侵攻を追い払うために北フランスから上陸する作戦でした)こんな言葉が、このところのご時世で、なにか歴史上のことよりもずっと現実味を帯びて感じることになんだか変な気がしてしまいます。

 

このドラマは1965年のイギリスという時代背景からか、バックにクラシックやオペラが流れることも多く、そのあたりも他のサスペンスドラマと比べるとなにか新鮮さを感じてしまい、なかなか面白いです。今日見た#3では、犯人を追い詰める最後の場面のバックに流れていたのは、ベートーベンの”月光”でした。

最後に、疲れ果てた主人公モースが上司サーズディに「仕事のことを家に持ち込まない秘訣は?」と聞くと、答えは「守るものを見つけること」そして「家に帰って一番いいレコードを大音量で聞け」。そうか、やっぱり音楽か、と思ったのでした。

                  

Wilhelm Kempff plays Beethoven's Moonlight Sonata mvt. 1(youtube)

Wilhelm Kempff plays Beethoven's Moonlight Sonata mvt. 3(youtube)

 

 


海外ドラマ

2016-12-03 | 映画・ドラマ 

今日は、最近見ているドラマの話。見ていない方にはなんのことやらですね。

最近は地上波・BSテレビはほとんど見ませんが、CSのスーパードラマTVだけは変わらず、見ています。 日本のドラマは受け付けなくなって久しくですが、アメリカドラマはまだ大丈夫。 八方塞がりのような気分の時、手っ取り早く気分転換できるので重宝しているのが私にとっての海外ドラマ。

メンタリスト」がシーズン7で終わってしまって寂しい。リズボンとジェーンのハッピーエンドは喜ばしくて、仕事を共にしながら友情を育んだ長い時間とこれからの二人の未来もなんとなく想像できるようで、本当に素敵な終わり方だった。 このドラマはもちろんジェーン役のサイモン・ベイカーの魅力も大きいのでしょうが、たぶんプロデューサーが素晴らしかったのでしょうね、ほんとに粋でよくできたドラマで、面白かったなあ。

サイモン・ベイカーはロンジンのCMに出ているらしく、それをYoutubeで見たのですが、高級時計のCMとあってあまりにお澄ましの彼がジェーンのイメージとは別人で・・。それに彼は最近、ロンジン関連で来日し東京競馬場の式に出席した映像もみたのですが、これもなんだか別人に見えて。私はサイモンというより、パトリック・ジェーンがお気に入りだったのだと再確認。  

クリミナル・マインド」のシーズン8が始まり、こちらも、すでにレギュラーチームが大好きになってしまっていてガルシアもリードもJJもロッシも皆大好きで、見続けています。エミリー・プレンティスが最近、メンバーからいなくなったが寂しい。(でも、いつか帰ってくることになっているらしい)ホッチ(トーマス・ギプソン)がシーズン11では暴力沙汰で降板というニュースやモーガンがクリミナル・マインドを卒業するらしいというニュースなども聞いたけれど、考えたくないなあと思う。  

それから、近いうちに(来年1月)「ブラック・リスト」シーズン4が始まるらしい。こちらも、また、見ようっと。  

スターチャンネルで「ダウントン・アビー」を見ていたのですが、今、シーズン6が終わったところ。はじめはそれほどでもなかったのですが、なんとなく見ていたら、どんどん見るのをやめられなくなっていく。シーズン5、6はかなり面白かった。伯爵夫妻の人柄や、メアリーやトムの人柄や、貴族たちも侍従たちもそれぞれ個性的で、いろんなことが起こる。伯爵の母とマシューの母が違った立場で違った意見を持ちながら、時には意見が対立しながらもそれぞれを尊重し、結局は仲良しという交友関係も潔くて興味深かかった。イギリスやイギリス人の社会事情や雰囲気が少しわかってきて、楽しく見ています。このドラマ、現在、NHK(総合)でもやっているらしいです。(総合でやっと韓国ドラマは終了したらしく、長年うんざりしていたので、まあ喜ばしいことです。)


映画『The Lake House イルマーレ』

2010-08-08 | 映画・ドラマ 

 

キアヌ・リーブスKeanu Reevesサンドラ・ブロックSandra Bullockのラブストーリー「The Lake House イルマーレ」(2006・米・韓国映画リメイク) 

主役二人とも好きなので、とても楽しめました。挿入歌-サウンドトラックにどこか懐かしい素敵な曲がいっぱい。それもよかったなあ。 

 

 

 

 

 

 The Lake House Soundtrack Part 3 of 6

         Carole King - It's Too Late )     You Tube

 

 

 

 

This Never Happened Before ポール・マッカートニー        You Tube 

 

 

 

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最近見た映画『スター・トレック』など

2010-03-14 | 映画・ドラマ 

 

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『スター・トレック』はTVシリーズも映画版も好きだったので、去年公開された新作の『スター・トレック』は気になっていて、配信でやっと見ました。

 

これはスター・トレックの”その後”ではなくて、ジェームズ・T・カークが生まれた時のエピソードから向こう見ずな少年時代、血の気の多い青年時代のカーク。 並行して、地球人とバルカン人のハーフであるスポックのバルカン星での少年時代。 いわば『スタートレック』それ以前の物語。

 

USSエンタープライズ号処女航海での血気盛んな士官候補生カークと、冷静というより冷徹とも見える若きスポックの出会い。(スポック役の俳優さんは『HEROES』のサイラー役の人)。それから、若き日のドクター・マッコイや、スコット、スール、チェコフらが勢揃い。スポックと通信士ウフーラって、そういう仲だったの?

カーク船長、スポック副長、その他メンバーが勢揃いしたUSSエンタープライズの旅立ちまでが描かれたスター・トレック「エピソード0」ともいえる内容でした。年老いたスポック(レナード・ニモイ)がタイムトラベルしてきて、若き日のスポック(自分)と向かい合う場面もあったりして、懐かしかったです。 エンタープライズ号は最新式だし、それから映像もしっかり現代風になっていてかっこよかったし。うん、面白かった!

映画『スター・トレック』 オフィシャルサイト

 

 

 

それから、『マトリックス』(キアヌ・リーブス)も遅ればせながら見ました。うわぁ・と思いながら結局3部作の最後まで見てしまった。すごい映画。恐ろしいけど面白かった。 サンドラ・ブロックと共演の『スピード』、多くを語らないキアヌとサンドラは絶妙のコンビ。 サンドラ・ブロックと言えばアカデミー賞主演女優賞を受賞しましたが、彼女の映画はアクション映画もロマンスものも和みます。『デンジャラス・ビューティー』(FBI捜査官役)、『あなたが寝てる間に』も面白かった。

  

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『ONCE ダブリンの街角で』 〈映画〉

2009-10-31 | 映画・ドラマ 

配信で見たのですが、いい映画でした!  ストリートミュージシャン(グレン・ハンサード)が一人のチェコ女性(マルケタ・イルグロヴァ)と知り合い、自分が作った歌を初めてスタジオで録音して、デモテープを持ってロンドンに行くまでの物語。

 

私は、まず彼女が楽器店のピアノで弾いたメンデルスゾーンのピアノ曲にノックアウトされ。(Songs Without Words op.30-6 Venetian gondola song メンデルスゾーン/ベニスの舟歌~「無言歌集 第2巻」より )

そのあと、彼が、自分が作った曲に詞をつけてよと、彼女にCDとプレイヤーを渡すのですが、CDプレイヤーの電池が切れて、彼女は電池を買いに行き、その帰り道でイアホンでその曲を聞きながら即興で詞をつけて、夜の歩道を歌いながら帰るのです。

その曲がこれ↓ 彼女の声の綺麗なこと!

Marketa Irglova & Glen Hansard - If you want me  (You Tube)

 

 

 

素朴でシンプルで温かくて、特に、音楽、歌が素晴らしい。

(この映画、全米で公開するや、限定2館から口コミにより140館まで拡大公開。サントラ盤も全米チャート2位を獲得したとか)

 

 

ONCE: "When Your Mind's Made Up" Scene (You Tube)

ONCE: Falling Slowly  (You Tube) 

 

 

 

 

 

 

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映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

2009-08-09 | 映画・ドラマ 

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 特別版(2枚組) [DVD]

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 プラッド・ピット / ケイト・ブランシェット

 

  

      

  

配信でたまたま見た映画ですが、3時間近い長さにもかかわらず、引き込まれてしまいました。 生まれた時は”肉体的に80歳の老人の赤ん坊”だった人が、そこから年を取るたびに若返っていくという、あまりに不思議なお話です。 (原作は『華麗なるギャッツビー』などで有名なスコット・フィッツジェラルドの短編小説) 

  

 

ベンジャミンは、「肉体的に老人」の醜い赤ん坊であったために、親に捨てられる。彼は10代になっても、外見は(肉体的には)背の小さな老人。 ベンジャミンとデイジーは初めて出会った子供の時から、惹かれあい、たぶん恋していたにもかかわらず、二人がやっと本当に向き合うことができたのは、彼の外見が彼女の外見にある程度近づいた頃。 そして、そんな時間も長くは続かない。ベンジャミンは、やがて自分が「子供」になり「赤ん坊」になることを知っている。

  

逆の方向に年をとる二人を通して、「過ぎ去るもの」と「変わらないもの」が強烈に浮き彫りになってしまう、切ない不思議なお話です。

    

背景に、常に”過ぎ去っていく時間”が描かれているようで、今生きている「この時」を、人の「生死」という大きな場所から見せてもらったような気がする、素晴らしい映画でした。 

 

   

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『ハチ公物語』 

2009-08-07 | 映画・ドラマ 

リチャード・ギア主演『HACHI 約束の犬』が、明日(8月8日)からロードショー公開だそうです。 犬も飼ったことがあるし、リチャード・ギアもまあ好きだし、なにか気になっている映画ですが、

仲代達矢さん主演の邦画『ハチ公物語』(1987)映像を見ていて、涙・・。 「待つ」ってどういうことなのでしょうね・・・・・

 

 

Hachiko monogatari - Bittersweet (Akita dog)  (You Tube) 

   

                                 

 

こちらは、リチャード・ギア版予告

HACHI 約束の犬

 

 

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BBCドラマ『ロビン・フッド』

2008-12-08 | 映画・ドラマ 

LaLaTV海外ドラマ一押し、BBCの『ロビン・フッド』がはじまりました。伝説のヒーロー、ロビン・フッドのドラマで、ロビン役はジョナス・アームストロング。本国イギリスではすでにシーズン3も決定だそうです。 あまり期待していなかったのですが、これ面白い。BBCはよいドラマを作っています。
 
「(1192年)十字軍遠征の戦いから故郷に戻ったロックスリーのロビンは、村に住む人々が新しい代官による制圧的なルールの下、残忍な仕打ちと飢えに苦しんでいることを知る。」
ロビン・フッド http://www.lala.tv/special/robin/
 

  
  

ロックスリーの民家は石造りなのに屋根は藁ぶきのような感じ。日本の昔の民家とどこか似ている。
帰郷したロビンは領主として、悪代官の悪政に苦しめられているロックスリーの民を守らなくてはならない。

ロビンがノッティンガムの町に行くと、以前はにぎわっていた市がでていない。
代官は、民は飢えさせておかなければ働かない、という。
ロビンは代官に、民に物を与えるように、民の暮らしがよくなれば、また市もにぎわうようになるだろうと訴える。

何もしなければ、ロックスリー村は、ノッティンダムの悪代官のえじきになる。
暴政を押しつけてくる悪代官と、苦しむ民の間に立って、領主の立場で民をどう守るか? 
小さな村の領主ロビンの迷いの中に、ごくシンプルな、施政者の原点のようなものがある気がして、面白かった。

   

Robin Hood - Season 1 - Opening (You Tube)

  

  

 

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発売日:2009-05-08

 

  

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イギリスドラマ『バカニアーズ』2

2008-09-01 | 映画・ドラマ 

 

BBCドラマ『バカニアーズ』�  LaLaTV

  1870年代「イギリスの上流社会をめざしたアメリカ娘たちの光と影

 

#3 #4 

 

バァージニアのアメリカの実家から、株で破産したとの知らせがくる。侯爵家は嫁であるバァージニアの実家の経済的な後ろ盾を失い、農作物の価格低落もあり収入は減少し、日々の生活はますます厳しさを増している。しかし、夫シアダウンは愛人イディナとの関係を続け、バァージニアは宝石を質屋に入れている。

資本家ヘクターは大邸宅を購入。リジィはヘクターと結婚する。

アナベルは妊娠するが、その頃、領地の使用人の子供がチフスになり、彼らに援助の手を差し伸べようとするアナベルに対して、公爵ジュリアスはそんなことは代理人にやらせればよいと一蹴する。領主として使用人を気にも留めないジュリアスの冷酷さと無責任に失望し、怒り、アナベルは夜、屋敷を抜け出す。以後、夫婦仲は修復不可能になってしまう。

  

その頃、ガイ・スウォートが成功して帰国。アナベルは、ロンドンのリジィの屋敷に身を寄せ、議員になったガイと会うようになる。ロンドンでのガイとアナベルの噂が公爵家にも届くようになる。ジュリアスと会って話をしたアナベルは、公爵夫人としての立場と、自分だけではなくガイの将来に影響が及ぶことを察し、屋敷に戻る決意をする。

アナベルという女性は元々前向きに生きることを望み、「投げやり」になることを一番嫌う女性で、夫とうまくいかないにしても、公爵夫人としての役割を全うすることが自分の責任だと考え、ガイに別れを告げる。

しかし、屋敷に帰ったアナベルは、ある夜、夫ジュリアスが同性愛者であることを目撃し衝撃を受ける。画家が公爵と公爵夫人の「肖像画」を描く日、夫に絶望したアナベルは耐えきれずに、着飾った衣装を脱ぎ棄て飛び出してしまう。

  

園遊会の日、家庭教師ローラは、間違った結婚を苦悩するアナベルに、ガイがここに来ることを告げ、ガイにはアナベルが来ていることを知らせる。二人は再会。

公爵夫人と議員が園遊会の最中に、人目もはばからず手を取り合って駆け抜け、馬車で走り去ったのだから、これはとんでもないスキャンダルになる。翌日の議会でガイは好奇の目にさらされながら、世襲の貴族院たる「上院の廃止法案を提出する」と演説する。議会は紛糾、ガイの不倫を揶揄するヤジが飛ぶ

 

この国の構造はミツバチの巣のよう。女王バチは臣下にかしずかれています。その下には働かぬ雄バチ、その下に働きバチ 雄バチは怠惰で寄生的な生活を送り、他者に働かせ食べている。虫の中で最高と思っているのでしょう。しかし、彼らの夢も終わるときが来たのです。働きバチは搾取される重荷に突然耐えきれなくなり 雄バチを巣から追い出すのですから。」 

 -犬を伴に美しい緑の領地を散歩している老侯爵は、わが領地の土を握りながら、倒れ落ち死去。

侯爵の葬列に花を持って現われたアナベルに誰も声をかけない。姉バァージニアも友人リジィでさえも。アナベルに駆け寄ったのは唯一コンシータだけ。 アナベルの家庭教師ローラはガイの父親ヘルムスリー・スウォートと交際中だったが、将来を嘱望されている息子ガイと公爵夫人の駆け落ちを助けたことで、彼はローラを責める。また、公爵家の存続に人生を捧げてきたジュリアスの母も激怒し、嘆く。「私のしてきたことは何だったの、自分の義務を逃れることなどとても無理だった」と。しかし、侯爵の死と同時に、時代は確かに後戻りできない大きな変化の時を迎えていた。

  

ガイは、父親に告げる。議員を辞め、妊娠したアナベルと二人で南アフリカで技師として出直すつもりだと。ガイは、激怒し財産を相続させないという父親を説得し、アナベルと二人で南アフリカに旅立つ。

    

良いドラマでした。一言で言ってしまうと、下院議員のガイと公爵夫人のアナベルが愛をつらぬく話になってしまうのですが、このドラマの見どころは、この時代、イギリスの古い価値観が崩れ、新しい価値観が芽生えてゆく背景ー時代の大きな変化にあります。後半、最後部分で、下院議員であるガイの演説ー「(貴族院である)上院の廃止を訴える演説」は、貴族階級という階級制度がどうにもならないところまできていた時代の現実そのものであり、また、公爵夫人として自分の役割を全うしたいと願いながらも、全うできなかった一女性アナベルの苦悩でもあります。

 

アナベルの家庭教師ローラの言葉ー

「ナン(アナベル)とガイが逃げ出したとき、叫びそうになったの、うらやましかったのか怖かったのか、でもまるで、二人が宇宙に飛び出したように見えたの」

 

 

イギリスドラマ『バカニアーズ』� (#1・#2)

  

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イギリスドラマ『バカニアーズ』1

2008-08-25 | 映画・ドラマ 

 

 

 

イギリスBBCドラマ『バカニアーズ』   LaLaTV 

1870年代「イギリスの上流社会をめざしたアメリカ娘たちの光と影

 

バカニアーズバカニアーズ
価格:¥ 10,290(税込)
発売日:2001-06-25

 

  

 

#1・#2

 「・・の光と影」であります。バカニアーズは「海賊」という意味。1870年代のアメリカは南北戦争の後で、株や商売で成功し財を成した家があり、一方イギリスの貴族は家柄はあるが経済的に困窮という家もあったらしい。双方の利害が一致、アメリカ娘たち、(コンシータ、ヴァージニア、アナベル、リジィ)がイギリス上流階級をめざすというお話。

 この時代のアメリカを見るイギリスの視線と、イギリスを見るアメリカの視線がわかって面白い。時代の変化の中で、新興国アメリカの発展を意識しながら、イギリス貴族が没落していく有り様が背景にあり、それでも、隣国フランス貴族に比べれば(この頃フランスは王政に終止符、第三共和政)、イギリスの貴族は経済的な没落の中で四苦八苦しながらもその地位はまだ保たれている。

イギリスドラマの田舎の風景の美しさと比べるとアメリカの風景が物足りなく思えて、「このドラマ、どうなのか~」と思ったのだけれど、風景はともかく内容は#1後半からおもしろくなってきました。

 まず、南米の農園経営者の娘コンシータが侯爵家の次男、放蕩息子リチャードと結婚してイギリスへ。でも、この放蕩息子は本当にろくでなし。コンシータを訪ねてイギリスに渡ったアメリカ娘たち(ヴァージニア、アナベル姉妹とリジィ)は、コンシータの義兄にあたるシアダウンの愛人イディナの家を借りて滞在することに。そして、ヴァージニアはめでたく?侯爵シアダウンと結婚する。シアダウンは結婚式の当日に、ヴァージニアを、広い屋敷の手を入れる余裕がない(要はお金がない)埃にまみれた部屋に案内し、この家にないものは「マネー」だと話す。ヴァージニアは、この結婚が愛によるものではなく財産目当てのもので、ヴァージニアの実家の財力と貴族の称号を引き換えるものだと理解しショックを受ける。その上、シアダウンには、長年の愛人イディナの存在があり、ヴァージニアは長く二人の関係に苦しむことになる。

 もともと時計オタクで少々変わったところのある公爵ジュリアスは、領地の古い城跡で偶然出会ったアナベルの無邪気さ無欲さに魅せられてしまう。アナベルは没落貴族のガイに惹かれていたものの、彼が翌日南米に発つ予定で二年は戻らないという話を聞き、ジュリアスのプロポーズを受け入れ、結婚。結婚はしたものの、まだ幼く貴族の生活に慣れない新妻に対して、ジュリアスは彼女を守り労わろうとする配慮が全くない。慣れない生活と孤独の中に取り残され、アナベルは、家庭教師に手紙を書く。「夫は親友の代わりになれる?」  

   

「夫は親友の代わりになれる?」 ーう~んと、しばし考える・・なれる人もいるでしょうね。多くはいないと思うけれども

 

イギリスドラマ『バカニアーズ』� (#3・#4) 

 

 

 

 

 

 

 

 

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高慢と偏見〈ドラマ〉

2008-07-15 | 映画・ドラマ 

  

よいドラマでした。ベネット家は五人姉妹。主人公の次女リジー(エリザベス)は本当に素敵な女性で、聡明で活発。散歩の途中、足首まであるドレスで時々全力疾走していたのが印象的。美人で優しい長姉のジェインも素敵な人だけど、ダーシーは、リジーに圧倒的に惹かれてしまう。けれど不器用なため高慢に見えてしまう彼は、初対面の印象があまりに悪く、リジーは彼に対して始めから大きな偏見を持ってしまう。彼はプロポーズしたものの、リジーの完璧な拒否にあってしまい、それでもダーシーは、愛する相手の窮地を救うため奔走するのですが。

イギリスの自然や風景がとても美しく、イギリス人が田舎の風景や庭園をどれくらい愛しているかがよく伝わってくる。日本の庭は「箱庭」だけれども、イギリスの庭園と自然にはあまり境界がない。庭を出れば、自然というもっと雄大な庭が広がっている。

高慢と偏見 高慢と偏見
価格:¥ 10,290(税込)
発売日:2002-04-05
 原作 ジェイン・オースティン 

  

(余談ですが、このドラマで馬車をみていてふと疑問。日本では、江戸時代(明治以前)武士は馬に乗っていたけれど、「馬車」というものをまったく見ない。馬車はなかったのだろうか、それとも作ってはいけなかったのだろうか。それとも、馬車が通るにはある程度の道幅のある道が必要だけれど、そういう道を作る作らないという、道路の問題だったのだろうか。)

  

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嵐が丘

2008-06-25 | 映画・ドラマ 

  

配信で見た『嵐が丘』、これは比較的新しい映画(1992年)で、音楽は坂本龍一さんです。

嵐が丘 嵐が丘
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2005-10-21

 

出演:ジュリエット・ビノシュ / レイフ・ファインズ
 

キャシー・キャサリン二役のジュリエット・ビノシュ、ヒースクリフ役レイフ・ファインズ、配役のイメージは二人ともこれ以上ないくらいぴったり。嵐が丘屋敷や風が吹きすさぶ荒野を映像で再現してもらって私には感動ものでした。音楽も背景に完全に溶け込んでいて素晴らしかったです。

小説では語り部の役割も担っている、召使でもあり彼らの「友人」でもありこの物語の一部始終を見届けるネリーは、この物語の見えない中心なのかもしれません。彼女を見るとホッとし、キャシーやヒースクリフや嵐が丘の全ては現実には強烈に「過ぎ去ってゆくもの」であり、しかしそれにもかかわらず、荒れ果てた「地」に時を越えて残っていくのだろうと、感じさせてくれるのが「ネリー」の存在でした。

物語の背景の自然「荒野」は、このお話のとても重要な要素です。昔読んだ原作の中のまだ見たことのない「荒野」のイメージが、私がこの小説を忘れなかった大きな理由だったので、映画を見ても、個人的には、不穏な雲が流れる荒野を二人が馬で駆けるシーンやら、岩だらけの荒野に伸びた木や、木の黒い枝や、風が吹きすさぶ嵐が丘屋敷や、ついそんなものの方に目がいってしまうのでした。

ヒースクリフのキャシーへの強烈な愛はよく描かれていたと思いました。彼はキャシーが死んだ後、彼女が亡霊になってでも自分に会いに来ることを望み、待ち続け、たぶん20年後に現れたキャシーの亡霊とともに逝ってしまったのでした。 

嵐ヶ丘(サントラ)
価格:¥ 3,059(税込)
発売日:1992-09-30

 

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『レ・ミゼラブル』と

2008-05-26 | 映画・ドラマ 

  

最近見た映画の中で、やっぱり一番面白かった映画はこれです。はじめて小説を読んだのは高校生くらいの時でした。それから、以前に長編のTVドラマ版『レ・ミゼラブル』を見たことがあったのですが、今回見たのは約二時間の映画版です。フランスの19世紀初頭のお話です。

  

あらすじ 
 少年時代にパンを盗んだことから刑務所に入り、20年もの重労働に苦しんだ末に脱獄したジャン・バルジャンは、素性を隠して市長の座につく。彼の過去を怪しむ警部ジャベールとの確執や、ジャンの工場を解雇されたファンテーヌの悲劇、ファンテーヌの娘コゼットと、共和制再興を指揮する青年マリウスの恋など、19世紀初めの激動のフランスを背景に、壮大な人間ドラマが展開していく。
   (斉藤博昭)

レ・ミゼラブル

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発売日:2003-11-21

 

ジャベール警部という、「法」にがちがちに縛られた人が一番印象的でした。この人は、少年時代に飢えてパンを盗んだジャン・バルジャンを一生涯かけて追いかけ、その宿敵に命を助けられたことを受け止められず、「法」に殉じて?自殺してしまいました。

ジャン・バルジャンについて話すべきですが、・・西欧はこんな時代を通り抜けてきたんだと思いました。こういう名作は多くの若い人に見てほしいものです。

 

        ● 

  

それから、「帰ってきた★ヤンバン」さんのエントリがたいへん面白かったので紹介しておきたいと思います。

  

終わりなき連鎖

  

コメントの続きみたい、ですが、

前半の「売国法案」の数々については、 日本側の社会構造の問題の必然、としてだけは片付けられないのではと思うのです。「付け込まれる」というか、要らぬものまで「引きこんでしまう」という・・。ブラックホールみたいですね。隣国は日本を飲み込む気はなくても、問題を移譲するくらいはできそうな気がします。

政治や外交というものは、基本的に合目的的に動く」 もし大筋で合目的に動いたのだとして、これらが付随的なものであったとしても、ブラックホールが新たなブラックホールを生むことにならないとも限りませんし。

これらの現況をなんとか解決していかねばならない政治家(と国民)は大変・・です。

    

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風と共に去りぬ

2008-04-29 | 映画・ドラマ 

   

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映画「風と共に去りぬ」を見た。スカーレット、ビビアン・リー。昔、(高校生頃?)この小説を読んだ記憶があり、その頃はスカーレットをそれほど好きでなかった気がするのですが、その頃彼女は超わがままなだけのお嬢さんに見えて、優しいメラニーの方に好感が持てたのです。今頃になって、先日この「風と共に去りぬ」の映画を観たのですが、年のせいか人生に疲れてきた?せいか、・・このスカーレットの魅力的なこと! スカーレット・オハラは美人なだけじゃない。

 

風と共に去りぬ 風と共に去りぬ
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発売日:1998-12-18

   

南北戦争前後のアメリカ南部。ビビアン・リー演じるスカーレットという令嬢の、いい意味での我の強さにまず圧倒されてしまいました。彼女は自分が愛しているアシュレーが従姉妹メラニーと結婚しても、それでも彼は本当は自分を愛しているのだと、無邪気に思いこんでいる。しっかり勘違いしている。アシュレーは(スカーレットの強さや美貌に魅力に感じてはいるが)真剣にメラニーを愛しているのに。

南北戦争がはじまり、南部の敗戦が濃厚になった頃、アトランタは町中に負傷者が溢れ、戦火がすぐそこまで迫っていた。スカーレットは、身重で移動できないメラニーのために、「アシュレーと約束したから」とアトランタに残る。とことん切羽詰まった状態で、医者なしでメラニーの出産を成し遂げ、レット・バトラーの助けを借りて、瀕死のメラニーと赤ん坊を馬車にのせ、陥落するアトランタから脱出。途中でレットが「南部のために闘う」と言い出して、スカーレットたちを置き去りにした後も、彼女は雨の中、疲れた馬を引き、メラニーと赤ん坊を守り通して故郷タラにたどり着く。故郷タラにたどり着くまでのスカーレットには本当に感動!

たどり着いたタラで荒れ果てた我が家。母はチフスで死亡、父は苦労で心を病み、食べ物もなく皆が疲れ果てて絶望の中にいる時、彼女はタラの土を握りしめて「・私は決して負けない。二度と飢えさせません、身内の誰一人も。・」と誓う。

生きていれば誰でも、病気だったり怪我をしたり精神的に疲れていたり、いろいろな状態のときがあるものですが、スカーレットを見ていると、ただ生きているだけの消極的な状態がほとんどなかったように思う。平穏時はアシュレーの愛を貪欲に求めていたし、戦争の時もどんな時も彼女は強烈に「生きる」意思をもっていた。生き抜くことが彼女の「生きる」ことだった

スカーレットが多くの人を魅了するのは、彼女にはごくあたりまえのようにどんな苦難にも負けない意思が備わっていること。彼女は我が強く、欲も深かったりするのだけれど、彼女の強い意志は、欲のためにやっていることでも結果的に周りの人を助け周りの人々を未来に導く。そういうスカーレットを一番理解していたのはメラニーだろうと思う。彼女は「生きる」ことに伴う喜びや悲しみや困難さ、ときには残酷さなど、どんな要素も否定しないで立ち向かう「生き抜く」人である。

  公式Webサイト 風と共に去りぬ

 

 

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映画「ホリデイ」

2008-03-02 | 映画・ドラマ 

スカパーがお試し視聴期間とやらで、たまたま見た映画「ホリデイ」。面白かった。

ホリデイ

ホリデイ
価格:¥ 3,800(税込)
発売日:2007-08-09

LAで、会社経営をしているアマンダ(キャメロン・ディアス)とロンドン近郊のど田舎に住むサラリーウーマンのアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、共に失恋。ネットで、気分転換に、休暇をお互いの家を交換して過ごしてみようという話がまとまる。アマンダのLAの家はものすごい豪邸。ロンドン近郊のアイリスの家は、絵葉書にあるような小さな田舎風の家。窓から牧場の羊が見えて、雪がチラホラ、すごく寒そう。寒そうなところ以外は、けっこう好みの家だったのだけれど。この寒そうな羊の見える家で失意のどん底のアイリス。どこかで見た女優さんだと思ったら「タイタニック」のケイト・ウィンスレットだった。キャメロン・デアスはいつもどおり面白いし、この二人、それぞれ一人の場面の演技がめちゃめちゃ上手くて、おかしくて。大笑いしました。ほのぼのとした温かい気もちになるラブ・コメディで、いい映画でした。

  

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