雲 の 峰
綿飴みたいな入道雲が
ぐんぐん高くへふくらんでゆく
迷わずに ぼくも夢へと手をのばそう
かがめた体を大きく伸ばす要領で
道行 めぐ 詩
梅雨明けの夏空に湧き立つ入道雲は、変貌自在に高さを競います。まるで山の峰のように見えるので、「雲の峰」とも表現されます。
入道雲を最初に峰にたとえたのは、古代中国の詩人、陶淵明(とうえんめい)で、「夏雲奇峰多し」とうたいました。入道雲(せきらんうん)は、いかにも勇壮で、男性的に見えるため、日本では太郎の名を冠して呼ぶことが多く、関東では坂東太郎、大阪では丹波太郎、九州では比古太郎と呼ばれています。
雲を山の峰にたとえるのは、眺めて感興尽きない、大いなる自然への畏敬(いけい)と賛美が込められているからでしょうね。
今日も暑そうです。夏の友達、入道雲は出るのでしょうか。