帆34号
発行人:佐藤よしみ
「辻」30首と連載「琉歌(うた)の見える場所」(23)掲載。
力ずくで抉じ開けたれば手のうちに蓋の形に痛みが残る
まぁあなた生きていたのと声をかけ見知らぬ人は角曲がりゆく
買い物を夫に頼むこまごまと野菜の選び方など記し
留守電より伝わる父の憤りこころやさしき日ばかりでない
六月のぬかるむ心引きずりていつもの辻で行処をさがす
5首紹介しました。どのうたを紹介してもサマになる。
実力者の短歌とはそういうものだ。
6/20(火)曇
京都の南禅寺が「境内にてシャッターを押してお金を要求する事案が発生」
と報告した。「撮ってあげる」と女性客に声をかけ、女性のスマホで写真を撮り、
その後、自分のカメラでも撮影し、500円~1000円を要求したという。
こんなクズがいるんだね。
先日の食事会の後、短歌教室の生徒さんが集合写真を撮りたいと言い出して
お店の外で集合写真を撮ろうとしていると妙齢の感じのいい女性が
撮りましょうか?と声をかけてくれた。カメラを構えていた生徒さん(今年90歳)が
カメラを渡してシャッターを切ってもらった。良い人がいるもんだなぁって思った。
カメラ好きとしては必死で自撮りしようとしているカップルなど見ていると
「撮りましょうか?」って声をかけてやりたいところだが
こんな事案が発生すると妙な疑いをかけられそうでイヤだね。
上記に紹介した佐藤よしみの1首目。
力ずくで抉じ開けたれば手のうちに蓋の形に痛みが残る
共感した。
先日の短歌教室の折り、生徒さんのおひとりが手作りジャムをくれた。
独り者の私をいつも気遣って下さる。
帰宅して、パンを焼いてジャムの蓋を開けようとすると開かない!
私はすでにジャムの口になっているし。
いくらねじってもびくともせん!パンは冷めるし。
あの婆さんのバカ力が!と失礼なことを呟きつつタオルを使って
やっとのことでパカッと緩む。ホッとする。
手のひらがじんじんしたよー。
おしまい。