先日片付けていた納屋の古い机の中に、妹の高校か大学の時の手紙など
入っていた。それは一昨日妹は来た時に渡した。2階の私が使っていた机には、
引き出しの奥のほうにこの母の日記が有った。驚いてしまった。
使っていた時は気づかなかったのだから。
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小さな字でびっしり書いている。例えば、兄の出征、昭和15年1月9日
◎帰らざる 決意は眉宇に 有りながら 笑みて行きけむ 常の如くに
他10首。でも、読めない字が多くて・・・・・。(母15歳)
これは戦地からの手紙に喜んでいる時のこと。
◎沖縄に 桜咲けりと 逞しき 兄の便りに 押し花のあり
昭和18年 5月 戦死の報を受けて。
◎大君に 捧ぐる生命 栄ありと 遺してゆきし 文の尊さ
◎永久に 護国の神と まつらるる 兄ぞ家門の 誉れなりけり
歌では綺麗事で書いているが、本心はそれは辛かった様子で母と一緒に
泣いたら駄目と言いながら、夜など泣きくれていたと書いている。
この兄の死で、5人兄弟姉妹が、とうとう一人っ子になってしまったのだから。
母は文学少女で、漢字などそれは詳しかった。国語が大好きだった私は、
母に似ていると思っていたが、この日記を見ると、母の足元にも
及ばなかったと感じる。そんな尊敬できる母を持って幸せだ。改めて有難う!