ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

映画「点の記・剣岳」

2010-04-01 12:54:59 | 映画
 映画館で見逃したためにDVDをレンタルして鑑賞した。明治の39年頃の陸軍測量部による、地図作成のための剣岳登山に挑む人たちの物語である。当時の恵まれない装備で登頂挑戦は無謀と言はれた時代でもあった。

 かって誰にも征服されてこなかった3000メートルに近い高山に挑む、3人の測量技師たちと山案内人の苦闘の有様が延々と続く2時間20分は少々長過ぎたと思う。監督はかって映画「八甲田山」を撮影した際のカメラマンだった経歴を持つ方だけに、あの雄大な冬の八甲田山を描いた映画を彷彿とさせるものでした。

 主役のひとり山案内人長次郎役の香川照之は、朴訥だが思慮深く、強力を頼む村人にも信頼されている役柄がぴったりはまっている感じがしました。そしてもうひとりの主役浅野忠信が地味で静かだが活き活きとした演技を見せていると思う。

 対比して剣岳の初登頂に挑戦する、当時としては最先端の装備を揃える山岳会の面々も登場するが、いささか違和感の方が先にたつ描き方が残念である。

 そして苦闘の末に剣岳の山頂を前に初登頂を譲ろうとする長次郎に、貴方の案内がなければこの登頂は叶わなかったと諭し先に行かせる場面が感動的である。しかしその最後の登頂の場面が、いきなり山頂に全員が並ぶ場面に飛んでしまったのには拍子抜けしてしまった。 

 それにしても明治の時代の先人たちの偉大な足跡のひとつを、新田次郎氏の原作で映画化した試みは評価したいと思いました。映画の出来は  クラスだと思う。

映画のHPからの写真を借用。

    
コメント (8)
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