以前、農薬の生涯発がんリスクは、0.00041(1万人中4.1人)と推定されていることをお伝えしましたが、コカ・コーラの生涯発がんリスクはこれよりも低い値のようです。
今年の6月のニュースによると、コーラを着色するのに使われるカラメル色素には、「4-メチルイミダゾール」という発がん物質が含まれているそうです。
そして、カリフォルニア州の推定によると、「4-メチルイミダゾール」を一日当たり30マイクログラム摂取した場合の生涯発がんリスクは、0.00001(10万人中1人)だそうです。
さらに、アメリカの公益科学センター(Centre for Science in the Public Interest:CSPI)の調査によると、コカ・コーラに含まれる「4-メチルイミダゾール」は国によって異なっていて、最も多かったブラジルの場合、355ミリリットル缶に267マイクログラム含まれていたそうです。ちなみに、日本は72マイクログラム、規制の厳しいカリフォルニア州は4マイクログラムだったそうです。
もし、「4-メチルイミダゾール」を最も多く含むブラジルのコカ・コーラを毎日3缶飲み続けたとすると、生涯発がんリスクは、
0.00001×267×3/30=0.000267(1万人中2.67人)
となります。これは農薬の生涯発がんリスク(1万人中4.1人)よりも低い値です。したがって、農薬の害を心配しない人にとっては、コカ・コーラの害は気にならないレベルだと言えます。
ただし、大気汚染の環境基準(生涯発がんリスクが10万人中1人以下)を守ろうとすると、日本で1日に飲めるコカ・コーラの量は147ミリリットルとなりますから、せいぜい3日に1缶しか飲めないことになります。ブラジルなら9日に1缶です。
また、コカ・コーラに発がん物質が入っていることを知って飲む分には、自己責任ですから問題ないと思いますが、何も知らない子どもにコカ・コーラを与えるのは大きな問題だと思います。同じ量の毒を飲んだ場合、子どもは大人よりも大きな害を被るのは間違いないのですから。