がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

ビタミンK

2016-09-22 08:04:18 | 健康・病気

今回は、ビタミンKが、がんの予防や治療に有効であるという情報をお伝えします。

まず、武田薬品工業株式会社・大阪工場研究所の『武田研究所 年報 第七号』(武田長兵衛商店研究部:1943年刊)という本に掲載された「ビタミンKに就て」(阿部泰夫:著)という論文によると、ビタミンKは1934年(昭和9年)に発見され、1940年には化学的な研究が完成し、閉塞性黄疽と初生児出血症の二大応用部門が確立したそうです。

次に、1955年6月に『學鐙』という雑誌に掲載された、九州大学名誉教授・後藤七郎氏の「ビタミンKについて」という記事には、ビタミンKは止血剤としてしか用いられていないが、実は人の寿命を左右する薬効があるということが書かれています。

具体的には、子宮筋腫、甲状腺腫、バセドウ氏病、腎炎、肝炎、肝硬変、ホジキン氏病、前立腺肥大、その他老人病全般に有効であり、ビタミンKの欠乏を防止することが、がん予防になると明記されています。

したがって、昭和30年までには、ビタミンKの万能薬的な効果や抗がん作用が明らかになっていたようです。

また、『癌(ガン) その自療と克服の秘訣』(南広行:著、妙義出版:1957年刊)という本によると、カルシウムには、がんの進行を抑制する作用があり、一方、ビタミンKには、血液中のカルシウムイオンを増加させる作用があるので、ビタミンKはがんに有効なのだそうです。

そして、ビタミンKの抗がん作用を証明する実例として、医師の桜井平造氏が、自身の再発直腸がんをビタミンKで治療し、同時に、手術不能のがん患者8名にもビタミンKによる治療を行ない、治癒3例、生命延長4例、無効1例の成績を得たことが書かれています。

さらに、『ガン治療に残された道』(藤田正直:著、日本文芸社:1967年刊)という本には、前述の桜井医師が、自身のがんを治した経緯が詳しく書かれています。

それによると、1948年(昭和23年)3月、66歳のときに、桜井医師は直腸がんを患い、手術を受けたのですが、2年5か月後にがんが再発したそうです。

その間、桜井医師は、前述の後藤名誉教授が1949年に発表した「ビタミンKによるバンチ氏病の治療」という論文を読み、これをホジキン氏病の患者に試して効果があることを確認していました。

また、ホジキン氏病は、一種の悪性腫瘍だとする説があったので、桜井医師は、手術不能のがん患者にもビタミンKを試して、腫瘍がほぼ消失したことを経験していたそうです。

そこで、再発した自分のがんを治療するため、桜井医師は、ビタミンKの静脈注射とレントゲン線の照射を始めたそうです。

その結果、腹部の3か所にあったがんは、2つが消滅し、残る1つも親指の先ほどの大きさまで縮小していたのですが、治療を焦ってレントゲン線を過剰に照射したため、十二指腸潰瘍を起こしてしまい、桜井医師は1955年に亡くなられたそうです。

桜井医師が、放射線治療を過信されたのは本当に残念なことです。また、もしビタミンKだけで治療していたらどうなっていたのか、とても気になりますね。

なお、桜井医師が用いた注射液の成分は、ビタミンK3:100mg、20%のブドウ糖液:20cc、ビタミンB1:10mg、ビタミンC:100mg、だったそうです。

ここで少し補足しますと、自然界に存在するビタミンKには、ビタミンK1とビタミンK2の2種類があり、ビタミンK3は人間が合成したものだそうです。そして、ビタミンK3には毒性があるため、現在はあまり使われていないようです。

最後に、ビタミンKに関する海外の情報をインターネットで検索したところ、2009年1月に書かれた「Protection Against Arterial Calcification, Bone Loss, Cancer, and Aging!」(動脈石灰化、骨量の減少、がん、および老化の予防!)という記事を見つけました。

それによると、様々な研究によって、ビタミンKには、動脈の石灰化や骨粗しょう症、老化を予防する効果があるだけでなく、以下のような抗がん作用があることが明らかになっているそうです。

1.ビタミンK2は、前立腺がんのリスクを軽減する。(ドイツでの大規模栄養調査)

2.ビタミンK2は、白血病細胞のアポトーシス(自発的な細胞死)を誘導する。(試験管内での研究)

3.ビタミンK2は、肝炎ウイルスによって肝硬変になった人に対して、肝臓がん発症率を低下させる。

4.ビタミンK2は、肝臓がんを治療した人に対して、がんの再発率を低下させる。

5.ビタミンKの働きを阻害する薬は、黒色腫の転移を大幅に促進する。(ビタミンKが黒色腫の転移を防ぐ)

また、ビタミンK3についても、膵臓がんや前立腺がんに対する有効性が研究されているそうです。

ビタミンKは、緑黄色野菜や海藻類、納豆などに多く含まれているそうですが、これらは、伝統的な日本の食事によく使われる食材です。がんが気になる方は、ビタミンKを意識して、現在の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

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