がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

アメリカの肺がん

2011-09-18 23:59:37 | 健康・病気

アメリカ国立がん研究所(NCI)の統計を見ると、肺がん死亡率(人口10万人あたりの年齢調整死亡率)は、黒人の場合、1991年からはっきりと減少に転じていますし、白人も1991年から増加傾向が止まり、1996年からは減少に転じています。

アメリカ人の肺がん死亡率(人種別)

この肺がん死亡率減少の原因については、喫煙率の低下が有力なようで、これは男女の死亡率の違いをみると明らかになります。

次の図は、アメリカがん協会(American Cancer Society)が発表した、アメリカ人男女の肺がん死亡率のグラフです。

アメリカ人の肺がん死亡率(男女別)

これを見ると、男性は1990年ごろから死亡率が減少し始めていますが、女性は増加傾向が続き、2003年時点でやっと横ばい状態です。

一方、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の発表によると、アメリカ人男性の喫煙率は、1950年代半ばに最も高く、約57%だったそうですが、その後次第に低下して1990年には約30%になり、現在では約23%だそうです。

また、アメリカ人女性の喫煙率は、1960年代から70年代にかけて最も高く、30%から35%の間だったそうですが、現在では約18%だそうです。

つまり、男性の喫煙率の方が女性より20年ほど早く低下し始めたため、男性の肺がん死亡率の方が先に低下し始めたと考えられるわけです。

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アメリカの前立腺がん

2011-09-11 23:55:28 | 健康・病気

アメリカ国立がん研究所(NCI)の統計を見ると、前立腺がん死亡率(人口10万人あたりの年齢調整死亡率)は、白人で1992年から、黒人も1994年から、それぞれ減少に転じています。

アメリカ人の前立腺がん死亡率

特に黒人は劇的に減少していますが、その理由はあまり明確ではないようです。

1994年には、血液検査(PSA検査)による前立腺がん発見法がほぼ確立しており、このせいかとも思ったのですが、少なくともアメリカでは、このPSA検査では死亡率が低下しないという研究結果が出ているそうです。

(ただし、スウェーデンでは、PSA検査の有効性を認める研究結果が報告されているそうです)

そうなると別な原因があることになりますが、以前ご紹介したように、アメリカは1990年から「デザイナーフーズ計画」という国家プロジェクトを立ち上げ、がん予防に効果がある食品を調査しています。

そして、1991年からは「5 A Day」運動という、1日に5皿(350g)以上の野菜と200g以上の果物を食べるよう国民を啓蒙する活動を始めています。

この活動は、がんやその他の生活習慣病の予防が目的ですが、1992年ごろからアメリカのがん死亡率は全体的に減少し始めており、ひょっとすると食生活の改善が、がんの治癒や延命に効果があったのかもしれませんね。

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アメリカの乳がん

2011-09-04 20:45:58 | 健康・病気

アメリカ国立がん研究所(NCI)の統計を見ると、乳がん死亡率(人口10万人あたりの年齢調整死亡率)は、白人で1990年から、黒人も1998年から、それぞれ減少に転じています。

アメリカ人の乳がん死亡率

この原因については、マンモグラフィー検査による早期発見、早期治療が効果を上げていると考えられているようです。

ただし、マンモグラフィーが有効なのは50歳以上だそうで、2009年11月には、アメリカ政府の予防医学作業部会(USPSTF)が、40代の女性が年に1度マンモグラフィー検査を受けることは勧められないと勧告しています。

その理由は、40代女性の場合では、マンモグラフィー検査による誤診やそれに伴う不必要な手術、またはがんの見落としがしばしば起こっているからだそうです。

また、欧米人では乳がん発症のピークが60代以降だそうなので、これがアメリカでのマンモグラフィー検査の効果を高めているようです。

ところで、2003年以降の乳がん罹患率の減少には、ホルモン補充療法(HRT)があまり施されなくなったことと関係があるようです。

ホルモン補充療法とは、更年期障害の症状を緩和するため、女性ホルモンを投与する治療法ですが、2002年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が、ホルモン補充療法はメリットよりもリスクの方が高いと発表し、急速にすたれてしまったそうです。

やはり、健康を維持するためには、薬に頼らず、自分自身で生活習慣を改善することが大切なようですね。

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