前回ご紹介した中国江蘇省における疫学調査では、ニンニク以外に、生野菜にも胃がん・食道がんを予防する効果が認められたそうです。
数字をご紹介しますと、生野菜を毎日食べる人の割合は、胃がん・食道がんの罹患率が高い地域では12%だったのに対して、罹患率が低い地域では79%だったそうで、生野菜を毎日摂取することの重要性がうかがえます。
ところで、ニンニクは古来からその薬効が知られていて、現代でも医薬品や健康食品の原料として使われているので、がんに効くといわれても不思議な感じはしないのですが、生野菜ががんを予防するのはなぜでしょうか?
『万病の引き金 活性酸素に負けない法 スカベンジャー料理が毒を消す』(増尾清:著、農山漁村文化協会:1998年刊)という本によると、体内で発生する過剰な活性酸素が、がんを始めとする現代病の大きな原因だそうです。
一方、野菜には、この過剰な活性酸素を解毒する抗酸化物質が多く含まれているのですが、熱に弱い成分(例えばビタミンC)も多く、生で食べた方がより多くの抗酸化物質を摂取できるというのがその理由のようです。
「デザイナーフーズ計画」で第2位にランクされたキャベツも、抗酸化力が高いことで知られているそうですが、生で食べる機会が多い野菜ですから、それでがんを予防する効果が顕著なのかもしれませんね。