今回は、『ガン治療革命』（小林平大央：編著、河出書房新社：2020年刊）という本をご紹介します。
この本の著者の小林平大央氏は、日本先進医療臨床研究会の理事長だそうですが、私はそのような団体が存在することを、この本を読むまで知りませんでした。
また、日本先進医療臨床研究会では、安定化ヨウ素水やテラヘルツ波など、あまり知られていない方法を使ってがんを治療するそうですが、これらがどの程度効果を発揮するのか、正直よく分かりません。
ただし、この本は、「がん難民」の問題を正面から取り上げていることや、「標準治療」（手術、抗がん剤、放射線）を選択する場合でも、工夫することによって患者の負担を減らすことが可能であることが書かれているので、がん初心者の人には非常に参考になる本だと思い、ご紹介させていただきました。
なお、「がん難民」とは、標準治療を推奨する人たちが絶対に触れない闇の部分であり、標準治療が治療法ではないことによって発生する「真の治療法を求めてさまよう人たち」のことですが、この本には、ステージ３期以降の進行がんの患者の多くが「がん難民」化すると書かれています。
また、標準治療における工夫とは、例えば抗がん剤を投与する場合、正常細胞は夜間にはほとんど分裂しないので、夜間に抗がん剤を投与することによって、正常細胞に対する悪影響を減らすことができるのだそうです。（クロノテラピー）
この本には、他にも参考になることが多数書かれていて、例えば、アメリカのがん患者の罹患数、死亡者数がともに減少しているのに日本では増加し続けていることを指摘し、日本のがん治療が遅れていることを明確に指摘しています。
また、抗がん剤が有毒であることを明記し、ステージ３の増殖・転移するがん細胞には抗がん剤はほぼ無力で、逆にがん細胞の増殖を助ける可能性があることが詳しく説明されています。
したがって、この本を読んでおけば、がん治療を医者任せにするという愚行を回避することができるでしょうし、将来、無意味な治療によって苦痛を受けることも防止できると思われるのです。
