前回は悪性リンパ腫の死亡統計をグラフ化して、大変な問題が起こりつつあることを明らかにしたので、今回はその治療例についてご紹介します。
『夫のがんを消した最強の食事』(薩摩智恵子:著、かんき出版:2016年刊)という本によると、2007年の2月に、老舗の料亭「美々卯」(みみう)の社長である薩摩和男さんが、ステージⅢに限りなく近い悪性リンパ腫と診断されたそうです。
その結果、3月下旬から抗がん剤治療を開始する予定になっていたのですが、奥様の智恵子さん(著者)がマクロビオティックの実践者であったことと、ご本人が西洋医学の治療方法に疑問を感じたため、入院する直前に、自宅で食事療法だけで悪性リンパ腫を治療することを決断したそうです。
なお、このマクロビオティックは、基本的には本ブログの「無病健康法」(全7回)でご紹介した食養道と同じ考え方のようなので、よかったらこの記事を参考にしてください。
薩摩さんは、仕事のつきあいもあってほぼ毎日外食し、豪華な料理を食べていたそうですが、悪性リンパ腫と診断された翌週からマクロビオティックの食事(玄米菜食)に切り替え、外食や間食を一切やめたそうです。
また、本ブログの「恐怖心について」でご紹介したように、恐怖心を克服することががん治療に有効だと考えられますが、薩摩さんは禅寺で座禅や禅問答の修業をした経験があり、がんを宣告されても死を恐れるという気持ちはなかったそうです。
そして、本ブログの「冷えとがん」でご紹介したように、身体を温めることががん治療に有効だと考えられますが、薩摩さんは食事療法に加えて、足湯や腰湯、生姜湯、生姜シップなどで身体をしっかり温めたそうです。
さらに、本ブログの「抗がん作用をアップさせる玄米の炊き方」でご紹介したように、炒った玄米は高い抗がん作用があるのですが、薩摩さんは「蘇生玄スープ」という、オーブンで玄米を真っ黒になるまで炒ったものを長時間煮出したスープを毎日飲んだそうです。
こういった努力の甲斐があって、薩摩さんは食事療法を開始して1年4か月後の2008年6月には腫瘍マーカーが正常値になり、2009年の5月からはランニングを開始し、11月にはフルマラソンを完走するまで体力が回復して、見事に悪性リンパ腫を克服したそうです。
この本には、マクロビオティックの具体的な献立が載っているので、食事療法にご興味のある方にはお勧めの一冊ですが、他にも参考になる記事がたくさんあって、特に興味深かったのは、マクロビオティックを開始して8か月後に薩摩さんの水虫が治ってしまったことです。
実は、私の父も若い頃から水虫だったのですが、結局がんになってしまったので、もし免疫力に問題があることを水虫が教えてくれているとしたら、水虫の人はがんに注意が必要なのかもしれませんね。
また、薩摩さんが飲用した「蘇生玄スープ」は、がんには非常に有効だと思われますが、自宅で玄米を炒るのが面倒な場合は、「黒炒り玄米」という製品がオーサワジャパン株式会社から発売されているので、こちらを利用してみてはいかがでしょうか?
【黒炒り玄米】(画像はオーサワジャパン株式会社のホームページから拝借)
最後に、私からのアドバイスですが、がんを自分で治療する場合は、食事だけで治そうとせず、本ブログでご紹介した様々な対策をできるだけ多くやるようにすれば、結果が出るのも早いと思います。