王 紅花「夏暦」56号 令和4/10/20発行
「池のほとり」30首より、紹介します。
冬はスケート場となる池霧閉ざす水辺に十脚の椅子
赤きドレスに赤きターバン巻く女赤はさびしき色にあらずや
きみの双眼鏡持ち歩きゐしが壊れ遺品を一つ捨てよとごとく
わたくしは間違つてないわよねえ修さん、歌に一生(ひとよ)を過ごしたること
2首目:下句が印象に残る。気づきのうたと思う。
3首目:この下句のような表現を見たことがない。
4首目:<修さん>とは故松平修文。亡き夫に呼びかける絶唱である。