電話の主はもちろん母だった。
日々の不安を報告する話が30分以上続き、立ち止まって聞いていたため山ほど蚊に噛まれた。
気を取り直していよいよ門の中に入る。
門の先は夕方の町で田んぼが広がっていた。
稲の匂いが広がってとてもなつかしい気持ちになる。
違う星に来たのかも知れない。
その後、「行けるとこまで自転車で帰ろう。」とペダルを漕ぎ出してから、
「サイクリングの秋にしたんだから家まで自転車で帰ろう!」
と思いつき急にたのしくなった。
夕暮れ時の知らない町を走っていると不安で胸がキューっとなった。
子供の頃迷子になった時みたいな気分。
なんかここ見たことあるぞ。
無事守口についていつもの滝井のライフで買い物して太子橋今市で自転車を返した。
お墓参りと冒険の一日。