がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

良書のご紹介

2015-03-29 07:17:04 | 健康・病気

今回は、私の友人たちがいい本だからと薦めてくれたので、それではと拝借して読んだ本を二冊ご紹介しましょう。

一冊目は、『喜びから人生を生きる!  臨死体験が教えてくれたこと』(アニータ・ムアジャーニ:著、奥野節子:訳、ナチュラルスピリット:2013年刊)です。

この本の著者のアニータ・ムアジャーニ氏は、がんで一度死亡しますが、その際に霊的な覚醒を体験し、自分が一人ぼっちではなく、世界のすべての存在とつながっていることを悟ります。そして、自分にはまだやるべきことがあると知って、再び肉体に戻って蘇生します。

ムアジャーニ氏はその後、がんが奇跡的に消滅するという不思議な治癒も経験し、無事に病院を退院します。そして、体力が回復してからは、こういった自らの不思議な体験を世界中の人々に伝えているそうです。

この本を読むと、人生に絶望することがいかに愚かでつまらないことか理解できるしょう。人間が霊性に目覚めると、人生の意味や人間の存在価値についての見方が180度変わるということを教えてくれる、貴重な一冊です。

二冊目は、『内なるドクター 自然治癒力を発動させる、奇跡の処方箋』(グラディス・テイラー・マクギャレイ&ジェス・スターン:著、フォンテイン・上村知代:訳、太陽出版:2002年刊)です。

この本の著者らは、ホリスティック医学の開祖的存在だそうで、エドガー・ケーシーの医療関係のリーディング(本人が睡眠状態で語った、質問者に対する回答)を実際の医療現場で活用し、他の医者から見放された難病の患者を数多く救ったそうです。

彼らには、病気を治すのは医者ではなく、患者の生命力であるという強い信念があり、どうやったら患者の中に眠っている「内なるドクター」を目覚めさせることができるかという視点で治療を進めていく点がとてもユニークです。

この本も、人間の霊性に気づかせてくれる貴重な一冊で、現在病気で悩んでおられる方にはとても参考になると思います。また、将来医療関係の仕事に従事しようと思っておられる方にはぜひ読んでいただきたい必読の書だと思います。

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舌がんの克服

2015-03-22 07:46:23 | 健康・病気

先日、舌がんを克服された女性にお話を伺う機会があったので、今回はその人が選択した治療法をご紹介しましょう。

彼女は、まだ子育て中の共働きの主婦だったそうですが、舌がんを告知され、がんに関する情報を集めた結果、手術は受けてはいけないという結論に達し、手術以外の選択肢を探したそうです。

結局、彼女が選んだのは、抗がん剤を併用する陽子線治療で、これによって、あまり髪の毛が抜けることもなく、無事に舌がんが消滅したそうです。

調べてみると、この治療法は「南東北がん陽子線治療センター」という施設で受けられるようです。

ここでは、動注化学療法といって、抗がん剤を動脈から入れると同時に静脈から中和剤を流すことによって抗がん剤の副作用を軽減する方式を採用していて、頭頸部(脳より下、鎖骨より上の部分)のがん治療に効果を上げているそうです。

なお、陽子線治療については、以前「がんの先端医療」でご紹介しましたが、陽子線治療で食道がんを治療し、『生きる力 心でがんに克つ』という本を出版されたなかにし礼さんは、つい最近がんが再発したことを発表しました。

たとえどんなに高度な医療を施されても、西洋医学はがんの原因を治療しないので、がん患者には、常にがんが再発する不安がつきまといます。

その点、今回お話を伺った女性はとても勉強熱心で、「糖質制限」のこともご存じで、食事に気を使っておられたので、おそらく日々体質改善に取り組んでおられることと思い、安心しました。

また、彼女は、子どもたちを立派な納税者にするまでは死ぬわけにはいかないという強い気持ちがあったそうで、こういった生き甲斐があることも、がんの治癒を促進する大きな要因だと思われます。

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皮膚のゆくすえ

2015-03-15 05:23:53 | 健康・病気

マーク・ラッペ氏が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介しています。今回は第14回目です。

◆皮膚のゆくすえ

ヤケドで皮膚の40%以上を損傷すれば、これまでは致命的でしたが、現在では他人から提供された皮膚組織やブタの皮膚組織などを移植することによって、患者は生きのびることができます。

また、人工的に皮膚組織をつくりだす技術も開発されていて、ヤケドの治療だけでなく、美容整形手術や化粧品の安全性試験に用いられています。

美容の分野では、皮膚の着色した部分に高エネルギーの光を吸収させて破壊するレーザー療法によって、着色したアザ(母斑)やタトゥー(入れ墨)を劇的に除去することができるようになりました。

しかし、皮膚病変は体内ふかくの病気をしばしば反映しているので、美容的な処置を考える前に、皮膚病変が体内の異常を示していないか注意することが大切だそうです。

将来、乾癬などの皮膚病は、酵母やその他の微生物にたいして皮膚の免疫力を強化する特効性ワクチンによって治療できるようになるそうで、医学は進歩しているのですが、過去の間違った治療法がいまだに続いている場合もあります。

病気の治療に抗生物質やステロイドホルモン、放射線などを用いる場合はまだありますが、皮膚の感染症を治療するために抗生物質を使用することはさけるべきだし、ステロイドホルモンや放射線などを用いて皮膚症状だけをなくそうとしてはいけないとマーク・ラッペ氏は警告しています。

皮膚の見当違いの治療法には長い歴史があり、子どもの頭部白癬(シラクモ)の治療にX線を照射するようなこともおこなわれたそうです。その結果、白癬が「なおった」子どもに甲状腺ガンと脳腫瘍が生じたそうで、このことは忘れてはならないと思います。

今後、皮膚の病気としてもっとも注意すべきものは皮膚ガンでしょう。

オーストラリアでは、ものすごい勢いで皮膚ガンによる死亡者数が増えているそうで、国をあげて皮膚ガン予防キャンペーンをやっているそうです。

なお、皮膚ガン対策として早期発見を主張する人がいますが、皮膚ガンは予防できるので、マーク・ラッペ氏はこのような主張は間違っていると考えています。

彼は、将来は遺伝子工学による人工メラニンの開発や、皮膚のDNA修復を促進する医薬品や抗酸化剤の開発によって、紫外線から皮膚を守ることが重要になると予想しています。

彼の見解によると、人間の環境破壊が原因でしだいに外界は敵意を増してきていて、われわれへの攻撃を強めているそうです。そして、このような攻撃の矢面に立っているのは皮膚であり、われわれが環境破壊をやめなければ、代わりにわれわれの皮膚が破壊されていくと警告しています。

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皮膚は身体的な健康だけでなく精神的な健康も支えているので、マーク・ラッペ氏はこの本の最後で、「皮膚が病んでいれば、精神も病んでいる。」と断言しています。日頃、われわれは顔以外の皮膚を軽視しがちですが、もう少し愛情をもって自分の皮膚を見守ってやる必要がありそうですね。

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皮膚と自己意識

2015-03-08 07:19:41 | 健康・病気

マーク・ラッペ氏が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊 )という本をご紹介しています。今回は第13回目です。

◆皮膚と自己意識

皮膚は、身体の縁であり、自己の境界ですが、人間はこの境界部分の感覚が他の動物に比べて退化しているそうです。

ごく稀に、皮膚感覚の非常に鋭敏な人がいるそうで、ヘレン・ケラーはその一人です。また、小説や映画に登場するような金庫破りの名人というのは実在するそうで、ダイヤルを回す際の微妙な違いを指先で感じとるといわれています。

人間の皮膚感覚が退化しているとはいっても、体と精神の健康に皮膚刺激が重要であることは明らかで、特に乳幼児期のスキンシップは大切です。また、大人でもマッサージを受けて心身ともにリフレッシュするように、皮膚刺激は治療法としても効果があります。

たとえば、失読症の子どもに、指で文字の形を感じることができるようにすると、読むことを学ぶことができるそうですし、また、自閉症の治療法のひとつに、全身の皮膚をなでて刺激する再パターニングという方法もあるそうです。

皮膚刺激が心身に影響を及ぼすのと同様に、心の病気が皮膚感覚に影響を与える場合もあります。

たとえば、薬物やアルコールの依存症からぬけでようとする患者は、皮膚のなかを虫たちが文字どおり動きまわるように感じるそうです。

また、自己イメージにかかわる精神医学的な障害では、皮膚に感覚能がまったくない場合が多いそうです。これは、おそらく「解離性知覚麻痺」の一種だと思われますが、何らかの危機的状況に際して、自己防衛のために「自我」が解離して、皮膚の感覚がなくなってしまうことがあるそうです。

逆に、皮膚感覚を積極的になくすことによって、精神的な変容をつくりだす技術もあります。

フローテーションタンク、またはアイソレーションタンクとよばれる、体温と同じ温度の高比重硫酸マグネシウム溶液を満たした水槽に裸で入ると、皮膚の感覚がなくなるそうです。自己の境界を失った精神は、あたらしい現実を「創造」するそうで、幻覚と心身分離の感覚が生じ、熟達すれば意識の変容状態が得られるそうです。

皮膚の感覚と自己意識とが深いところで結びついているため、皮膚が攻撃目標になることもあります。

自分の皮膚を傷つけてしまう自傷行為は、日本でも見られますが、アメリカでは若者のサブカルチャーとして流行しているそうです。

皮膚が自傷の標的となるのはけっして偶然ではないそうです。皮膚は、外界に向けて示される最もはっきりした自己イメージであり、皮膚の傷は心の奥底の苦悩を外に向かってあらわすしるしとなっているようです。

次回は最終回、皮膚のゆくすえについてのお話です。

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若々しい肌の美容法

2015-03-01 06:31:04 | 健康・病気

マーク・ラッペ氏が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介しています。今回は第12回目です。

◆若々しい肌の美容法

古代ローマの女性は、ハチミツ、ワインの沈殿物、スイセンの球根をまぜた練りものを顔に塗って若々しさを保とうとしたそうで、肌の美しさを追い求める気持ちはいつの時代も変わらないようです。

現代のアメリカ人は、可処分所得の6~10%を化粧品についやしているそうで、この支出の割合は、人びとが自分の外見にどれほど精神的な負担を感じているかを示しているとラッペ氏は考えます。

化粧品会社は、大きすぎる毛穴、不格好な鼻、テカテカした鼻、シミのある肌、薄くて色が悪い唇、ひどい脂性の肌、ひどい乾燥肌、蒼白な肌、浅黒い肌、などに注意を払うよう大量の宣伝を行なっていますが、ときには宣伝された化粧品を用いると逆効果になる場合もあるので注意が必要です。

たとえば、化粧品に含まれる油分によって、乾燥を防いでいる皮膚の油分がはぎとられ、ニキビが悪化したり肌の乾燥がめだったりすることもあるそうです。

石けんや皮膚収斂剤は、肌を保護している自然な油分を取り除いて乾燥を加速し、老化した肌の外観をもたらすので、たとえ「うるおい」を保証している製品でも使い過ぎには注意が必要です。

ケミカル・ピーリングは、若々しい肌の外観を一時的に与えますが、繰り返すうちにやがて肌は消耗し、すっかり乾燥してしまうそうで、これも要注意です。

若い人の皮膚には、自然なやわらかさとなめらかさがありますが、皮膚がこのような特徴を保つためには、最も外側にある角質層に十分な水分が供給されることが不可欠です。

皮膚に水分を「補給する」化粧品がさかんに宣伝されていますが、皮膚が保持している水分は外側からはわずかしか供給できないそうです。皮膚の水分のほとんどは血漿とよばれる血液中の水分から補給されるのであり、これらの水分は表皮のバリアの脂質層のすきまからしみでています。

水分保持の基本原則が理解できれば、若々しい肌を維持するのはむずかしいことではありません。

まず、強力な石けん、洗剤、溶剤などに過度に触れるのを避けることです。

また、肌を洗うときは、冷水をもちいて、石けんをほとんど使わないようにすれば、肌の質を改善できるそうです。

そして、皮膚の脂質が少なくなっている場合は、タオルで水分をふき取る前にスキンクリームをぬると皮膚の脂質を修復できるそうです。ラッペ氏は、肌を修復する作用がある程度科学的に確認されたものとして、アボカド油のクリームをあげています。

肌に若々しい外観をもたらす効果が最も高いのは、形成外科手術によって真皮にコラーゲンを注入する方法だそうです。ただしこの方法には危険もあって、体がこのようなコラーゲンを異物として認識すれば、免疫反応によって体中のコラーゲンが破壊される可能性があります。

もっとよいやり方は、自然なビタミン類(ビタミンE、ビタミンAなど)を用いることだそうで、たとえばレチンAというビタミンA関連物質を含んだクリームを肌にぬると、表皮をつくりだす基底細胞層を刺激でき、真皮のコラーゲンの再生も促され、肌が若々しくなるそうです。

ただし、レチンAをぬった肌が太陽光を浴びると、有益な作用がすべてなくなり、小さな炎症でも悪化するので、注意が必要だそうです。

ラッペ氏は、老化によって皮膚にシワがより、弾力がなくなるのは避けがたいという考えは神話に過ぎないと断言しています。彼の経験では、ほとんど太陽光を浴びずに生きてきた人の肌は、70歳をこえても非常に若々しいそうです。太陽光が肌の大敵であるのは間違いないので、海水浴や日焼けサロンはほどほどにした方がよさそうですね。

タバコも肌の大敵だそうで、カリフォルニア州の研究チームの調査によると、40歳以上になると、その人が吸うタバコの本数とシワの程度に相関関係があることが分かったそうです。

次回は、皮膚と自己意識についてのお話です。なお、本の順番では、次は紫外線の物語になりますが、これは本ブログの「紫外線の害」ですでにご紹介しているので、割愛させていただきます。

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