前回、がんの部位別死亡者数のグラフをご紹介したので、今回は、男女別のグラフを作成してみました。(2005年までは5年おき、それ以降は1年ごとのデータをプロットしています。)
【男性のがん部位別死亡者数のグラフ】
【女性のがん部位別死亡者数のグラフ】
これを見ると、男女とも、肺がん・大腸がん・膵臓がん死亡者数が1970年以降に増加しているのは、大気汚染や食品添加物などの発がん物質の増加が大きな原因となっているように思われます。
そして、男性の肺がん死亡者数が女性の2倍以上となっているのは、例えば西暦2000年の喫煙率が、男:47.4%、女:11.5%(厚生労働省の統計より)ですから、この差によるものと考えられます。
また、飲酒量も男女差が大きく、清酒に換算して1日1合以上かつ週3日以上飲酒する人の割合は、男:36.7%、女:7.3%(2005年国民健康・栄養調査より)ですから、この差が二次的な要因となって、胃がん・肝臓がん死亡者数の男女差を形成していると考えられます。
一方、膵臓がんと大腸がんは、男女間で死亡者数の差があまりないので、これらは喫煙や飲酒の影響を受けにくいのかもしれません。
ところで、「最近は、乳がんが治るようになった」などと吹聴する人がいますが、このグラフを見ると乳がん死亡者数は明らかに増加し続けているので、そういった話を信用することはできません。
前回ご説明したように、胃がん・肝臓がん死亡者数の減少は衛生状態の改善が主因と思われますから、西洋医学が、がん治療で大失敗を繰り返していることは明白なのです。