がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

何をどのように食べるべきか

2015-04-26 07:24:51 | 健康・病気

『食ひ改めよ -無病健康法-』(久留弘三:著、体行会:1937年刊)という本をご紹介しています。今回は第3回目です。

◆何をどのように食べるべきか

この本には、何を食べるべきか、どのように食べるべきかということについて、含蓄のある話が多いのですが、それをそのままご紹介するとやや冗長になってしまうので、著者の主張をできるだけ簡潔にまとめてみました。

1.動物は、すべてその歯牙の形状によって食べ物が規定されていて、人間は明らかに雑食動物であるが、雑食の割合も歯牙の数によって定められている。

2.人間の歯は上下全部で32本あるが、前方の上下8本は草食用、糸切り歯4本は肉食用、残りの奥歯20本は臼歯で穀食用であるから、人間は穀食を主とすべきである。

3.穀類には、人体を害する成分は絶対にない。その穀類の中でも、米が最も適食である。それ故に、米を特に正穀とよび、麦、粟、黍(きび)、稗(ひえ)類を雑穀というのである。

4.玄米の外皮には、タンパク質、脂肪、ビタミン、そして最も大切な無機塩類が含まれている。

5.ところが、この大切な部分を糠(ぬか)にして捨て、単にデンプン質だけを喜んで食しているのが今日の日本人である。白米という字を横に並べると粕(かす)という字になるのも面白い。

6.副食物は、常に「ナトリウム」よりも「カリウム」をやや勝たせるように工夫すればよい。

つまり、著者の主張は、正穀である米を、玄米の状態で食べなさいということです。その理由を、歯の形状から解き明かすというのは、とても分かりやすいですね。

なお、6については、修練を積むうちに追々分かってくると書かれているので、最初は栄養成分表を参考にする必要がありそうですが、カリウムは野菜に多く含まれているので、野菜を多めに食べるようにすれば、それほど神経質にならなくてもよいのかもしれません。

また、著者は、西洋栄養学者のいう栄養分とか滋養分とかいうもの(カロリーのこと)に迷わされてはならないと忠告しています。

そして、その証拠として、もし西洋の栄養学が正しければ、毎日美食の富豪は健康・長寿で、粗食の貧乏人は病弱・早死にとなるはずだが、逆の現象を見ることが多いことを指摘しています。

さらに、栄養学の欠点は、すべてをあまりに機械的、画一的に見たり、すでに死んでいるものを試験管に入れたり、小動物での試験結果を直ちに人間にそのまま適用しようとするところにある、となかなか鋭い指摘をしています。

確かに、戦後は西洋の栄養学に従って日本人の食生活が大いに改善されたはずですが、現代人はがんや糖尿病の増加に悩まされています。今こそ、日本古来の食事法に回帰すべきときなのかもしれませんね。

次回は、肉食の害と砂糖の毒についてのお話です。

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食養道

2015-04-19 07:21:38 | 健康・病気

『食ひ改めよ -無病健康法-』(久留弘三:著、体行会:1937年刊)という本をご紹介しています。今回は第2回目です。

◆食養道

この当時(昭和12年)、日本の医学の進歩は目覚ましく、師であるドイツを凌駕するものがあるとさえ言われていたそうです。しかし、皮肉にも、病気は減少するどころか、かえって益々増加の傾向を示していたため、著者は、

「医学の進歩といふのは、病気や病人の減少を意味するのではなく、それは医博(医学博士)が増加することであり、近代的設備を誇る壮麗なる病院が増設せられることである。」

「全く現在の西洋医学は、人間の生命には縁遠いものであり、無力なものである。」

と、西洋医学の問題点を鋭く指摘しています。(この指摘は、残念ながら今日でも真実で、医学が進歩したという割には、どこの病院も病人であふれています。)

そこで、著者が紹介するのが食養道です。

著者は序文において、「生きる」ということはそんなに難しいものであるはずがない、現代の人間が若死にしたり病気で苦しんだりするのは、人間が「自然を生きる」ことを忘れたからである、食養道は、この自然を生きる原則を教えてくれるので、その道理さえ呑み込めば、健康はひとりでに向こうからやってくる、と明言しています。

食養道の始祖は、陸軍薬剤監:石塚左玄(いしづかさげん)氏で、この人は、日本古来の食事法を深く研究し、これに化学的批判を加えて、食養道を大成したそうです。

その特徴は、西洋流の栄養学では軽視する無機質に着眼し、その中でも最も重要なのはカリウムとナトリウムであり、この2つが生命を左右するものであると位置づけます。

すなわち、カリウムとナトリウムが調和していれば健康が得られ、バランスが崩れると病気が起こり生命をも失うものであり、さらにその影響は、賢愚、美醜、性格、思想にまで及ぶと断じています。

著者は、肥料についてはこの無機成分がやかましく論じられるのに、不思議なことに人体に対してはこの点がまったく忘れられて、ただ有機化合物のデンプンやタンパク質や脂肪のみが取り上げられていることが、栄養科学の根本的な誤りであると指摘していますが、確かにこれは一理ありますね。

それでは、どのような比率で無機質を摂取すればいいのかというと、長年の経験から、カリウム:ナトリウム=5:1の割合が理想的なのだそうです。

また摂取する方法も大事で、食材を精製して薬品にするのではなく、これをできるだけ自然の姿のまま、全体的に摂取することを考えるのが、「食養」の特徴なのだそうです。

次回は、何をどのように食べればよいのかというお話です。

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無病健康法

2015-04-12 06:12:44 | 健康・病気

今回から、『食ひ改めよ -無病健康法-』(久留弘三:著、体行会:1937年刊)という本を数回に分けてご紹介したいと思います。なお、この本は国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。

この本は、がんとは直接関係ありませんが、著者は、

「食物は生命をつくる力をもってゐるからには、同時に生命を殺す力も持ってゐる筈(はず)である。」

と明言して、食による健康維持・増進の秘訣を明らかにしているので、がん患者の方にも必ず参考になると思います。

また、昔の日本の歴史や文化を知ることができるのも面白いと思います。

例えば、戦国時代末期に日本に来たキリスト教の宣教師、フランシスコ・ザビエルの紀行文の一節を次のように引用して、かつて日本人は今(昭和12年当時)よりも体格がはるかに優秀だったと説いています。

「日本人は身体長大にして強健快活、礼儀正しく父母を尊敬し、名誉を重んじ、義に富み、実践躬行し、武術を練り、勇猛耐忍、喜怒色に顕はさず、寒暑飢渇に耐え、勤務に倦まず、貪慾を嫌ひ、盗竊を憎み、不正を好まず、玄米を常食し、牛馬羊豚を食せず、蓆上着衣のまま臥して非常の備をなす等、誠に世界無比の理想人なり」

我々のご先祖様は、「世界無比の理想人」だったのかと思うと、ちょっと誇らしいですね。

なお、躬行(きゅうこう)は「自分で実行すること」、盗竊(とうせつ)は「盗むこと」、蓆上(せきじょう)は「むしろ(敷物)の上」という意味です。(『大漢和辞典』(服部宇之吉:著、春秋書院:1925年刊)より)

ところが、強健だったはずの日本人も、明治以降次第に病弱になっていったようで、明治33年には1000人に1.5人足らずだった結核性胸部疾患は、30数年で20倍近く増加したそうです。

著者は、「人生五十年」と言ったのは昔の夢で、今では日本人の平均寿命は、男:44歳、女:46歳にすぎず、日本は世界一の病弱国になってしまったと嘆いています。

そして、日本が世界一の病弱国になってしまった原因の一つとして、明治以降、米に砂を混ぜた「混砂白米」(こんさはくまい)が流行していたことを指摘して、次のように書いています。

「即ち白米の中に早搗粉(はやつきこ)と称する砂(すな)土(つち)石粉(いしこ)又は液体類を混入するのであるが、かかる毒物を混入したる白米を主食として多年に亘(わた)って摂(と)ることが、どれ位我が国民の体質を害(そこ)なはしめたか。」

戦前の日本人が、砂の混じったご飯を食べていたとは驚きですね。早搗粉は、玄米の精米時間を短縮するために用いられた石英質の粉のようですが、これは洗米しても完全には除去できなかったようです。

当時、肺結核は死病と恐れられていましたが、この病気自体は昔からあったわけで、なぜこれが戦前に国民病と言われるほど流行したのか、よく考えると不思議です。ひょっとすると、「混砂白米」が肺結核流行の原因だったのかもしれませんね。

次回からは、健康法の話を中心にお伝えしますので、お楽しみに。

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温泉のススメ

2015-04-05 07:20:56 | 健康・病気

本ブログの「癌はこれで治る」において、がんの治療法の5番目に、

◆日光浴、入浴、空気浴、全身運動、休養等を適正に行うこと

とありましたが、「入浴」に温泉を利用すれば、より一層効果がアップするのではないでしょうか。

というのも、約20年前になりますが、私は坐骨神経痛を患い整形外科に通っていたのですが、栃木県・奥塩原にある新湯温泉のむじなの湯が神経痛に特効があると知り、3泊4日の湯治を試したところ大いに改善し、さらに4泊5日の湯治で完治し、温泉の効能に驚いた経験があるからです。

ただし、温泉だけでがんを治そうとするのは無理があるので、あくまで補助的なものと考えてください。

温泉の選び方としては、国民保養温泉地に指定されている温泉か、湯治場を紹介している本に載っている温泉を選ぶとよいでしょう。

例えば、『最新 全国湯治場ガイド』(野口冬人:著、旅行読売出版社:1989年刊)という本には、胃腸病に特効がある温泉として、群馬県の四万温泉や山梨県の西山温泉が紹介されています。

胃がんや大腸がんが見つかった方は、医者から早く手術を受けるよう迫られると思いますが、まずはこういった温泉を利用して体調を整え、様子を見てはいかがでしょうか?

というのも、手術ではがんの原因までは除去できませんし、手術で胃や腸を切除すると、体力や免疫力が低下し、結局逆効果になってしまうからです。

それよりも、湯治場は自炊できるところが多いので、抗がん作用のある食材を使って自炊しながら、毎日数回温泉であたたまり、入浴の合間には散歩で気分転換をして鋭気を養えば、自然治癒力が復活して、がんに克つことも可能になると思うのです。

また、もう手術をしてしまったという方は、創傷に特効があると紹介されている山梨県の下部温泉などを利用して、手術後の保養をするのもよいと思います。

最後に、『最新 全国湯治場ガイド』で唯一、効能に「白血病」と書かれていた、群馬県の奈女沢温泉をご紹介しましょう。この温泉は「釈迦の霊泉」として知られているそうで、様々な難病を抱えた人たちが湯治にやって来るそうです。

こういったものに余り過剰な期待を抱くのは禁物ですが、温泉は大地の恵みですから、たまにはその恵みを活用してみてはいかがでしょうか?

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